【人間関係アディクション】66話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

【人間関係アディクション】第66話をネタバレありで簡単に解説する
前回の第65話では、ドンフンとギョンムンの対立が、ギョンムンの屋上からの転落という最悪の結末を迎えました。そして、絶望するドンフンの前に、全てを見ていたかのようなホヨンが現れるという、緊迫した場面で物語は幕を閉じました。
第66話は、その直後の出来事を、今度はホヨンの視点から描く重要な回想編です。親友が起こした絶望的な事件を前に、彼が下したあまりにも冷徹で計算高い判断。友情と支配欲が渦巻く中で、二人の関係性を決定づけた「あの日」の真相が、ついに明らかになります。
悲劇の目撃者、ホヨンの視点
物語は、ホヨンが屋上のドアの陰から、ドンフンとギョンムンの凄惨なやり取りの一部始終を目撃する場面から始まります 。彼は、親友がギョンムンを突き落としてしまった(ように見えた)瞬間と、その後のドンフンの狼狽ぶりを、ただ静かに観察していました。
ドンフンは、ギョンムンが落ちたであろう地面を見下ろし、「この高さなら・・・死んだだろうな・・・」と絶望の声を漏らします 。その姿を見つめるホヨンの心には、「イカれたヤツ・・・ギョンムンを突き落としたのか?」という、非難と冷ややかな分析が浮かんでいました 。
友情と計算、ホヨンの心の天秤
親友を切り捨てるチャンス
目の前で起きた親友の殺害(未遂)事件。ホヨンは一瞬、「見なかったフリをするべきか・・・」と考えます 。しかし、彼の心にはすぐに、悪魔のような囁きが響きました。
「いや これはドンフンを追い出すチャンスかもしれない・・・」
彼の頭の中では、この事件を利用した完璧なシナリオが組み立てられます。ドンフンは逮捕され、父親である有力議員のスキャンダルに発展し、学校から、そして自分の前から完全に姿を消す 。これまで彼が抱えていた、ドンフンへの劣等感を解消する、またとない機会でした。
空っぽの勝利
しかし、その完璧なシナリオを思い描いても、ホヨンの心は満たされません。
「それで終わりか?」「そうなれば俺は満足なのか・・・?」 。彼は、ドンフンという唯一無二の親友を失うことの虚しさに、無意識のうちに気づいていたのかもしれません。この自問自答こそが、彼の次の行動を決定づけることになります。
悪魔の取引、仕組まれた和解
葛藤の末、ホヨンは一つの結論に達します。ドンフンを切り捨てるのではなく、この事件を利用して彼を完全に「支配」する道を選んだのです。
彼は、何も知らないフリをしてドンフンの前に姿を現し、「そこで何してんだ?」と声をかけます 。狼狽するドンフンに対し、ホヨンは「お前とつるんでた時は確かに楽しかった」などと、昔を懐かしむ言葉を巧みに使い、彼の警戒心をゆっくりと解いていくのでした 。
絶望の中の懇願、ドンフンの命乞い
ドンフンをその場に残し、ホヨンが立ち去ろうとした、まさにその時でした。彼の腕を、背後から伸びてきたドンフンの手が力強く掴みます 。
「まさか…」と、ホヨンは予期せぬ出来事に驚きを隠せません 。彼は、ドンフンがギョンムンを突き落とす場面を自分に見られたと思い込み、口封じのために自分まで殺そうとしているのではないか、という最悪の考えに至ります 。
「助けてくれ・・・」
「お・・・俺が・・・俺のせいで・・・ギョンムンが死んだみてぇなんだ・・・」
しかし、そんな彼の口から出たのはそんな言葉。プライドの高いドンフンが見せた、初めての完全な敗北。ホヨンは、この瞬間を待っていました。
偽りの救済、そして非情の決断
ホヨンは、ギョンムンが転落した場所へと向かいます。幸いなことに、植え込みの木がクッションとなり、ギョンムンは一命を取り留めていました 。
しかし、ホヨンはここで安堵するどころか、さらに冷徹な思考を巡らせます。生きていて記憶を失っていたとしても、ギョンムンの存在そのものが、自らの計画にとって最大のリスクになると判断したのです。彼の心には、ただ一つの考えが浮かんでいました。
支配の完成:友情を操る悪魔の計画
親友が引き起こした絶望的な事件。しかし、ホヨンの心に浮かんだのは友情や同情ではなく、この状況をいかにして自分に有利に運ぶかという、あまりにも冷徹な計算でした。ここからの彼の行動は、彼がただの高校生ではなく、人の心を巧みに操る恐ろしい策略家であることを証明していきます。
