【マリリンはいなくなった】2話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 真面目な女子高生だった鞠原今日子(まりはら きょうこ)は、ある日突然7年後の世界にタイムスリップし、24歳の自分になっていました。
- 7年間の記憶を失った彼女は、夢だった教師になっていたものの、その姿は生徒から「マリリン」と呼ばれなめられている、理想とはかけ離れたものでした。
- 同僚の三住(みすみ)先生の言葉をきっかけに、自分の中に変わらない「根っこ」が残っていることに気づきます。
- 今日子は失われた自分を取り戻すため、生徒たちの前で「もう一度、自分を好きになる努力をする」と高らかに宣言し、再起を誓いました。
【マリリンはいなくなった】第2話をネタバレありでわかりやすく解説する
第1話で力強い再起を誓った今日子。第2話では、失われた7年間の自分を探すため、具体的な一歩を踏み出します。しかし、そこで彼女が直面したのは、想像以上に空虚な7年間の痕跡と、新たな人間関係の始まりでした。
失われた7年間の痕跡――空っぽの部屋と人間関係
自分を取り戻す決意を固めた今日子は、手がかりを求めて、自分が住んでいたアパートを訪れます 。しかし、その部屋は彼女の期待を裏切るものでした。
手がかりのない部屋
部屋の中は整理されているものの、生活感がほとんどありません。7年間の思い出が詰まっているはずの日記のようなものは見当たらず、手帳を開いてもそこに書かれているのは「MTG」「報告用書類」「授業用資料」といった仕事の記録ばかり 。
「逆に これ以外は 心動くこと 何もなかったのかな」
心が動いた瞬間の記録が何一つないことに、今日子は自分の失われた7年間が、まるで色のない世界だったかのように感じ、愕然とします。
途絶えた人間関係と「かつての仲間たち」の今
さらに今日子を打ちのめしたのは、人間関係の痕跡のなさでした。スマートフォンの連絡先は学校の先生たちからの業務連絡ばかりで、個人的な交流をうかがわせるやり取りは一切見当たりません 。友人の連絡先はなく 、SNSのアカウントも見つかりません 。
藁にもすがる思いで、高校時代の友人たちの名前をインターネットで検索してみます。すると、親友だった「アキ」こと立野亜希菜(たての あきな)は立派な司法書士に 、「ゆいゆい」は結婚して母親になっていました 。そして、高校時代に淡い恋心を抱いていた中澤くんは、若くして成功を収めたIT企業の社長として、メディアに取り上げられています 。
みんなが7年という時間の中で着実に前に進み、それぞれの人生を築いている。その輝かしい現実を目の当たりにした今日子は、「どこかで みんな 7年前のままだって 思っちゃってた」 と、自分の甘さを痛感し、深い孤独に包まれるのでした。
新しい一歩と、気になる同僚との距離
絶望の淵に立たされた今日子ですが、彼女はただ落ち込んでいるだけではありませんでした。
孤独の中で見つけた「頑張った証」
涙に暮れる彼女の目に、部屋の隅に積まれた大量の高校教材やテキストが飛び込んできます 。人とのつながりは見つけられなかったけれど、そこには、彼女が教師として必死に頑張ってきたであろう努力の証がありました。
「私は私なりに 自分の人生 頑張って 夢を叶えたんだよね?」
この事実は、空っぽだと思っていた7年間に確かな「居場所」があったことを教えてくれ、今日子の心を少しだけ軽くします。
ポジティブな再出発と三住先生の厳しさ
「うだうだ考えるのはやめ」「目の前にあること やるしかないっ」
気持ちを切り替えた今日子は、翌日、すっぴんのまま出勤し、職員室で同僚たちに改めて記憶喪失の件を説明します。以前の派手な「マリリン」のイメージとは違う、ひたむきな彼女の姿に、同僚の先生たちは好意的です。
しかし、学年主任の三住先生だけは、厳しい表情を崩しません。 「仕事 やるって本人が決めたんだから 当然でしょう」
「化粧なんかどうでもいい仕事してからな!!!!」
そのあまりに厳しい物言いに、今日子はただ謝ることしかできませんでした。
知ってしまった衝撃の事実「嫌われていた私」
他の先生たちの会話から、今日子は衝撃の事実を知ります。三住先生は、その若さで学年主任を務めるほど優秀で真面目な人物であること 。そして、そんな彼から、記憶を失う前の自分が「あんたのこと 嫌いだったよ」と、はっきり告げられていたことを 。
彼に対して感じていた気まずさの正体が、「嫌われていた」という事実だったと知り、今日子は深く傷つくのでした。
授業での挑戦と、甦る記憶の片鱗
