【人間関係アディクション】50話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

ずっちー

【人間関係アディクション】第50話をネタバレありで簡単に解説する

前回の第49話では、チヒョクが母親との関係で負った壮絶な過去のトラウマが悪夢という形で描かれました。一方で、現在のダナは自ら他者を見下す行動をとるなど、「一軍」の価値観に染まっていく不穏な姿が映し出されました。

第50話では、そのダナの変貌が決定的な形で描かれます。かつて自分がやられて嫌だったはずの行為を、今度は彼女が下級生に行う。その姿は、この物語のテーマである「人間関係の中毒性」の恐ろしさを、より一層際立たせていきます。

食堂に響く不協和音、ダナの変貌

繰り返される光景、しかし立場は逆転して

物語は学校の食堂、ダナとスギョン、友人の3人が一緒にいる場面から始まります。スギョンが「今日はおかわりするわよ〜」と上機嫌で話す中、ダナの視線は別の方向で固まっていました 。

その視線の先にいたのは、一人の気弱そうな女子生徒。ダナの様子に気づいたスギョンは「知り合い?」と尋ねますが、ダナは「ううん」と短く否定します 。しかし、スギョンはそんなダナの態度に何かを察したのか、今度はその女子生徒に向かって「おどおどしてないで言ってみなさいよ」と、威圧的な態度で絡み始めました 。

かつて、学級委員の席を奪い、彼女を威圧したスギョン。その時、ダナは罪悪感を感じながらも、何もできずにただ傍観するだけでした。今のこの光景は、あの時の状況と驚くほどよく似ています。しかし、決定的に違うのは、今のダナの心には、もはやあの頃のような罪悪感のかけらも見られないことでした。

最強の支配者「ラン」の登場と、ダナの心の壁

その時、スギョンが「ラン!!こっちよ!!」と、食堂の入り口に向かって大声で叫びます 。現れたのは、この学校のスクールカーストの頂点に君臨する、絶対的支配者ランでした。

彼女は、列に並んでいたダナたちの元へやってくると、スギョンの顔を見て「もう治ってるな?」と声をかけつつも、「ブサイクなのは治ってないけどね〜」と、容赦のない冗談を飛ばします 。そして、ダナたちの間にいた女子生徒を「どけよ」の一言と共に乱暴に突き飛ばし、平然と列に横入りするのでした 。

あまりに理不尽な光景に、周囲の生徒たちは「なんだよアイツら?」「割り込んだぞ?」とざわつきます 。しかし、誰もランたちに文句を言うことはできません。この状況の当事者である女子生徒の心の中は、恐怖と自己正当化の言葉で埋め尽くされていました。

「私にどうしろと言うのよ… あんたたちならはっきり言えるの?」

「文句を言って目をつけられたら誰が責任を取ってくれるのよ…!」

この心の声は、彼女がもはや正義や良心ではなく、「強い者には逆らわない」というカースト社会の論理に完全に支配されてしまっていることを示しています。彼女は、見て見ぬふりをすることで、自分の身を守ろうと必死だったのです。

喫煙所に渦巻く悪意と、ダナの苦しい選択

チヒョクへの無関心と、ホヨンの本音

場面は変わり、校舎裏の喫煙所。そこでは、ホヨンとドンフンが、暴行事件の被害者であるチヒョクについて話していました。ドンフンが「あのまま病院で死んだんじゃねぇか?」と物騒なことを言うと、ホヨンは「それならさっぱりしていいけどな…」と、氷のように冷たい言葉を返します 。

ドンフンは、チヒョクの異常な雰囲気に「お化けにでもなって戻ってくるような気がするぜ…」と、本能的な恐怖を感じているようです 。しかしホヨンは、もしチヒョクが死んで事件が大きくなれば、父親に無理やり海外へ行かされることを何よりも恐れていました 。「生きてさえいればどうにかなる」という彼の言葉は、チヒョクの安否を気遣ってのものではなく、完全に自己保身から来るものでした

差し伸べられた手と、ダナの決意

やがて、ダナたちが喫煙所に合流します。ドンフンは、タバコを吸わないはずのダナが来たことを不思議に思い、「今日は一本吸ってみるか?」とからかいました 。ダナは、ランに自分がタバコを吸うと嘘をついた手前、今さら「吸わない」とは言えず、どうすべきか迷います

そのダナの葛藤を察したのか、ホヨンが「ダナ!」と彼女の名前を呼びます 。そして、「じゃあ俺たちだけ先に戻るか?」「どうせ俺たちタバコ吸わないんだしコンビニにも寄りたいし…」と、ダナをその場から連れ出すための、完璧な口実を提案してくれました

ホヨンの優しい申し出は、まさに地獄に仏。ダナは彼の気遣いに安堵する場面のはずでしたが、「ううん、私、吸ってく」とその申し出を断ります。

ダナの口から出た言葉にホヨンは一瞬時が止まります。

まとめ【人間関係アディクション】50話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回の第50話は、主人公ダナの変貌が、もはや後戻りできない段階まで進んでしまったことを痛感させられる、非常に重い回でした。

特に印象的だったのは、食堂での横入りの場面です。かつて、自分がやられる側で、何も言えずに唇を噛んでいたはずのダナ。しかし、今の彼女は、ランという絶対的な権力者の陰に隠れ、その理不尽な行為をただ傍観するだけでなく、心の中では「目をつけられたら誰が責任を取ってくれるのよ」と、自らの行動を正当化しています 。この変化は、彼女がこの歪んだ人間関係の「アディクション(中毒)」から抜け出せなくなっていることを、残酷なまでに示しているように感じました。

また、ホヨンの二面性も、回を追うごとに恐ろしさを増していきます。喫煙所でダナを気遣う彼の姿は、まさに完璧な王子様そのものです。しかし、その直前まで、彼は友人であるドンフンと、暴行した相手の生死をまるで他人事のように語っていました。この優しさと冷酷さのギャップこそが、彼の本質なのかもしれません。彼の行動原理が、ダナへの純粋な愛情なのか、それとも計算された支配欲なのか、その謎は深まるばかりです。

ダナは、スクールカースト上位のグループに染まることで、一体何を手に入れ、そして何を失ってしまったのでしょうか。彼女が選んだこの道は、果たして本当に彼女を幸せにするのか。物語は、登場人物たちの心の闇をさらに深くえぐり出し、読者に重い問いを投げかけてきます。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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