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【リモートで殺される】ネタバレ解説!犯人と動機、ラストの結末

ずっちー

2020年に放送され、その斬新な設定と衝撃的な展開で話題を呼んだドラマ『リモートで殺される』。放送後にはhulu オリジナルとして「殺人の裏側編」が配信されましたが、犯人やその動機、そして驚きのラスト結末について、多くの視聴者が様々な感想や考察を巡らせました。中には、展開の唐突さや結末の描き方から、ひどい、あるいはつまらないと感じた方もいるかもしれません。

この記事では、地上波放送とHuluで配信された「殺人の裏側編」の内容を統合し、複雑に絡み合った人間関係と事件の全貌について、ネタバレ情報を徹底的に解説していきます。

この記事を読むと以下のことが理解できます
  • 事件全体の流れと時間軸
  • 高校時代に起きた田村由美子の死の真相
  • 連続殺人事件の真犯人と共犯者の正体
  • Hulu版「殺人の裏側編」で明かされた追加情報

【リモートで殺される】ネタバレ解説!事件の概要

  • 発端となる古郡一馬の死の真相
  • 7年前に自殺した田村由美子の秘密
  • 由美子を殺した真犯人は野島絵里
  • 復讐を実行した犯人は松園佳代子
  • 佳代子が抱いていた復讐の動機とは

発端となる古郡一馬の死の真相

物語は、新型コロナウイルスの影響による自粛期間の最中、元高校の同級生6人がオンラインで集う「リモート飲み会」から静かに始まります。久しぶりの再会を喜ぶ彼らの和やかな会話は、一人のメンバー、藤原太の口から「警察が古郡一馬の行方を捜している」と告げられたことで、不穏な空気に一変します。そして、その不安が頂点に達したのは、リモート画面の向こうで流れたニュース速報でした。行方不明だった古郡一馬が住むアパートで火災が発生し、一人の焼死体が発見されたというのです。この衝撃的な出来事が、後に続くリアルタイム連続殺人の恐ろしい幕開けとなります。

実は、この火災は単なる事故ではありませんでした。Huluで配信された「殺人の裏側編」で明かされた真相は、このリモート会話が始まるよりも前に、松園佳代子が一馬を殺害し、彼の部屋にガソリンと時限式の放火装置を仕掛けていたというものでした。佳代子は、他の5人とリモートで会話している間に装置を作動させることで、自分はオンライン上にいるという鉄壁のアリバイを作り出すことに成功したのです。なぜなら、一馬は7年前に起きた田村由美子転落死事件の真相を写した、決定的な証拠をその手に握っていました。そのため、佳代子の復讐計画の最初の障害として、口を封じられる形で無残にも命を奪われることになったのです。

7年前に自殺した田村由美子の秘密

この一連の惨劇の根源は、7年前の高校時代にまでさかのぼります。当時、同級生であった田村由美子は、学校の屋上から転落して死亡しました。現場の状況や残された遺書から、警察はこれを自殺と断定し、事件は処理されていました。しかし、彼女の死の裏には、友人たちも知らなかった深い秘密が隠されていたのです。

その秘密とは、由美子が同性である松園佳代子と密かに恋愛関係にあったことでした。由美子は、男子生徒を翻弄するような小悪魔的な魅力を持ち、誰にも本心を見せないミステリアスな存在として周囲から見られていました。しかし、彼女が心から愛し、信頼していたのは佳代子ただ一人だったのです。この誰にも明かせなかった二人の親密な関係が、嫉妬と憎悪の渦を生み出し、7年後の恐ろしい悲劇へと繋がる最初の引き金となりました。

由美子を殺した真犯人は野島絵里

7年前、田村由美子を死に追いやった真犯人は、自殺した本人でもなく、謎の第三者でもありませんでした。それは、彼女たちの親友グループの一員であった、野島絵里です。絵里は以前から、グループの中心にいる佳代子に対して友情以上の特別な感情を抱いていました。しかし、自分の想いを伝えられずにいたある日、佳代子と由美子が大親友という関係を超え、愛し合う二人がキスをしている場面を偶然にも目撃してしまいます。

