【兄だったモノ】10話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- カンナの回想から、生前の騎一郎が妹思いの好青年だったこと、そして聖が「毒を持つ鈴蘭」と評されていたことが語られる 。
- 聖は、兄の亡霊が自分を「監視する」ためにこの家にいるとカンナに明かす 。
- 亡霊は聖の体を乗っ取り、カンナと直接会話をした 。
- カンナは、聖自身が自分に取り憑いている亡霊の存在に全く気付いていない、という恐ろしい事実にたどり着く 。
- 事態を重く見たカンナは、専門家と思われる第三者に電話をかけ、助けを求める 。
【兄だったモノ】第10話をネタバレありでわかりやすく解説する
兄の亡霊という恐ろしい秘密。そして、聖を守りたいという新たな想い。広島での出来事を胸に秘め、日常に戻った鹿ノ子でしたが、その心は静かに限界を迎えようとしていました。
広島から持ち帰った心の傷
心ここにあらず
物語は、鹿ノ子の学校の教室から始まります。 授業で読み上げられるのは、夏目漱石の『こころ』の一節。「もっと早く死ぬべきだのになぜ今まで生きていたのだろう」という、登場人物の痛切な後悔を綴った文章です 。 しかし、その言葉は鹿ノ子の耳には届いていません。広島での一件以来、彼女はずっと上の空だったのです 。
友人は、そんな鹿ノ子の異変にいち早く気づきます 。いつもの真面目な彼女とは違う様子を心配し、「広島で何かあった?」と問い詰めますが、鹿ノ子は「なんでもないわよ」と固く口を閉ざすのでした 。
溢れ出した本当の恐怖
「普通に遊んで帰ってきたわ」と嘘をつく鹿ノ子 。 しかし、彼女の心の中では、「頭が沸騰しそうなくらい いろいろなことが起きた」という本音が渦巻いていました 。 張り詰めていた緊張の糸が、ぷつりと切れます。鹿ノ子は、その場で気を失い倒れてしまうのでした 。
友人に支えられながら、鹿ノ子は広島で感じた恐怖の正体を自覚します。 それは、兄の亡霊でも、聖に取り憑く異形の存在でもありませんでした。
「私が一番 怖かったのは 目の前で聖さんを失うかと思うと 手が震えた」 好きな人を失うかもしれないという恐怖。彼女は、自分が聖に対して抱いている感情の正体に、この時ようやく向き合ったのです。
プロの登場
救世主、現る
鹿ノ子が自らの恋心を自覚し、その想いの重さに打ちひしがれている、まさにその時。彼女の前に、救世主が現れます。 「昨日ぶり〜」と、屈託のない笑顔で現れたのは、兄の元恋人・南カンナでした 。 連絡手段がない鹿ノ子を、学校で待ち伏せしていたのです 。
カンナは、この一件を素人だけで解決するのは無理だと判断していました 。 「餅は餅屋って言うでしょ? だからいっそプロにお任せしようかなって」 彼女は、鹿ノ子に「会ってほしい人がいる」と告げます 。
デザイナー兼、お坊様
その「プロ」の正体は、カンナが仕事で知り合った人物でした 。 普段はデザイナーとして働いていますが、副業として「そういう勉強」もしているという、一風変わった経歴の持ち主 。 カンナが頼るその人物とは、なんと**「お坊様」**だったのです 。 物語は、専門家の登場により、亡霊との本格的な対決を予感させて幕を閉じます。
【兄だったモノ】10話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、鹿ノ子ちゃんの感情の動きがとても丁寧に描かれていて、思わず引き込まれました。夏目漱石の『こころ』を冒頭に持ってくる演出が、まずお洒落ですよね。物語全体のテーマともリンクしていて、深みを感じました。
そして、鹿ノ子ちゃんが倒れてしまうシーン。彼女がずっと張り詰めていたこと、そして聖さんを失うことへの恐怖が、彼女の恋心を何よりも雄弁に物語っていて、胸が締め付けられました。もう彼女は、聖さんを「利用」する側ではなく、本気で「守りたい」側になったのだと確信しました。 そんな鹿ノ子ちゃんの前に、タイミングよく現れるカンナさんの頼もしさ!「餅は餅屋」という判断、さすがです。素人だけでどうにかしようとせず、専門家を頼るという現実的な選択が、物語に説得力を与えています。 最後に明かされた「デザイナー兼お坊さん」というプロの正体には、思わず笑ってしまいました。こんなにユニークな助っ人が出てくるとは!一体どんな人物なのか、そして、あの強力な亡霊とどう戦うのか、次回の展開が楽しみで仕方ありません。
【兄だったモノ】10話のネタバレまとめ
- 広島での出来事がトラウマとなり、鹿ノ子は学校で上の空になってしまう 。
- 友人の前で気を失ってしまった鹿ノ子は、自分が「聖を失うこと」を何よりも恐れていることに気づく 。
- そこへ兄の元恋人・カンナが現れ、この問題を解決するために「プロ」に協力を依頼したことを告げる 。
- カンナが頼る「プロ」の正体は、普段はデザイナーとして働き、副業で僧侶をしている「お坊様」だった 。
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