【ムカつく後輩にやりたいようにやられてます】全話ネタバレ解説|あらすじから感想、最終回まで

夫の不倫が原因で離婚し、恋に臆病になった32歳のOL・七井瀬奈。そんな彼女の前に現れたのは、一見チャラくてムカつく後輩・八条大賀でした。実は彼もまた、過去の恋愛で傷ついた経験を持つ、不器用で一途な青年です。本作は、そんな二人が「お試しの恋人」という奇妙な関係から始まり、互いの傷を理解し、本当の愛を見つけていくまでを描く、大人のオフィスラブストーリーです。
「結末が気になる」「話の順番を忘れてしまったので整理したい」といった気持ちで、この記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。この記事を読めば、【ムカつく後輩にやりたいようにやられてます】の物語の全体像を、最初から最新話まで一気に理解することが可能です。
ただし、この記事は物語の核心に触れる重大なネタバレを全面的に含んでいます。まだ読んでいない方や、ご自身で読み進めるのを楽しみにしている方にとっては、初見の驚きや感動が失われるデメリットがありますので、ご注意ください。
- 【ムカつく後輩にやりたいようにやられてます】の全体的なあらすじと、最終的にどうなるのかという結末が知りたい
- 登場する元カノ・桃原が、物語にどう絡んでくるのか、その後の展開が知りたい
- 途中まで読んだが、各話の内容を時系列でおさらいして、最新話に追いつきたい
【ムカつく後輩にやりたいようにやられてます】ってどんな話?世界観や登場人物を解説(ネタバレあり)
どんな話?世界観や設定をわかりやすく解説!
この物語の舞台は、現代日本のごく普通のオフィスです。そのため、登場人物たちの悩みや人間関係には、誰もが共感できるリアリティがあります。物語の根底に流れるテーマは、恋愛によって深く傷ついた経験を持つ男女の再生です。過去のトラウマから人を信じられなくなったり、自分の気持ちの伝え方が分からなくなったりした二人が、「お試し」という関係を通じて、不器用ながらも必死に信頼と愛情を育んでいく過程が、丁寧に描かれています。単なる恋愛模様だけでなく、大人が過去を乗り越え、もう一度人を愛する勇気を取り戻すヒューマンドラマとしても楽しめます。
主要な登場人物を紹介
七井 瀬奈(ない せな)
本作の主人公で、32歳の総務部OL。2年前に夫の不倫が原因で離婚して以来、恋愛に対して臆病になっています。仕事はでき、周りからは頼れる先輩として見られていますが、内面では自己肯定感が低く、失敗を極度に恐れています。八条と出会い、少しずつ心を開いていきます。
八条 大賀(はちじょう たいが)
瀬奈の3歳年下にあたる29歳の後輩。一見すると軽薄で、瀬奈をからかうような言動が目立つため「ムカつく後輩」と思われがちです。しかし、実際は他人の期待に応えようとするあまり自分の意思を見失ってしまった、不器用で一途な青年。過去に付き合った恋人全員に浮気されたという、深い傷を負っています。
桃原 花音(ももはら かのん)
八条の元カノで、営業部に所属する同僚です。自信家で積極的な性格をしており、八条と別れた後も彼を諦めきれず、復縁を迫ります。瀬奈と八条の関係をかき乱す、物語の重要なキーパーソンです。
【ムカつく後輩にやりたいようにやられてます】のネタバレ解説・あらすじまとめ
【ムカつく後輩にやりたいようにやられてます】︎1話のあらすじ・感想(ネタバレあり)
夫の不倫が原因で離婚し、恋愛に臆病になっていた32歳の七井瀬奈は、ある朝、会社のムカつく後輩・八条大賀と同じベッドで目を覚まします。何も覚えていない彼女は、後に打ち上げで酔った勢いで、彼から「お試しで付き合うリハビリ恋愛」を提案され、同意していたことを知るのでした。混乱の中、瀬奈は一夜を共にしたと勘違いしたまま、八条との奇妙な関係を始めることになりました。

【感想】 第1話は、衝撃的な朝から始まり、読者の心を一気に掴みます。離婚のトラウマを抱える瀬奈のリアルな心情に共感する一方で、八条の掴みどころのないキャラクターが物語にミステリーと期待感を与えます。「リハビリ恋愛」という斬新な提案が、傷ついた二人の関係にどう影響していくのか、今後の展開が非常に気になるスタートでした。
【ムカつく後輩にやりたいようにやられてます】︎2話のあらすじ・感想(ネタバレあり)
八条との関係が進展しないまま1週間が過ぎた頃、二人は偶然にも備品室に閉じ込められてしまいます。そこで八条は、実は元カノ全員に浮気されたという衝撃の過去を告白し、瀬奈は彼も自分と同じ痛みを抱えていることを知りました。雰囲気が変わった中、八条は瀬奈にキスをし、その際、先週の夜には肉体関係がなかったという事実が判明。二人の心の距離が急接近する中で、八条から改めてデートの誘いが届きます。