信じていた親友に裏切られたという思いと、愛する人を奪われた激しい嫉妬に狂った絵里は、佳代子の誕生日を祝うパーティーの裏で、由美子を人気のない屋上に呼び出しました。そして、ナイフを手に「佳代子の前から消えて」と由美子に迫ります。そのもみ合いの末、バランスを崩した由美子は屋上から転落してしまいました。Hulu版で描かれた詳細によると、落下後もまだ意識があった由美子は、薄れゆく意識の中で、自分を突き落とした絵里のことを見つめ、不気味に微笑んでいたとされています。この衝撃的な犯行の瞬間は、偶然にも同じ場所にいた古郡一馬のカメラに収められており、7年の時を経て、復讐の女神となる佳代子の手に渡ることになったのです。

復讐を実行した犯人は松園佳代子

愛する由美子が自殺ではなく、親友だと思っていた絵里によって殺されたという驚愕の事実を知った松園佳代子は、静かに、そして冷徹に絵里への復讐を決意します。彼女は、コロナ禍という特殊な状況を利用し、リモート飲み会という閉鎖空間を舞台にした、前代未聞の復讐劇を計画し、実行に移しました。

前述の通り、佳代子はまず、事件の唯一の物証を握る古郡一馬を計画の最初に殺害し、自身の完璧なアリバイを確保します。その後、リモート会話を続けながら、共犯者を使って他の同級生たちを一人、また一人とリアルタイムで殺害していく様子を絵里に見せつけました。仲間が次々と無残に殺されていく様を目の当たりにさせ、助けを求めることもできず、次は自分の番かもしれないという恐怖で、絵里の精神をじわじわと、しかし確実に追い詰めていったのです。佳代子の一見常軌を逸した一連の行動は、そのすべてが、7年前に命を奪われた由美子のための、ただ一つの純粋な復讐心から生まれていました。

佳代子が抱いていた復讐の動機とは

佳代子の犯行動機は、由美子への計り知れないほど深い愛情と、その最愛の人を奪った絵里への骨の髄まで達するほどの激しい憎しみです。7年間もの長い間、由美子の死を悲劇的な自殺だと信じ、その後悔と悲しみを一人で抱え続けてきた彼女にとって、その死が信頼していたはずの親友・絵里によるものだったという事実は、到底許せるものではありませんでした。

それでは、なぜ復讐の対象である絵里だけでなく、直接的な関係のない他の男子同級生たちまで、あれほど残忍に殺害する必要があったのでしょうか。その問いに対して、物語の終盤で佳代子は「一人じゃ寂しいじゃない」と静かに語ります。これは、生前の由美子が寂しさを感じた時によく口にしていた言葉でした。佳代子は、由美子を殺した絵里を地獄へ送るだけでなく、7年前に真実から目を背け、由美子の死の真相究明に協力しなかった他の同級生たちをも道連れにすることで、由美子の寂しさを紛らわそうとしたのかもしれません。最愛の人を失った深い悲しみと、長年にわたって心の中で増幅し続けた憎しみが、彼女を常人には理解しがたい、冷酷な連続殺人へと駆り立てたと考えられます。

Hulu版【リモートで殺される】ネタバレの裏側

この記事を読むと以下のことが理解できます
  • 佳代子の復讐に協力した共犯者の存在
  • 共犯者である井上透の役割
  • Hulu版で明らかになる追加シーン
  • 「殺人の裏側編」で描かれたこと
  • リモートで殺されるのネタバレ考察まとめ

佳代子の復讐に協力した共犯者の存在

地上波での放送だけを観た視聴者の多くは、佳代子がどのようにして、リモート画面に映り続けながら、短時間のうちに複数の場所で殺人を実行したのか、その物理的なトリックに多くの謎を感じたはずです。佳代子単独での犯行には無理があるという考察が飛び交う中、その答えはHuluで独占配信された「殺人の裏側編」で明確に示されました。彼女の完璧に見えた復讐計画には、影で彼女を支え、手を汚した共犯者が存在したのです。

その衝撃的な共犯者の正体は、井上透でした。彼は、他のメンバーと同様にリモート飲み会に参加していましたが、その裏で佳代子と通じていました。佳代子は、由美子殺害の真相と絵里への復讐計画を透に打ち明け、協力を依頼します。なぜ透が協力したのか、その明確な理由は劇中では語られませんが、佳代子に半ばマインドコントロールされるような形で、彼女の瞳に見つめられ、抵抗できないままこの恐ろしい計画に加担することを承諾してしまう様子が描かれています。

