【マリリンはいなくなった】全話ネタバレ解説|あらすじから感想、最終回まで

主人公である鞠原今日子がある日突然、7年間の記憶を失い、17歳の心のまま24歳の自分として目覚める。失われた7年間の謎を追う中で、同僚教師や個性的な生徒たちとの複雑な関係が明らかになっていく、新感覚の記憶喪失ラブサスペンス、それが【マリリンはいなくなった】です。
「結末がどうなるのか気になる」「話の順番や登場人物の関係が複雑で整理したい」と感じて、この記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。この記事を最後まで読めば、【マリリンはいなくなった】の物語の全体像を一気に、そして深く理解することができます。
ただし、この記事はタイトル通り、物語の核心に触れる完全なネタバレを含んでいます。そのため、これから初めて作品を読む予定の方にとっては、初見の驚きや感動が失われてしまうというデメリットもございます。その点を十分にご理解いただいた上で、読み進めていただけると幸いです。
- 【マリリンはいなくなった】の最終的な結末や各キャラクターの行く末を先に知りたい
- これまでの各話のあらすじを時系列で振り返り、物語の流れを再確認したい
- 複雑な登場人物たちの関係性や、伏線の意味を整理して深く理解したい
【マリリンはいなくなった】ってどんな話?世界観や登場人物を解説(ネタバレあり)
どんな話?世界観や設定をわかりやすく解説!
この物語の最大の特徴は、主人公・鞠原今日子がある日突然7年間の記憶を失い、高校2年生(17歳)の心のまま24歳の自分自身の体で目覚めてしまうという設定です。舞台は男子校である「集英高校」。今日子は夢だった教師になっていますが、生徒からは「マリリン」というあだ名で呼ばれ、なめられているという理想とは程遠い現実から物語は始まります。
なぜ自分は「マリリン」と呼ばれるようになったのか、そして失われた7年間に一体何があったのか。その謎を追うミステリー要素を縦軸に、クールな同僚の三住先生、まっすぐに好意を寄せてくる生徒のレオト、そして謎多き生徒・諏訪くんとの恋愛模様が複雑に絡み合う、先の読めないラブサスペンスとなっています。
主要な登場人物を紹介
鞠原 今日子(まりはら きょうこ)/ マリリン
本作の主人公。元々は成績優秀で、規則を重んじる真面目な優等生でした。7年後の世界では、派手な見た目で生徒から軽んじられる教師「マリリン」になっています。記憶を失ったことで本来の真面目な性格に戻り、失われた7年間の自分と向き合いながら、理想の教師像を目指して奮闘します。
三住 先生(みすみ せんせい)
今日子の同僚で、若くして学年主任を務めるエリート教師。当初は「マリリン」時代の今日子に冷たい態度を取っていましたが、記憶を失った彼女のひたむきな姿に触れ、次第に気にかけるようになります。彼女の過去を知る数少ない人物であり、物語の鍵を握る存在です。
真宮 獅虎(まみや れおと)
今日子の受け持つクラスの中心的な生徒。学校でも有名なイケメンで、明るく社交的な性格です。記憶を失う前の「マリリン」にも、そして記憶を失った後の今日子にも、変わらずまっすぐな好意を寄せています。彼女を巡って、三住先生や諏訪くんと対立することも。
諏訪 睦(すわ むつみ)
今日子のクラスにいる、物静かで成績優秀な生徒。今日子に「会いたい」と個人的なメッセージを送り続けていた張本人であり、物語の謎を深める最重要人物です。彼女とは高校入学以前、4年も前からの因縁があり、その関係性は複雑で謎に包まれています。
【マリリンはいなくなった】のネタバレ解説・あらすじまとめ
【マリリンはいなくなった】︎1話のあらすじ・感想(ネタバレあり)
【あらすじ】 真面目な女子高生・今日子がある日突然7年間の記憶を失い、24歳のダメ教師「マリリン」になっている現実に絶望します。家族とも疎遠になっている状況ですが、同僚の三住先生の言葉をきっかけに、自分の中に残る「かけら」を見つけ、失われた自分を取り戻すことを強く決意するのでした。

【感想】 主人公が理想とかけ離れた未来の自分になってしまうという導入は、非常にインパクトがありました。キラキラした高校生活から一転、孤独で荒んだ現実に突き落とされる今日子の絶望感が痛いほど伝わってきます。しかし、そこで終わらずに「もう一度自分を好きになる努力をする」と宣言するラストシーンは、これからの彼女の逆襲を期待させる、見事な幕開けだったと感じます。
【マリリンはいなくなった】︎2話のあらすじ・感想(ネタバレあり)
【あらすじ】 失われた7年間の手がかりを探すため、今日子は自分が住んでいたアパートを訪れます。しかし、部屋には生活感がなく、友人関係の痕跡も見つからず、深い孤独を味わいました。それでも、部屋に残された大量の教材から、自分が教師として努力してきた証を見つけ、再起を誓います。学校では、同僚の三住先生との距離が縮まり、彼がなぜか自分の好きな飲み物を知っていたことに驚きます。

【感想】 空っぽの部屋の描写が、「マリリン」が過ごした7年間の孤独を物語っていて切なかったです。そんな中で、教師としての努力の跡を見つけて自分を肯定するシーンは、今日子の強さを感じました。そして、三住先生の存在感が増した回でもあります。彼が渡したキャラメルマ-キアートが、二人の関係を動かす甘い小道具になっており、新たな謎と共に恋の予感をさせる展開にときめきました。
【マリリンはいなくなった】︎3話のあらすじ・感想(ネタバレあり)
【あらすじ】 三住先生への恋心を、記憶のない「マリリン」の感情だと考え封印しようと決意した今日子。彼女は生徒のレオトと対峙し、彼らとの関係が不適切なものではなく、あくまで「ごっこ遊び」だったことを知って安堵します。仕事で帰りが遅くなった日、三住先生に車で送ってもらうことになり、車中で彼から過去の冷たい態度を謝罪され、「これからはちゃんと見るから」と真摯な約束をされるのでした。

