【人間関係アディクション】1話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

【人間関係アディクション】第1話をネタバレありで簡単に解説する
今回から、思春期の繊細で危うい人間関係を描いた物語「人間関係アディクション」の各話を、ネタバレありで詳しく解説していきます。第1話は、主人公ソル・ダナが抱えるスクールカーストへの渇望と、彼女を取り巻く歪んだ日常、そして、その日常を根底から揺るがす衝撃的な出会いが描かれます。
スクールカースト上位を目指す少女・ダナ
物語は、主人公の女子高生ソル・ダナが、鏡の前で念入りにメイクをするところから始まります 。彼女の心の中には、「もっと可愛くなりたい」「周りから一目置かれたい」という強い願望が渦巻いています。これは、学校という小さな社会で、少しでも上の立場に立ちたいという、多くの人が一度は抱くであろう切実な感情の表れです。
しかし、彼女の変身願望はどこか自信なさげです。自分で短くしたスカートの丈を見つめ、「はぁ…もっと短くしとかなきゃいけなかったのに…ビビってちょっとしか短くしなかったから全然目立たないわね…」と内心で後悔の言葉を漏らします 。
この独り言からは、大胆になりきれない彼女の臆病な一面と、それでも周囲の目を強く意識している様子がうかがえます。ダナは、誰もがうらやむような「イケてる女子」になることを夢見ながらも、あと一歩が踏み出せない、そんなアンバランスな状態にあるのです。
「イケてる」友人たちとの歪な関係
ダナが合流したのは、学校の中心グループに属する友人たちでした。しかし、その雰囲気は決して穏やかなものではありません。友人のスギョンやドンフンは、路地裏で平然とタバコを吸っています。タバコの煙が立ち込める中、ダナは一人、その輪から少し距離を置いて立っています。
スギョンが「ダナはタバコ吸わないから」と説明するように、彼女がこのグループに完全には染まりきれていないことが示唆されます 。
ここで、友人ドンフンがダナに投げかけた言葉が、彼女の心を鋭くえぐります。
「意外だな…スギョンの友だちは不良しかいねぇと思ってたが…」
この一言で、ダナの表情は曇ります。自分が「おとなしい子」「陰キャ」だと思われているのではないか、という不安が彼女を襲うのです 。
すると、ダナの不安を察したのか、スギョンが突然ドンフンを蹴りつけ、「おいドンフン!私のダナをいじめんな!」と叫びます 。この暴力的な行動は、一見ダナを守っているように見えますが、実際にはグループ内での力関係を見せつけているに過ぎません。ダナは、スギョンという強い存在に守られることで、かろうじてこのグループに居場所を確保している、そんな危ういバランスの上に成り立っている関係性が浮き彫りになります。
憧れのイケメン・ホヨンとの秘密の連絡
そんな緊張感のある友人関係の中で、ダナにとって唯一の心のときめきと言えるのが、学校一のイケメン、イ・ホヨンの存在です。彼女のスマートフォンが振動し、表示されたのはホヨンからのメッセージでした 。彼から「俺ちょっと遅れるからみんなに言っといてくれるか?」と個人的な連絡が来ることに、ダナは特別な感情を抱いています 。
しかし、その特別な関係もまた、新たな火種を生みます。ドンフンが「なんでお前にだけ話したんだろうな?どうも怪しいぜ」と疑いの目を向けるのです 。憧れの相手との秘密の関係は、ダナに優越感を与えると同時に、友人たちからの嫉妬や詮索というリスクもはらんでいます。
教室での残酷な振る舞い
舞台は教室に移り、ダナの持つ二面性がよりはっきりと描かれます。休み時間、ダナとスギョンは、学級委員の女子生徒の席を陣取って談笑していました 。そこへ席の持ち主である学級委員がやって来て、おどおどしながら「あの…」「話してる途中悪いんだけど…チャイムももう鳴ったし…」と声をかけます 。
