【兄だったモノ】39話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 鹿ノ子、カンナ、頼豪の三人は、西迫と対峙した。
- 頼豪は自らの霊能力で西迫の「義理の姉への恋」という隠された過去を暴いた。
- 逆上した西迫が頼豪に襲い掛かろうとした瞬間、鹿ノ子は彼に強烈な平手打ちを見舞い、すべての真実を話すよう迫った。
【兄だったモノ】第39話をネタバレありでわかりやすく解説する
鹿ノ子の渾身の平手打ちが炸裂し、西迫との対決は新たな局面を迎えます。物理的な一撃よりも深く、重い言葉の刃が、彼の心の奥底に突き刺さりました。今回は、これまで絶対的な悪として描かれてきた男の、脆く歪んだ内面が、ついに暴かれます。
鹿ノ子が突きつけた真実
子供じみた独占欲
鹿ノ子の怒りは、収まりません。彼女は、西迫が聖にやったことは、「小学生が好きな子にちょっかい出すのと同じ」だと断じます。 酷い言葉で傷つけ、苦しむ姿を見て、相手の中にまだ自分がいると喜ぶ。その幼稚で身勝手な愛情表現を、鹿ノ子は容赦なく切り捨てました。
そして、彼女はとどめの一言を突きつけます。 「お兄ちゃん 死ぬ時まで聖さんと一緒にいられたんですって」。 自分が見捨てられた後も、聖が騎一郎を選び、最期まで添い遂げたという事実。それは、西迫のプライドを粉々にするには、十分すぎる一撃でした。
崩れ落ちた男
「なんなんだよ…」。西迫はその場に崩れ落ち、子供のように泣きじゃくります。 「俺は駄目で…あの男は…っ なんで…っ」。 なぜ自分は駄目で、騎一郎は選ばれたのか。彼の涙は、聖への執着と、騎一郎への嫉妬、そして何より、誰にも選ばれなかった自分自身への惨めさから来るものでした。
西迫の告白
西迫は、自らが「厭な奴で悪い人です」と認めます。甘い夢を見せた途端に突き放す、そんな自分のやり方が、聖にだけは通用しなかった。自分だけが特別だと信じてくれたのに、突然「もうええ」と捨てられた。それが許せなかった、と。
彼は涙ながらに問いかけます。 「東雲騎一郎はどうして… 死ぬまで愛してもらえた…?」。 その問いは、答えの出ない、痛切な叫びでした。 物語は、幼い聖が、屈託のない笑顔で「正義」と、彼の名を呼ぶ、あまりにも眩しい過去のワンシーンを映し出して、幕を閉じます。
【兄だったモノ】39話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、鹿ノ子ちゃんの反撃が見事すぎて、読んでいて鳥肌が立ちました。彼女の言葉は、暴力よりも鋭く、的確に西迫の急所を抉っていましたね。彼の歪んだ愛情表現の本質を「小学生のちょっかい」と喝破した瞬間は、まさに圧巻でした。
そして、これまで絶対的な悪役として描かれてきた西迫が見せた、まさかの涙。彼の行動は決して許されるものではありませんが、その根底にあったのが、あまりにも人間的な嫉嫉と自己嫌悪だったと知り、複雑な気持ちになりました。彼もまた、愛に飢え、愛し方が分からなかった、一人の哀れな人間だったのかもしれません。 最後の、幼い聖さんが「正義」と呼ぶシーンは、涙なしには見られませんでした。かつては、こんなにも純粋な関係だった二人が、なぜここまで拗れてしまったのか。彼の告白によって、一つの謎が解けると同時に、さらに深く、悲しい謎が生まれてしまいました。
【兄だったモノ】39話のネタバレまとめ
- 鹿ノ子は、西迫の聖への仕打ちを「小学生が好きな子にするちょっかいと同じ」だと激しく非難する。
- さらに、聖が最期まで兄・騎一郎と共にいた事実を突きつけられ、西迫は精神的に打ちのめされ、泣き崩れる。
- 西迫は、聖にだけは自分の手口が通用せず、逆に捨てられたことが許せなかったのだと、自らの歪んだ執着を告白した。
- 彼は、なぜ自分ではなく騎一郎が、聖に最期まで愛されたのかと、涙ながらに問いかけた。
- 物語の最後は、幼い聖が西迫を「正義」と親しげに呼ぶ、過去の幸せな記憶で締めくくられる。
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