口裏合わせという名の脅迫
ホヨンはまず、パニックに陥っているドンフンを前に、スマートフォンの録音を開始します 。彼は、ドンフンに「事故だったんだ…」「ギョンムンの顔をちょっと蹴ったらふらついてそのまま落ちたんだよ」と、罪を認める言葉を言わせ、その弱みを音声として記録に残しました。
さらに、ドンフンが提案した「事故だったと証言してほしい」という単純な計画を、「…いや それじゃダメだ」と一蹴します。そして、彼が提案したのは、ドンフンを完全に事件から切り離し、ギョンムンが「一人で飛び降りたことにするんだよ」という、より大胆で完璧なストーリーでした。
ホヨンは、ドンフンには「俺と口論した後に家に帰った」というアリバイを与え、自分は万が一取り調べを受けても「アイツが屋上にいるところを見たと言うよ」と約束します。この一見、友を救うための完璧な提案の裏で、ホヨンは「この録音は万が一の時にアイツを脅すためのものだが…」と考えていました。友情を装ったこの会話そのものが、ドンフンを未来永劫縛り付けるための、強力な脅迫材料だったのです。
「牙を抜く」:最後の目撃者の排除
ドンフンを屋上に残し、ギョンムンが転落した場所へ向かったホヨン。そこで彼が見たのは、まだかろうじて息のあるギョンムンの姿でした。しかし、ホヨンは救急車を呼ぶ前に、彼の計画にとって最大の障害となる「生きた目撃者」の存在に気づきます。
彼の心に浮かんだのは、「ギョンムン…お前に恨みはないが妙なことをしゃべられると困るからな」という非情な決断でした。
ギョンムンが生きている限り、いつ真実が露見するかわからない。彼の完璧な計画を揺るがす、たった一つのリスク。ホヨンはそのリスクを完全に排除するため、近くに転がっていた血のついた石を使い、ギョンムンの命をその手で奪ってしまいます。彼が後に心の中で語る「だからあらかじめ牙は抜いておかないとな」という言葉の、本当の意味はこれでした。ギョンムンの殺害は、ドンフンという猛犬の「牙を抜く」、最後の仕上げだったのです。
友情という名の首輪
全ての障害を排除し、ドンフンを支配する準備は整いました。ホヨンは、自分が築き上げてきた「信頼」というイメージを利用すれば、誰も自分の言葉を疑わないと確信しています 。
この血塗られた秘密と、脅迫用の録音。これらによって、ドンフンはもはやホヨンに逆らうことはできません。感謝と恐怖によって、彼は自ら進んでホヨンに忠誠を誓うことになるでしょう 。ホヨンは、この一連の出来事によって、ついにドンフンを完全な「俺の犬だ」とすることに成功したのです。彼の歪んだ支配欲が、友情という美しい仮面の下で、最も残酷な形で完成した瞬間でした。
まとめ【人間関係アディクション】66話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回の第66話は、ホヨンというキャラクターの底知れない恐ろしさと、彼の歪んだ人間性が形成された決定的な瞬間を描いた、まさに戦慄の回でした。親友の起こした悲劇的な事件を前に、彼が考えたのは、友情や救済ではなく、いかにしてその状況を利用し、相手を完全な支配下に置くかということだけでした。
彼の行動は、全てが計算され尽くした、完璧な計画でした。狼狽するドンフンを言葉巧みに懐柔し、偽りの救いの手を差し伸べ、その弱みに付け込んで「友情」という名の首輪をかける。その冷徹なまでの知能犯ぶりには、背筋が凍る思いがします。これまで彼がドンフンに対して抱いていた劣等感が、これほどまでに歪んだ支配欲へと昇華されてしまうとは、人間関係の恐ろしさを改めて感じずにはいられません。
この物語のテーマである「人間関係アディクション」は、ダナやスギョンだけでなく、このホヨンというキャラクターを通して、最も色濃く、そして最も危険な形で描かれているのかもしれません。友情すらも支配の道具としか見なさない彼の存在が、今後の物語にどのような嵐を巻き起こすのか。物語の深淵をまた一歩、深く覗き込んでしまったような、忘れられない回でした。
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