ダナは一度は席を立とうとしますが、スギョンはダナの手を掴んで引き止めます 。そして、学級委員に向かって「先生まだ来てないじゃない!」「耳悪いの?」と威圧的に対応し、完全に黙らせてしまうのです 。恐怖を感じた学級委員は「わ…わかった…ごめんなさい」と謝り、引き下がるしかありませんでした 。
この一連の出来事の後、スギョンはダナに「あんた弱気すぎるわよ?そんなんじゃなめられるわ」と諭します 。ダナは、この関係性を失うことを恐れるあまり、罪悪感を感じながらも残酷な振る舞いに加担してしまうのです。
甘い蜜の味と公然の反抗
ダナの心の中では、現在の自分を肯定する気持ちが芽生えていました。もともと普通の生徒だった彼女は、スギョンと親しくなったことで、多くの「いいこと」を手に入れたのです 。イケてる子たちと自然に近づけ、憧れのホヨンとも知り合えました 。そして何より、自分たちを怖がる生徒たちを見ることで得られる「優越感」は、抗いがたい魅力でした 。彼女は、この心地よさを「甘い汁」と表現し、もう後戻りできないほどに浸っていることを自覚しています 。
その変化は、担任教師への態度にも表れます。遅れてきた担任が、まだ席についていないダナをクラス中で叱責します。
「ダナ!早く自分の席に着きなさい!」
みんなの前で恥をかかされたダナは、もはや黙っていません。彼女は、はっきりと聞こえる声で担任に毒づきます。
「うっせぇな…自分も遅れて来たくせに偉そうに言いやがって…」
この公然の反抗にクラスは笑いに包まれ 、すかさずスギョンが「ダナの言うとおりですよ〜先生も遅れたじゃないですか〜」と援護射撃します 。ダナはもはや、ただ流されるだけの存在ではなく、自ら反抗的な態度をとることで、グループ内での自分の立場を確固たるものにしようとしているのです。
波乱の幕開け!謎の転校生と「結婚の約束」
そして担任は、気を取り直して一人の転校生を紹介します。教室に入ってきたのは、お世辞にも格好いいとは言えない、どこか冴えない雰囲気の男子生徒、ハン・チヒョクでした 。ダナは彼を一目見て、「超ブサイクじゃない…マジで気持ち悪い」と心の中で吐き捨てます 。
クラス中がその容姿にざわつくなか、チヒョクはまっすぐにダナを見つめます。そして、次の瞬間、彼は信じられない言葉を叫びました。
「僕だよ!ハン・チヒョク!覚えてない?」
「約束したじゃないか!大きくなったら…結婚しようって!」
静まり返る教室。ダナの「…は?」という呆然とした表情で、第1話は幕を閉じます 。平穏に見えた(しかし内側は歪んでいた)彼女の日常は、この謎の転校生の登場によって、一体どこへ向かうのでしょうか。
まとめ【人間関係アディクション】第1話を読んだ感想(ネタバレあり)
第1話を改めて読み解くと、主人公ダナの変貌がより鮮明に感じられました。当初は、スクールカースト上位のグループに何とかついていこうとする、少し気弱な少女という印象でした。しかし物語が進むにつれ、彼女は単なる追従者ではなくなっていることに気づかされます。特に、担任の先生にクラス中で悪態をつくシーンは衝撃的です。これは、彼女がスギョンの価値観に染まり、優越感という「甘い汁」の味を知ってしまったが故の、非常に危険な行動です。もはや罪悪感よりも、自分のプライドや立場を守ることを優先してしまっている姿は、見ていて胸が苦しくなると同時に、目が離せない魅力があります。
そして、その歪んだパワーバランスで成り立っていた教室に投下された、「結婚の約束」という巨大な爆弾。これまでダナが必死に築き上げてきた「イケてる自分」という虚像を、根底から破壊しかねない存在の登場です。冴えない転校生ハン・チヒョクは、ダナをこの歪んだ人間関係の沼から救い出す救世主なのでしょうか。それとも、彼女のプライドをずたずたにする、最悪の過去からの刺客なのでしょうか。今後の展開が全く予測できない、完璧な幕開けだったと思います。
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