【兄だったモノ】40話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【兄だったモノ】第40話をネタバレありでわかりやすく解説する

鹿ノ子の言葉によって、ついに崩壊した西迫正義。彼の口から語られるのは、聖と出会った高校時代、そして彼の心を歪めた、もう一人の「彼女」の記憶でした。今回は、これまで絶対悪として描かれてきた西迫の、痛ましい過去が明かされます。

孤独だった二人の出会い

三者面談を欠席する者たち

物語は、西迫の高校時代へと遡ります。 三者面談の日、西迫は「両親が仕事で忙しい」という理由で、面談を欠席しようとしていました。教師もそれを了承します。 その時、廊下を歩いていたのは、クラスメイトの中眞聖でした。 そして、もう一人。西迫が想いを寄せる、義理の姉・西迫詩織もまた、面談を欠席しようとしていたのです。

昼休み、友人たちが聖のことを「暗い奴」だと噂するのを聞きながら、西迫は自分も彼のことをよく知らない、と思います。そんな中、聖もまた、三者面談を欠席しようとしていることを知りました。 家庭の事情を抱え、親を学校に呼びたくない。その共通点に、西迫は聖に対して、かすかな仲間意識のようなものを感じていました。

雨の日の苛立ち

ある雨の日、傘がなく昇降口で立ち往生していた西迫。そこには、同じように雨宿りをする聖の姿がありました。 一人になりたいのに、と苛立つ西迫。その理由は、家に届いた義姉からの手紙でした。そこには、いつも通りの謝罪の言葉が、みっちりと綴られていたのです。

砂糖菓子のような義姉

西迫の記憶の中の義姉・詩織は、ひどく夢見がちで、脆い、まるで砂糖菓子のような女性でした。 土砂降りの雨の中、「世界に私達だけみたいね」と、幼い弟に微笑みかける美しい姉。 しかし、その記憶は、おぞましい幻影によって上書きされます。 目の前にいるのは、義姉の皮を被ったリリス（悪魔）。 西迫の過去に、一体何があったのでしょうか。彼の歪んだ人格が形成された、その根源が垣間見えるシーンでした。

【兄だったモノ】40話を読んだ感想（ネタバレあり）

今回は、まさかの西迫視点での過去編でした。これまで、ただただ暴力的で胸糞の悪い男として描かれてきた彼の、意外な一面が見えて非常に興味深かったです。 無愛想で、友達と馬鹿話をする、どこにでもいる高校生。そして、義理のお姉さんに淡い恋心を抱いている。そんな彼が、なぜ現在のような怪物になってしまったのか。その変貌の過程に、俄然興味が湧いてきました。

聖さんとの出会いも、印象的でしたね。二人とも、家庭の事情で三者面談を欠席しようとする、いわば「はみ出し者」。孤独を抱える者同士、惹かれ合う何かがあったのかもしれません。 そして、最後に登場した義姉・詩織。砂糖菓子のように甘く美しい彼女が、なぜ悪魔・リリスの姿に見えたのか。彼女が西迫に与えた傷が、彼の聖さんへの歪んだ執着に繋がっていることは間違いないでしょう。彼の告白は、まだ始まったばかり。次の話が待ちきれません。

【兄だったモノ】40話のネタバレまとめ

• 今回は、西迫の視点から、聖と出会った高校時代を描く回想シーンが中心だった。
• 西迫は、義理の姉である詩織に、淡い恋心を抱いていた。
• 彼は、同じく家庭の事情を抱えているクラスメイトの聖に対し、かすかな仲間意識を感じていた。
• 西迫の脳裏には、美しい義姉の姿が、悪魔・リリスの幻影と重なって見えていた。彼の過去に、義姉との間で何か決定的な出来事があったことが示唆された。

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コマさん（koma）

野生のライトノベル作家

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社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》