【人喰い村~ケガレノマツリ~】全話ネタバレ解説|あらすじから感想、最終回まで

ずっちー

【人喰い村~ケガレノマツリ~】ってどんな話?世界観や登場人物を解説(ネタバレあり)

どんな話?世界観や設定をわかりやすく解説!

この物語は、天涯孤独の青年が、自身のルーツを求めて足を踏み入れた廃村で、恐ろしい因習と異形の存在に直面する和製ホラーミステリーです。物語の主な舞台は、20年前に大規模な山崩れによって廃村となった「入相村」になります。主人公たちが訪れる現代のパートと、村で過去に起きた惨劇を思わせる昭和の時代のパートが交錯しながら、村に隠された秘密が少しずつ明らかになっていく構成です。

物語の鍵を握るのは、村に古くから伝わる「久那枝祭り」という10年に一度の大きな祭りです。村人たちはこの祭りを神聖視しており、主人公の修を「おやかたさま」と呼び、異様なまでに歓迎します。しかし、その裏では排他的で不気味な一面も持ち合わせており、彼らが守ろうとする「因習」が、物語に底知れない恐怖を与えています。

主要な登場人物を紹介

碑里田 修(ひりた おさむ)

本作の主人公。スーパーでアルバイトをするごく普通の青年ですが、生まれてすぐに両親と離れ、唯一の肉親だった祖母も早くに亡くしたため天涯孤独の身です。祖母の形見である石のアクセサリーが、彼を忌まわしい因習の残る入相村へと導きます。村では「おやかたさま」と呼ばれ、特別な存在として扱われます。

三城 夕空(みしろ ゆあ)

修のアルバイト仲間で、宮都大学に通う女子大生です。民俗学に深い知識と強い興味を持っており、修が持つ石の紋章に気づき、彼を自身の所属する民俗学研究室へと誘います。優しく面倒見の良い性格で、孤独だった修の心の支えとなる存在です。

沖野 信(おきの しん)

宮都大学で民俗学を教える教授。温和な人柄で、学生たちからの信頼も厚い研究室のリーダーです。修の持つ石の重要性にいち早く気づき、入相村でのフィールドワークを計画します。

川島 秀里(かわしま ひでさと)

沖野研究室の助教。冷静沈着な性格で、フィールドワークでは運転手役もこなし、学生たちを引率する頼れる存在です。

春日井 学(かすがい がく)

研究室に所属する学生の一人。口数は少ないですが、村の異様な雰囲気を敏感に感じ取ります。物語における最初の犠牲者となってしまいます。

真壁 初姫(まかべ はつひめ)

入相村に住む、黒髪で無表情な謎の少女。村人たちからは「ヒメちゃん」と呼ばれています。修の前に突然現れ、「この地を立ち去れ」と意味深な警告を発します。

異形の怪物

入相村の森に潜む、人間離れした存在。長い黒髪と複数の腕を持ち、驚異的な身体能力で修たちに襲いかかります。その正体や目的は一切不明です。

【人喰い村~ケガレノマツリ~】のネタバレ解説・あらすじまとめ

【人喰い村~ケガレノマツリ~】︎1話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

昭和の時代、山中で道に迷った男たちが得体の知れない何かに襲われる不気味なシーンから物語は始まります。場面は現代に移り、天涯孤独の青年・碑里田修は、アルバイト先の同僚・三城夕空の誘いで宮都大学の民俗学研究室を訪れます。そこで、修が祖母の形見として身につけていた石の紋章が、20年前に廃村となった「入相村」の名家のものと一致することが判明しました。自身のルーツを知る唯一の手がかりを求め、修は研究室のフィールドワークに同行することを決意します。

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【感想】 過去のホラーパートと現代のミステリーパートが交錯する構成に、冒頭から一気に引き込まれました。主人公である修の孤独な境遇には、思わず感情移入してしまいます。彼が自身の過去と向き合うため、勇気を出して一歩を踏み出す姿を応援したくなる、そんな物語の幕開けでした。

【人喰い村~ケガレノマツリ~】︎2話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

長い時間をかけて入相村に到着した一行でしたが、村の建設会社社長・井岡をはじめとする村人たちに、高圧的な態度で追い返されそうになります。しかし、修の顔を見た途端、村人たちの態度は一変。「おやかたさま」と呼び、地面にひれ伏して一行を歓迎し始めました。その夜、修を「御曹司」として祭り上げる異様な宴が開かれますが、その翌朝、学生の春日井が井戸の中で両目から血を流す無残な遺体で発見されます。

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【感想】 村人たちの手のひらを返したような態度の変化が、不気味でなりませんでした。「おやかたさま」という歓迎の言葉とは裏腹に、修が何か恐ろしい儀式の生贄にされるのではないかという予感が漂います。和やかだったフィールドワークの雰囲気が、春日井の衝撃的な死によって一変し、安全な場所などどこにもないことを突きつけられた回でした。

【人喰い村~ケガレノマツリ~】︎3話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

仲間の死を目の当たりにし、一行はパニック状態に陥ります。外部との連絡手段も絶たれていることが判明し、絶望的な状況下で仲間同士の亀裂も生じ始めました。沖野教授の調査により、春日井の死は「手印」を施された儀式的なものであり、村の「久那枝祭り」との関連が浮上します。助けを求めて村役場へ向かった修、川島、夕空、坂下の4人でしたが、道はバリケードで封鎖されており、脱出を図る道中で何者かの襲撃を受けます。

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【感想】 孤立した極限状況で、人間の弱い部分が露呈していく様子がリアルに描かれていて、胸が苦しくなりました。事件が単なる殺人ではなく、村の因習に基づいた儀式である可能性が示唆されたことで、恐怖の質が個人から組織的な狂気へと変化し、物語のスケールが一気に広がったように思います。

【人喰い村~ケガレノマツリ~】︎4話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

一行の車を襲ったのは、複数の腕を持つ異形の怪物でした。怪物は一行の唯一の退路である橋を破壊し、その影響で車は横転、運転していた川島助教が命を落とします。なんとか車から脱出した修、夕空、坂下の3人でしたが、怪物はなぜか彼らを見逃しました。途方に暮れる彼らの前で、山頂から松明の列が下りてくる祭りの儀式「龍火の儀」が静かに始まります。

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【感想】 ついに姿を現した怪物のビジュアルと、その圧倒的な力に絶望しかありませんでした。頼れる大人であった川島先生を失い、完全に逃げ道を断たれてしまった状況には、息を飲むばかりです。そんな極限状態の中で、厳かに始まる「龍火の儀」の光景は、美しくも恐ろしく、この村の底知れない狂気を象徴しているようでした。

ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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