【人間関係アディクション】40話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

ずっちー

【人間関係アディクション】第40話をネタバレありで簡単に解説する

壮絶な逆襲劇の末、最大の敵であったボミたちを打ち破ったダナとスギョン。第39話では、その勝利を祝うかのように、仲間たちとの笑い声が響きました。しかし、第40話で描かれるのは、その華やかな勝利の裏側でダナが抱える深い心の葛藤と、これまで謎に包まれていたスギョンの荒んだ家庭環境です。暴力の代償と、癒えることのない心の傷。物語は、登場人物たちの内面を静かに、しかし鋭くえぐり出していきます。

偽りの平穏、傷だらけの帰宅

両親への嘘とごまかし

物語は、ダナがボロボロの姿で帰宅するシーンから始まります 。彼女を出迎えた両親は、その顔の怪我とジャージ姿を見て、何があったのかと心配そうに問いかけます 。しかし、ダナは「ううん・・・なんでもない・・・」「友達と遊んでて・・・転んだの・・・大したことないわ」と、か細い声で嘘をつくしかありません

母親は、ダナのカバンがなく、制服のスカートではなくジャージを履いていることを不審に思います 。ダナは「カバンは学校に・・・」「スカートはここにあるわ 大きかったから直してもらったの」と、さらに嘘を重ねてその場をしのぎます 。娘の顔の傷が残ることを心から心配する母親 。その優しさが、ダナの心には重くのしかかります。

タバコの匂いという新たな疑惑

母親は、ふとダナから漂う不自然な匂いに気づきます

「ダナ・・・あんた・・・まさかまだタバコのにおいが・・・?」

その言葉に、ダナの心臓は凍りつきます 。スギョンたちと過ごしたネットカフェの匂いだと言い訳しようと考えた矢先、母親は意外な言葉を口にしました

「香水つけたの?」

ダナは「あ・・・うん・・・友達が持ってきてたからつけてみたの」とごまかし、母親はそれ以上追及することなく、汚れた服を洗濯すると言って下がっていきました 。娘を信じようとする親の優しさと、その信頼を裏切り続けるしかないダナの罪悪感が、静かなリビングに対照的に描かれます。

暴力の代償と心の葛藤

「誰かを叩くと自分の手も痛いんだ」

自室のベッドに倒れ込んだダナは、心身ともに疲れ果てていました 。鏡に映る自分の傷ついた姿を見て、改めて事の重大さを痛感します 。そして、ボミを殴った自分の手を見つめ、これまで知らなかった真理にたどり着くのです

誰かを叩くと自分の手も痛いんだ

この気づきは、彼女に「もう二度とあんなふうにケンカなんかしたくないな・・・」という後悔の念を抱かせます 。ダナの本来の目的は、誰かを傷つけることではなく、ただ「イケてる子たちと仲よくなって・・・自分が陰キャじゃないってところを見せたかっただけ」でした 。暴力とは無縁だったはずの彼女が、望まぬ形でその渦中に堕ちてしまった現実が、重くのしかかります。

拭えない不安と嫉妬の炎

しかし、ダナの心は単純な後悔だけでは終わりません。彼女の脳裏に、ボミが言い放った「・・・何かを得れば何かを失うもの」という言葉が蘇ります 。ダナはその言葉に激しく反発し、「自分が欲を出しすぎただけでしょ?」「ホントに今までの人生で一番ムカつく子だったな・・・」と、ボミへの憎しみを再燃させるのです 。

その怒りは、やがて恋人であるホヨンへの強烈な独占欲と嫉妬へと姿を変えます。

ホヨンの彼女は私なのよ・・・

私だってまだキスしてないのに・・・

ボミがホヨンとキスをしたという事実が、ダナの心をかき乱します。「あぁ・・・私もしたいな・・・ホヨンとキス〜・・・」と、満たされない想いをベッドの上で一人悶々と募らせるのでした

