【兄だったモノ】28話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 聖からのSOSを受けた鹿ノ子は、「兄」として振る舞い、彼を落ち着かせ、東京に来るよう提案した。
- 聖は、電話口の鹿ノ子と兄の亡霊の姿を混同し、意識が混濁した状態に陥っていた。
- 僧侶の頼豪がカンナに電話をかけ、これ以上関わると殺されると警告し、この一件から手を引くことを宣言した。
【兄だったモノ】第28話をネタバレありでわかりやすく解説する
「貴女 殺されますよ」――。僧侶・頼豪からの戦慄の警告。しかし、カンナの心は折れていませんでした。今回は、彼女がこの事件に深く関わることを決意した、その本当の理由が明かされます。
殉教者の告白
守りたい記憶
頼豪の言葉に、カンナは一度は恐怖します。しかし、彼女の脳裏に浮かぶのは、かつて愛した男・騎一郎の姿でした。 「一生この人といたいとすら思ってた」。 彼女は、騎一郎が自分を捨てて聖の元へ行ってしまった時、周囲からは「男に寝取られた」とからかわれ、悔しい思いをしました。 しかし、彼女が本当に悔しかったのは、そんなことではありませんでした。 「騎一郎が あまりにも幸せそうだったから」。 彼が見せた、心からの幸福そうな笑顔。その記憶を誰にも否定されたくない。それが、彼女がこの危険な事件から手を引けない、ただ一つの理由だったのです。
呪いの気配が「消えた」
カンナの固い決意を知った頼豪は、翌朝、彼女の家を訪れます。手土産のシュークリームを手に、彼は昨夜の無礼を詫びました。 そして、彼は衝撃の事実を告げます。 「昨晩 『アレ』の気配が消えました」 頼豪は、常に感じていた呪いの強大なプレッシャーが、昨夜を境に忽然と消え失せたというのです。
嵐の予感
それは、成仏したというような穏やかなものではありませんでした。まるで、「存在できる理由を失って しまったような…」、と頼豪は表現します。 彼は、これが解決などではなく、むしろ「嵐の予感がします」と、自らの勘が告げる不吉な未来を語りました。 「恐らく何かが起きている」「何かが決定的に変わってしまった」。 その言葉を裏付けるかのように、物語の最後は、静まり返った聖の家で、床に血が滴り落ちる不気味なシーンで締めくくられるのでした。
【兄だったモノ】28話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、カンナさんの内面が深く掘り下げられ、彼女のキャラクターがより一層魅力的になりました。彼女が戦う理由は、元カレへの未練や嫉妬ではなく、彼が最後に手に入れた「幸せ」の記憶を守るためだったのですね。「殉教者の告白」というタイトルが、彼女の覚悟の重さを物語っていて、胸が熱くなりました。
そして、頼豪さんから告げられた「呪いの気配が消えた」という衝撃の事実。一瞬、事態が好転したのかと思いきや、彼の「嵐の予感」という言葉と、最後の血の描写で、一気に突き落とされました。 呪いが消えたというのに、なぜ聖の家で血が流れているのか。考えられる可能性は、どれも恐ろしいものばかりです。呪いが聖さんを乗っ取ってしまったのか、それとも、西迫が再び…。あるいは、全く別の何かが起こったのか。 静かな雰囲気の中、じわじわと恐怖を煽る演出が見事でした。これまでの物語が序章に過ぎなかったかのような、大きな嵐の到来を予感させる回でした。
【兄だったモノ】28話のネタバレまとめ
- 頼豪からの警告を受けたカンナだったが、騎一郎が聖と幸せそうにしていた記憶を守るため、事件に関わり続けることを決意する。
- 翌朝、頼豪がカンナの元を訪れ、昨夜を境に呪いの気配が完全に消え失せたことを報告する。
- 頼豪は、呪いが成仏したのではなく、「存在理由を失って消滅した」と推測し、むしろ「嵐の予感」がすると警告する。
- 物語の最後、聖の家で何者かの血が滴り落ちている不気味なシーンで幕を閉じる。
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