【人間関係アディクション】20話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

ずっちー

【人間関係アディクション】第20話をネタバレありで簡単に解説する

前回、ダナとホヨンはカラオケには行かず、二人きりの甘いデートの時間を過ごしました。しかし、その裏ではジュダムがホヨンに接近しようと動き出しており、不穏な空気が漂い始めます。第20話では、舞台をダナの家庭に移し、両親との会話を通して彼女が抱える人間関係の歪みと、学校での友人との会話の中でさらに深まっていく葛藤を描き出します。

甘くて苦い、家族団らんの嘘

ホヨンに家まで送ってもらったダナが帰宅すると、両親が温かく出迎えます。母親は「遅いから電話しようと思ってた」と心配し、食卓にはダナのために旬のスモモが用意されていました。母親は「高校はどう?友だちできた?」と、娘の学校生活を気遣います。

「うん、今日も一緒に夕食食べてきたし」とダナは答えますが、母親が「名前は?」とさらに踏み込んでくると、口ごもってしまいます。そして母親は、ダナが中学時代に親友だった「ジヒョンちゃん」の名前を挙げました。

「勉強ができるいい子だったわよね」「ジヒョンちゃんとは連絡取ってるの?」

過去の「陰キャ」な友人との関係を懐かしむ母親。しかしダナは、現在の「一軍」の友人たちを、素直に両親に紹介することにためらいを感じていました。同年代の仲間には自慢したい存在でありながら、親には紹介できない友人関係。その矛盾した感情を、彼女はスモモの味に重ねて「…変な味」と呟くのでした。

「問題ない」の一言に隠された罪悪感

父親からも「学校の生活はどうだ?特に問題はないか?」と尋ねられたダナ。彼女の脳裏には、チヒョクへの暴行事件や、職員室での尋問といった、決して「問題ない」とは言えない光景がよぎります。しかし、彼女が口にした言葉は「別に…」「問題ない」という、短い嘘でした。

そんな中、リビングのテレビからは、校内暴力を苦にした生徒の自殺事件という、痛ましいニュースが流れてきます。両親はそれを「やれやれ…またか」「嫌ね…」と、どこか他人事のように眺めていました。そして母親は、こう安堵の言葉を漏らします。

「うちのダナはこういうことに無縁でよかったな…」

その言葉は、ダナの胸に罪悪感の棘となって突き刺さります。しかし同時に、自分の嘘がばれなかったことに、心の底から安堵してしまうのでした。

被害者への憎悪と、芽生える危険な願望

翌日の学校。ダナは、病院に運ばれたチヒョクの存在に、言いようのない恐怖と憎悪を感じていました。

(自分を殴ったのがホヨンだって言いふらすだろうし、また結婚しようとか騒ぎまくるに決まってる…)

チヒョクが復讐してくるかもしれないという恐怖は、やがて「マジでムカつく…」「このままあ…私ってば何考えてんのよ」と、彼への殺意に近い危険な願望へと変わっていきます。すぐに「いくらムカついても死んでほしいなんて…」と我に返るものの、「このまま転校か退学でもしてくれればな…」という黒い本音は、彼女の心から消えることはありませんでした。

ランの「スイッチ」と、スギョンが語る過去

教室で、ダナはスギョンと会話していました。話題は、昨日姿を消したランのことへ。ダナが、ホヨンと付き合っていることを知ったらランがどう思うか心配していると、スギョンは意外な事実を口にします。

「ハハッ ホヨン好きな子って、みんなランのこと怖がるのよね~」「断言するわ!あの二人はもう同性の友達みたいなもんよ」

さらにスギョンは、ダナを安心させるために、決定的な情報を付け加えました。

「ランがまだホヨンを好きなんだったらアレだけど、聞いたところじゃホヨンの方がフラれたって話だし」「だから大丈夫よ~」

ランの気まぐれな性格を「どこにスイッチがあるかわかんない」と評しつつも、二人の関係は完全に過去のものであるとスギョンは断言します。しかし、この言葉は本当にダナを安心させるものなのでしょうか。

まとめ【人間関係アディクション】20話を読んだ感想(ネタバレあり)

第20話は、ダナの視点から、彼女が抱える内面の葛藤が非常に丁寧に描かれた回でした。特に、家族との食卓のシーンは、この物語の核心に触れる重要な場面だったと感じます。

親に紹介できる「良い友人」と、仲間内でステータスとなる「一軍の友人」。この二つの価値観の間で揺れ動くダナの姿は、誰もが思春期に経験するであろう、承認欲求の歪みを見事に表現していました。親には言えない秘密を抱え、平穏な家庭の食卓で嘘をつき続ける彼女の姿は、見ていて非常に胸が苦しくなります。

また、テレビのニュースという形で、現実社会の問題と物語をリンクさせる演出も秀逸でした。校内暴力のニュースを他人事として見る両親と、まさにその当事者である娘。この構図は、家庭という最も身近な場所でさえ、子供が抱える問題がいかに見えにくいものであるかという、現代社会の課題を浮き彫りにしているようでした。

そして、スギョンが語った「ホヨンの方がフラれた」という新情報。これまで、ホヨンは常に余裕のある強者として描かれてきましたが、ランとの過去の関係においては、必ずしもそうではなかったことが示唆されました。この事実が、今後の三人の関係にどのような影響を与えるのか。物語は、登場人物たちの過去と現在が複雑に絡み合い、ますます予測不可能な展開へと進んでいきます。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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