【感想】 生徒との間に何もなかったと分かり、読者としてもホッとしました。恋心を必死に否定しようとする今日子の姿が健気で応援したくなります。そして、ハイライトは車中の三住先生のシーンです。「これからはちゃんと見る」という言葉は、不器用ながらも誠実な彼の性格が表れていて、心を掴まれました。二人の関係が新たなステージに進んだことを感じさせる、重要な回だったと思います。
【マリリンはいなくなった】︎4話のあらすじ・感想(ネタバレあり)
【あらすじ】 今日子の熱意が伝わり、体育祭をきっかけに「打倒三住クラス」を掲げてクラスは団結し始めます。備品の買い出しに一緒に行ったレオトから、「マリリンの頃と変わらない」と優しさを指摘され、好意を告白されました。しかし、学校に戻った二人を見た三住先生とレオトは対立。レオトは、今日子が記憶を失う前から三住先生と関わりがあったことを指摘し、記憶喪失の原因は「三住のせい」ではないかと問い詰めます。

【感想】 バラバラだったクラスが、体育祭というイベントを通して一つになっていく展開は、王道の青春ドラマとして非常に面白かったです。そして、物語は甘い雰囲気から一転、ラストのレオトの言葉で緊迫したラブサスペンスへと引き戻されました。三住先生の過去に何があるのか、ミステリー要素が一気に加速し、続きが気になる見事な引きでした。
【マリリンはいなくなった】︎5話のあらすじ・感想(ネタバレあり)
【あらすじ】 レオトの疑惑に対し、三住先生は「マリリン」が「変わりたい」と強く願っていた過去を明かします。体育祭当日、クラスの団結力は最高潮に達し、熱戦を繰り広げました。最終競技でやる気をなくしていた生徒たちに対し、今日子は教師として毅然と向き合い、変わることの大切さを説きます。その覚悟を見た三住先生は、彼女の問いかけに応じ、「体育祭が終わったら、自分の知っていることを全て話す」と約束するのでした。

【感想】 「変わりたいと願っていた」というマリリンの過去が明かされ、彼女が抱えていた苦悩の深さが示唆されました。そして、教師として生徒と本気でぶつかる今日子の成長した姿に胸が熱くなります。彼女の覚悟が、ついに三住先生の重い口を開かせるきっかけとなったラストは、物語の大きな転換点を予感させ、非常に読み応えがありました。
【マリリンはいなくなった】︎6話のあらすじ・感想(ネタバレあり)
【あらすじ】 体育祭の打ち上げで、レオトは今日子に「オレを見てよ」とまっすぐに想いを告げます。その後、約束通り三住先生と会った今日子は、彼から「マリリン」が絶縁状態にある家族のことで深く悩んでいたこと、そして父親が入院した際に彼が心配して実家まで送っていたという事実を聞かされました。過去と向き合う決意を固めた矢先、クラスLINEの中から、自分に「会いたい」とメッセージを送り続けていた人物が生徒の諏訪睦であったことを突き止めます。

【感想】 今回は物語の謎が大きく二つも進展し、衝撃の連続でした。マリリンの苦悩の原因が家族問題にあったという事実は、彼女のキャラクターに更なる深みを与えます。そして、ラストで判明したメッセージの送り主。まさか物静かな諏訪くんだったとは全くの予想外で、鳥肌が立ちました。新たな謎の登場に、ミステリーとしての面白さが格段に増した回です。
【マリリンはいなくなった】︎7話のあらすじ・感想(ネタバレあり)
【あらすじ】 今日子は、メッセージの送り主である生徒・諏訪睦と対峙します。彼は涙ながらに今日子への想いを告白し、彼女が「僕の救いだった」と過去の特別な関係性を訴えました。二人の出会いが4年前、諏訪くんが中学1年生の頃まで遡ることが明かされます。彼と話したことで、今日子は激しい頭痛と共に、誰かに「ビッチ」と罵られる断片的な記憶を思い出して倒れてしまうのでした。

【感想】 諏訪くんの抱える闇の深さと、今日子への執着にも似た感情が明らかになり、物語は一気にサスペンスフルな展開になりました。彼の涙の訴えは、単なる恋心ではなく、魂の叫びのようで読んでいて苦しくなります。そして、甦るトラウマ的な記憶の断片。「マリリン」が経験したであろう辛い過去が示唆され、彼女の記憶喪失の謎の核心に迫っていく緊張感に引き込まれました。
【マリリンはいなくなった】︎8話のあらすじ・感想(ネタバレあり)
【あらすじ】 頭痛で倒れた今日子を、三住先生が優しく介抱します。彼は「きみが変わっても、俺は同じように接する」と告げ、彼女の存在そのものを肯定しました。その言葉に勇気をもらった今日子は、自分の気持ちと向き合うことを決意します。生徒であるレオトと諏訪が自分を巡って対立を深める中、ついに三住先生に「好きです」と告白。それに対し、三住先生は「考える」と返事をするのでした。

【感想】 ついに今日子が自分の気持ちを告白する、待望の展開でした。三住先生の「君が変わっても変わらない」という言葉は、今日子にとって最高の励ましであり、読者としても胸が熱くなる名シーンです。一方で、レオトと諏訪くんの対立はますます激化し、恋の四角関係はより複雑に。そして、三住先生の「考える」という思わせぶりな返事。彼の真意はどこにあるのか、恋の行方が全く読めない、最高の引きだったと思います。