【感想】 この回で八条のイメージが大きく変わりました。ただのチャラい後輩ではなく、深い傷を負った青年だとわかることで、彼のキャラクターに一気に深みが出ます。備品室に閉じ込められるという王道の展開から、二人の共通点が明らかになり、心の繋がりが生まれる流れは非常に見事です。勘違いが解けたファーストキスも、初々しくて素敵なシーンでした。
【ムカつく後輩にやりたいようにやられてます】︎3話のあらすじ・感想(ネタバレあり)
初めてのデートに出かけた瀬奈と八条。楽しい時間を過ごす中で、八条の不器用で誠実な一面に触れ、瀬奈は心惹かれていきます。そして、彼からの「すぐに会いたくなった」という言葉に心を動かされ、自らホテルへと誘いました。部屋で瀬奈が「なぜ私なの」と尋ねると、八条は入社当初からずっと彼女のことが気になっていたと告白。しかし、二人が結ばれようというその時、彼のスマホに知らない女性からのメッセージが届き、幸せな空気は一変します。

【感想】 デートを通じて二人の距離が縮まっていく様子は、読んでいて幸せな気持ちになります。そして八条の「ずっと気になってた」という告白は、この関係が単なるリハビリではないことを示し、読者の期待を最高潮に高めました。しかし、その直後に現れる謎のメッセージ。天国から地獄へ突き落とすようなラストシーンは、続きが気になって仕方なくなります。
【ムカつく後輩にやりたいようにやられてます】︎4話のあらすじ・感想(ネタバレあり)
二人が結ばれた翌朝、オフィスで八条は瀬奈に対してどこか素っ気ない態度を取ります。それは瀬奈に迷惑をかけまいとする彼の不器用な配慮でしたが、瀬奈は不安を募らせてしまいました。そんな中、例のメッセージの送り主である元カノ・桃原花音が八条の前に現れ、復縁を迫ります。そして、瀬奈が通りかかった最悪のタイミングで、桃原は自らを八条の「元カノです」と紹介するのでした。

【感想】 幸せな夜からの急転直下、すれ違いと修羅場が描かれるハラハラする回です。八条の不器用な優しさが裏目に出てしまう展開は、もどかしくも彼のキャラクター性をよく表しています。そして、元カノ・桃原の登場は、物語に大きな波乱を呼び込む起爆剤として完璧な役割を果たしており、読者の感情を大きく揺さぶりました。
【ムカつく後輩にやりたいようにやられてます】︎5話のあらすじ・感想(ネタバレあり)
桃原の登場に動揺する瀬奈でしたが、八条が自分と付き合っていると断言したこと、そして彼の不器用な配慮を理解したことで、覚悟を決めます。彼女は「仮でも恋人でしょ」と二人の関係を肯定し、自ら桃原と対峙しました。その話し合いの中で、以前二人が閉じ込められた備品室の鍵を壊したのは、桃原の八つ当たりが原因だったことが判明。さらに、八条がまだ彼女の連絡先を消していないことも発覚し、新たな火種が生まれます。

【感想】 この回は瀬奈の成長が光ります。これまでは受け身だった彼女が、自らの意志で関係を守ろうと行動を起こす姿は、非常に格好良いです。「仮でも恋人でしょ」というセリフは、二人の関係における大きな転換点であり、名言だと感じます。桃原のキャラクターも、ただの悪役ではなく、物語を動かす重要な存在として描かれていて見事です。
【ムカつく後輩にやりたいようにやられてます】︎6話のあらすじ・感想(ネタバレあり)
その日の夜、瀬奈と改めて向き合った八条は、自分の過去について全てを打ち明けます。厳格な家庭環境で育ったことで自分の意思を失い、相手の望む通りに振る舞うだけの受動的な恋愛しかできず、結果として元カノたちに浮気されてきたこと。そして、瀬奈へのアプローチが、初めて自分の意思でしたことだったと告白しました。最後に、彼は「仮交際」は逃げ道だったと白状し、「あなたが初恋かもしれません」と本当の気持ちを伝えるのです。

【感想】 物語の核心に迫る、非常に感動的な回でした。八条の抱える心の傷の根源が明らかになり、彼の全ての行動に説明がつきます。その上で放たれる「初恋かもしれません」という告白は、どんな言葉よりも誠実で、重みのあるものでした。傷ついた青年が、人生で初めて本当の恋を見つけた瞬間に立ち会ったような、深い感動を覚えます。
【ムカつく後輩にやりたいようにやられてます】︎7話のあらすじ・感想(ネタバレあり)
あまりに大きな告白の後、お互いに気まずさを感じてしまった瀬奈と八条は、翌日のオフィスでよそよそしく振る舞ってしまいます。しかし、自分の気持ちと向き合った瀬奈は、その日の帰りに八条を追いかけ、「うれしかったよ」と素直な気持ちを伝えました。彼女の言葉に救われた八条は、今度は素面で想いを伝えることを約束。そして「俺と一緒の時は失敗してもいいですよ」と伝え、瀬奈もまた、彼との縁を大事にしてもう一度人を愛そうと決意するのでした。

【感想】 告白後の気まずい「あるある」を、これ以上なく美しく解決した回です。ここで瀬奈から行動を起こしたことが、二人の関係を対等なものへと昇華させました。そして八条の「失敗してもいいですよ」という言葉は、過去の失敗に囚われる二人が、互いを許し、受け入れ合うという、この物語のテーマそのものを象徴する名セリフだと感じます。最高の形で「本当の恋」が始まった、希望に満ちた素晴らしい締めくくりでした。