共犯者である井上透の役割

井上透は、佳代子の復讐計画において、彼女の手足となって動く実行犯として、極めて重要な役割を担いました。彼は佳代子からの指示を受け、リモート飲み会に参加して仲間と会話をしながら、その裏では次々と同級生たちに手を下していくという、恐ろしい二面性を見せつけます。

具体的な犯行の流れ

  • 北川淳二の殺害: 佳代子の身を案じ、バイクで彼女の部屋まで駆けつけた淳二を、待ち伏せしていた透が背後からナイフで襲撃します。そして、致命傷を負いながらもまだ息のあった淳二に対し、佳代子自身がとどめを刺すという残忍な連携プレーを見せました。
  • 藤原太の殺害: 漫画喫茶に一人でいた太の元へ忍び寄り、背後から無慈悲にナイフで何度も突き刺して殺害。その血しぶきがリモートカメラに飛び散るという、ショッキングなシーンが描かれました。
  • 野村優作の殺害: 優作が自宅にいるところを突き止め、窓ガラスを割ってガソリンを投げ込み、火を放って焼殺するという凶悪な手口で犯行に及びました。

これら一連の犯行は、佳代子が他のメンバーと共にリモート画面に映っている間に行われており、井上透という実行犯の協力がなければ、決して成り立たないものでした。

Hulu版で明らかになる追加シーン

前述の通り、「殺人の裏側編」では、地上波放送では意図的に隠されていた数々のシーンが追加されており、それによって事件の裏側や犯人たちの心理をより深く理解することができます。

例えば、物語の冒頭、透がすでに殺害された一馬の部屋に忍び込み、絵里の犯行が記録された証拠のガラケーを回収する場面。さらに、その場で火事を起こすための時限装置を冷静に設置する様子などが具体的に描かれています。また、佳代子がリモート画面の中で殺されたふりをするために、洗面所でケチャップを自らの顔に塗りたくり、死に際の表情を練習するという不気味な準備の様子も映し出されました。これらの追加シーンは、犯人たちの計画がいかに周到で、その精神がいかに冷酷であったかを鮮烈に印象付けます。

「殺人の裏側編」で描かれたこと

Huluで配信された「殺人の裏側編」は、単なる地上波版の補足やディレクターズカット版ではありません。これは、物語のミステリーの核となる部分を解き明かす上で、絶対に欠かすことのできない不可欠な要素です。

地上波放送では、視聴者は何も知らない主人公たちと同じ視点に立ち、リアルタイムで進行する得体の知れない恐怖を体験します。しかし、そこでは多くの謎が提示されるだけで、明確な答えは示されないまま幕を閉じます。一方で、「殺人の裏側編」では、物語の視点が反転し、犯人である佳代子と透の側から事件が描かれます。犯行の動機が生まれた瞬間から、計画の準備段階、そして殺人を実行する細部までが赤裸々に明かされるのです。つまり、地上波の「表」とHuluの「裏」という、2つの作品を合わせて観ることで、初めて『リモートで殺される』という物語の恐ろしい全体像が完成する構造になっているのです。

リモートで殺されるのネタバレ考察まとめ

  • 物語は同級生6人のリモート飲み会中に起こる連続殺人事件を描く
  • 事件の発端は7年前に起きた田村由美子の転落死
  • 由美子の死は自殺ではなく野島絵里による殺人だった
  • 絵里は由美子と松園佳代子の関係に嫉妬し犯行に及んだ
  • 連続殺人事件の主犯は由美子を愛していた松園佳代子
  • 佳代子の動機は絵里への復讐
  • 佳代子には井上透という共犯者がいた
  • 透は佳代子に協力し実行犯として同級生を次々と殺害した
  • 最初の犠牲者である古郡一馬は絵里の犯行の証拠を握っていた
  • 佳代子は一馬を殺害後に時限装置で火事を起こしアリバイを偽装した
  • Huluの「殺人の裏側編」で犯人側の視点が描かれている
  • 透が証拠のガラケーを回収するシーンもHuluで明かされた
  • 佳代子が他の同級生を殺した理由は「一人じゃ寂しいから」という由美子の言葉に由来する
  • 物語のラストで佳代子は絵里を由美子の元へ連れて行こうとする
  • 地上波とHulu版を合わせて観ることで物語の全貌が理解できる
ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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