「ホントに私のこと好きなのかな?」

机の上に置かれた、ホヨンからプレゼントされたヘアアクセサリー 。それは、ダナにとって甘い思い出の象徴であると同時に、新たな不安の種でもありました。最高にイケメンで人気者、ケンカも強いという完璧なホヨン 。そんな彼が、「

どうしてあんな子が私と付き合ってるんだろう・・・」という、答えの出ない問いが彼女を苦しめます 。客観的に見れば「陰キャのはず」の自分が、なぜ選ばれたのか 。元カノであるランの存在もちらつき、ダナは「ホヨンは私のことホントに好きなのかな?」という根本的な疑念から逃れられなくなります

彼女はその不安を打ち消すように、「もう何度も助けてくれたんだし・・・」と自分に言い聞かせ、ホヨンを信じようと必死に努めます 。そして、気を紛らわすかのように、スギョンが撮影したボミたちの仲間割れの動画を見始めるのでした

新たな快感とスギョンの日常

暴力の娯楽化とダナの変化

スマホの画面に映し出されるのは、仲間同士で蹴り合う陰惨な光景 。その動画を眺めながら、ダナの口からこぼれたのは、「確かにちょっと面白いわね」という、以前の彼女からは考えられない一言でした 。暴力の痛みを実感した後悔と、他者の不幸を娯楽として消費する快感。この矛盾した感情は、ダナの倫理観が少しずつ麻痺し、歪み始めている危険な兆候と言えるでしょう。

スギョンの荒んだ家庭環境

場面は変わり、スギョンの帰宅シーンが描かれます 。アパートの部屋番号は「907」 。彼女の家は暗く静まり返っており、母親は夜勤で不在です 。母親からの置き手紙を無感動に眺める彼女の前に、威圧的な父親が姿を現しました

父親は「父さんに向かってその口の利き方はなんだ?」とスギョンを咎め、彼女は「ああもう!うるさいわね!!!」と激しく反発します 。父親の口から語られる「

これ以上示談金を出してやるつもりはねぇから・・・」という言葉は、彼女がこれまでにも数々の問題を起こしてきたことを強く示唆しています 。しかし、スギョンは父親の怒声にも全く動じることなく、「はいはいご自由に〜」とあしらい、自室のドアを乱暴に閉めるのでした 。父親の罵声が響く中、彼女が呟くのは「明日何着よっかな〜」という、現実から逃避するかのような言葉だけでした

まとめ【人間関係アディクション】40話を読んだ感想(ネタバレあり)

第40話は、壮絶な暴力の後の静かな後日談でありながら、登場人物たちの内面、特にダナとスギョンの抱える「闇」を深くえぐり出した、非常に密度の濃い回でした。

今回、最も心を揺さぶられたのは、ダナのリアルな心理描写です。暴力の痛みを実感し「もうケンカはしたくない」と後悔する一方で、ホヨンへの嫉妬と独占欲からボミへの憎しみを募らせる。さらには、かつては眉をひそめていたはずの暴力的な動画を見て「面白い」と感じてしまう。この矛盾こそが、彼女がもはや後戻りのできない「人間関係アディクション」に陥っていることを示しており、その危うさに読んでいて胸が苦しくなりました。「誰かを叩くと自分の手も痛い」という気づきは、彼女を救うための最後の良心なのか、それとも、これからさらに多くの痛みを知るための序章に過ぎないのでしょうか。

一方で、初めて明かされたスギョンの家庭環境も衝撃的でした。彼女のあの突き抜けたような冷酷さや、他者への共感性の欠如は、愛情の感じられない冷え切った家庭にその根源があるのかもしれないと感じさせます。父親との険悪な関係は、彼女が学校という社会で力や仲間を渇望する理由の一つなのでしょう。

ダナが抱える恋人への不信感と、スギョンが抱える家庭という名の地獄。二人の主人公がそれぞれ向き合うことになった根深い問題は、今後の物語にどのような影響を与えていくのか。静かなエピソードでありながら、次なる大きな嵐の到来を予感させる、見事な回だったと思います。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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