【兄だったモノ】35話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 聖と鹿ノ子はホテルで一夜を過ごすが、聖は彼女の体を気遣い、一線は越えなかった。
  • 翌朝、聖は「またね」という言葉と自らの電話番号を記したメモを残して、姿を消していた。
  • 聖との繋がりができたことに幸福を感じながら、鹿ノ子はパン屋で朝食をとることにする。
  • しかし、そのパン屋で、兄と聖を苦しめた元凶である西迫正義と遭遇してしまった。

【兄だったモノ】第35話をネタバレありでわかりやすく解説する

束の間の幸福から一転、最悪の再会を果たしてしまった鹿ノ子。彼女は恐怖に屈することなく、聖を傷つけた男と対峙することを選びます。一方、物語は聖が襲われた直後の、編集者・犬上の視点へと移ります。

鹿ノ子と西迫の対峙

聖のために

「西迫正義…」――鹿ノ子は目の前の男の名前をはっきりと口にします。なぜ広島にいるはずの男が東京にいるのか。動揺しながらも、彼女は毅然とした態度で彼を問い詰めました。 「あんた あの人に何したの?」。 電話口で「助けて」と泣いていた聖の姿が、彼女の脳裏から離れなかったのです。西迫は「お前には関係ないだろ」と冷たくあしらいますが、鹿ノ子は引きません。

交わされた約束

鹿ノ子の気迫に、西迫は少し態度を変えます。「構うだろ」と言い返す西迫は、他の客の視線も気にせず、鹿ノ子を挑発し続けます。 しかし、鹿ノ子が「お前の大切な『聖さん』」と口にしたことで、彼は一旦矛を収めました。 そして、明日の夕方17時に品川の西口で会う約束を取り付けるのです。「個室だったらあんたの顔思いっきり引っ叩けるからよ」と心の中で毒づきながらも、鹿ノ子の申し出を承諾するのでした。


編集者・犬上の献身

場面は、西迫が聖の家を襲撃した直後へと遡ります。 編集者の犬上が聖の家を訪れると、そこには傷だらけで倒れている聖の姿がありました。 「先生!」と駆け寄る犬上。彼は、聖の傷が西迫につけられたものであると確信し、「許せない…っ」と憎しみを募らせます。 犬上にとって、聖は単なる担当作家ではありませんでした。新人時代、緊張で何もできなかった自分を救ってくれた、唯一無二の存在。 「先生だけが僕を救ってくださったのです」。 彼の聖への献身は、もはや崇拝の域に達していました。傷ついた聖を前に、彼は「僕が先生を守ってみせる」と、固く誓うのでした。

【兄だったモノ】35話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、鹿ノ子ちゃんの強さと、犬上さんの歪んだ愛情が対照的に描かれた、非常に見応えのある回でした。 あれだけ恐ろしい西迫を前に、一歩も引かずに問い詰める鹿ノ子ちゃんの姿には、本当に痺れました。彼女はもう、守られるだけの少女ではありません。愛する人を守るためなら、危険な男にも一人で立ち向かう。その覚悟と行動力に、胸が熱くなりました。

そして、犬上さんの過去。彼の聖さんへの異常なまでの執着は、純粋な感謝と尊敬の念が歪んでしまった結果だったのですね。彼にとって聖さんは、文字通り「神」や「救世主」のような存在なのでしょう。その神が、得体の知れない男に傷つけられた。彼の怒りと絶望が、痛いほど伝わってきました。 鹿ノ子、カンナ、そして犬上。三者三様の形で聖さんを守ろうとする人々。そして、その中心にいる聖さん自身と、彼を蝕む呪い。複雑に絡み合った人間関係の先に、一体どんな結末が待っているのでしょうか。

【兄だったモノ】35話のネタバレまとめ

  • 鹿ノ子はパン屋で遭遇した西迫に対し、聖を傷つけたのではないかと激しく問い詰める。
  • 鹿ノ子の気迫に押された西迫は、後日改めて二人で話す約束を取り付ける。
  • 回想シーンで、西迫の襲撃直後に編集者の犬上が聖の家に駆けつけ、傷ついた彼の姿を発見していたことが明かされる。
  • 犬上にとって聖は、新人時代に自分を救ってくれた恩人であり、彼の聖への献身は、崇拝に近い感情であることが示唆された。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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