【兄だったモノ】27話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 呪いは、自らが騎一郎本人ではなく、彼を「殺して閉じ込めた」存在であることを独白した。
- 聖を襲っていた西迫は、呪いの真の姿を目の当たりにし、恐怖から一旦退散した。
- 激しい暴行と恐怖で心が限界に達した聖は、電話口で亡き恋人の名を呼び、「たすけて」と助けを求めた。
【兄だったモノ】第27話をネタバレありでわかりやすく解説する
「たすけて」――。電話の向こうから聞こえてきた、聖の悲痛なSOS。その一言をきっかけに、鹿ノ子は自らが立てた誓いを実行に移します。愛する人を救うため、彼女は「兄だったモノ」になることを選びました。
兄として、聖を導く
冷静な対処
子供のように泣きじゃくる聖を前に、鹿ノ子が真っ先に考えたのは、「兄ならどうするだろうか」ということでした 。 彼女は冷静に聖をなだめ、状況を整理します 。インターフォンが鳴り、玄関に現れたのは、聖の同級生を名乗る西迫という男 。彼に何かをされたのだと、鹿ノ子は即座に理解しました 。 「感情的になるな」「考えろ」。鹿ノ子は自分に言い聞かせます 。お前は東雲鹿ノ子じゃない、今この瞬間は、東雲騎一郎なのだ、と 。
兄として、彼女は聖に力強く、そして優しく語りかけます。「落ち着いてください」「まずは戸締りを」。そして、一つの提案をしました 。 「明日から」「暫く東京に来ないか?」 。
混濁する意識
鹿ノ子の言葉は、傷ついた聖の心に確かに届いていました。しかし、彼の目には、電話口の鹿ノ子の姿は見えていません。彼の目に映っていたのは、自分を見下ろす兄の亡霊でした 。 鹿ノ子の声と、兄の幻影が重なり、聖の意識は混濁していきます 。ありがとう、と感謝を口にしながらも、彼は電話の相手が誰なのか、もはや判別できなくなっていました 。
僧侶・頼豪の訣別
場面は翌朝、カンナの自室へと移ります。けたたましく鳴り響く電話の相手は、僧侶の頼豪でした。 有給休暇を取ったというカンナに対し、頼豪は怒りを露わにします 。プライベート用の電話にまでかけてきた彼を、カンナは「今更投げ出すなんて」と非難しました 。 しかし、頼豪の口から出たのは、戦慄の言葉でした。
「もう一抜けしませんか?」 。 「いいでしょう?もう我々がいなくたって」「そもそも死んだ元恋人なんて赤の他人なんだ」。 カンナが激昂するのも構わず、彼は最後の警告を発します。 「貴女 殺されますよ」「中眞聖 あの怪物に」。 頼豪は、この件から完全に手を引くことを宣言。もはや素人が手を出せる領域ではないと、カンナに訣別を告げたのです。
【兄だったモノ】27話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、鹿ノ子ちゃんの覚悟と、頼豪さんの絶望が対照的に描かれ、物語の緊張感が極限まで高まりました。 聖さんからのSOSに対し、即座に「お兄ちゃん」モードに切り替わって冷静に対処する鹿ノ子ちゃんの姿は、痛々しくも、あまりにも格好良かったです。愛する人を守るためなら、自分自身さえも捨て去る。彼女の愛の深さと強さに、胸を打たれました。 一方で、聖さんが鹿ノ子ちゃんと兄の幻影を混同しているシーンは、本当に恐ろしかったですね。彼の精神が、もはや限界に達していることが伝わってきます。
そして、頼豪さんの離脱。これは衝撃でした。あの飄々としていた彼が、声を荒らげて「殺されますよ」と警告する。それほどまでに、「あれ」は危険で、手に負えない存在だということです。プロが匙を投げた案件に、素人の鹿ノ子ちゃんとカンナさんはどう立ち向かっていくのか。まさに四面楚歌。絶望的な状況ですが、だからこそ、二人の絆と鹿ノ子ちゃんの覚悟が、唯一の希望の光のように感じられました。
【兄だったモノ】27話のネタバレまとめ
- 聖からのSOSを受けた鹿ノ子は、「兄」として振る舞い、彼を落ち着かせ、東京に来るよう提案する 。
- 聖は、電話口の鹿ノ子と兄の亡霊の姿を混同し、意識が混濁した状態に陥っていた 。
- 翌朝、僧侶の頼豪がカンナに電話をかけ、これ以上関わると殺されると警告し、この一件から手を引くことを宣言する 。
- 頼れる協力者を失い、鹿ノ子とカンナは絶望的な状況に追い込まれた。
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