三住先生に嫌われている。その事実にショックを受けながらも、今日子は「名誉挽回せねば!!」と自らを奮い立たせ、教室へと向かいます 。
過去の自分が力を貸してくれた瞬間
しかし、教室では生徒たちがダーツに興じており、授業どころではありません 。中心人物である生徒・レオトから「コレより面白い授業してくれんでしょ」と挑発されたその時、今日子は無意識に行動します。
手に取ったチョークをダーツの矢のように投げ、見事ボードのど真ん中に命中させたのです 。
「私が1番 点とったので 授業 受けてください!」
その見事な一投に、生徒たちは静まり返ります。それは、高校時代に培ったであろう何気ない特技が、今の自分を助けてくれた瞬間でした。「過去が 生きた!」 と、今日子は確かな手応えを感じます。
三住先生との会話で見つけた「好きなもの」
なんとか授業を乗り切り、少しだけ自信を取り戻した今日子。放課後、彼女は職員室で三住先生と二人きりになります。
飾らない言葉と、芽生える親近感
三住先生が夜更かしをした理由が、贔屓のサッカーチームの勝利に興奮したからだと聞き、今日子は驚きます 。いつも厳しい彼が見せた意外に子供っぽい一面に、今日子は思わず親近感を覚えてしまうのでした 。
「大人なんてみんな 経験値くっただけのコドモなんだから」
三住先生の飾らない言葉は、いつも不思議と今日子の心にまっすぐ響きます。
知らなかった「私の好きなもの」
そんな三住先生が、自販機でキャラメルマキアートを買い、今日子に差し出します。「コレだろ」「好きなんじゃないの」と 。高校時代は買い食いなどしたことのなかった今日子ですが 、一口飲むと、その甘さに衝撃を受けます。
「おいしい……」「これ 好き!!」
自分でも知らなかった「自分の好きなもの」。それを、なぜか自分を嫌っていたはずの三住先生が知っていたのです。
甦る恋の予感
「人が好きなものと出会う瞬間 初めて見たわ」
そう言って穏やかに笑う三住先生の顔を見た瞬間、今日子の脳裏に、かつての中澤くんの笑顔が重なります。
「この感覚 もしかして……」
それは、失われた過去の恋と、今まさに始まろうとしている新しい恋の予感が交差した瞬間でした。三住先生への特別な感情の芽生えを自覚したところで、第2話は幕を閉じます。
【マリリンはいなくなった】2話を読んだ感想(ネタバレあり)
第2話は、孤独な現実を突きつけられながらも、今日子が自分自身のかけらを見つけ、少しずつ前に進み始める姿が丁寧に描かれていて、胸が熱くなりました。特に、誰もいないと思っていた部屋で、自分が教師として努力してきた証である教材を見つけるシーンは、彼女の7年間が決して無駄ではなかったことを示しており、思わず涙ぐんでしまいました。
そして、なんといっても三住先生の魅力が爆発した回でした。最初はただの厳しい上司かと思いきや、実はサッカー好きで子供っぽい一面があったり、今日子のことを嫌っていたはずなのに彼女の好きな飲み物を知っていたりと、謎と魅力が満載です。彼の言葉が、いつも的確に今日子の心を救っているのも素敵です。
ダーツで生徒を黙らせるシーンは、読んでいてとても爽快でした。「過去の自分が今の自分を助ける」という展開は、記憶喪失という設定を非常にうまく活かしていると感じます。
最後のキャラメルマキアートのシーンは、この物語の方向性を決定づける重要な場面だったと思います。忘れてしまった「好き」という気持ちが、味覚を通して呼び覚まされる。そして、そのきっかけをくれた相手に新たな恋心を抱き始めるという展開は、王道ながらも非常にときめきました。今日子の失われた恋と、これから始まるであろう恋。この二つがどう絡み合っていくのか、今後の展開から目が離せません。
【マリリンはいなくなった】2話のネタバレまとめ
- 今日子は失われた7年間の手がかりを求めて自宅アパートへ行きますが、私生活の痕跡はほとんどなく、友人関係も途絶えていることを知り、孤独を痛感します 。
- 一方で、部屋に残された大量の教材から、自分が教師として努力してきた証を見つけ、前に進む決意を新たにします 。
- 同僚の三住先生から過去に「嫌いだった」と言われていたことを知ってショックを受けますが 、授業ではダーツの腕前を披露して生徒の注目を集めることに成功します。
- 三住先生の意外な一面に触れて親近感を覚える中、彼に渡されたキャラメルマキアートを飲んで、自分でも知らなかった「好きなもの」を発見します 。
- 優しく笑う三住先生の姿に、高校時代の恋の相手・中澤くんの面影を重ね、今日子は彼への新たな恋の始まりを予感します 。
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