【兄だったモノ】44話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 西迫の告白から、彼もまた呪いの姿を認識できる「見える」人間であることが判明した。
- 頼豪は、西迫が聖を襲撃した日を境に、呪いの気配が完全に消滅したという事実を明かした。
- 西迫は、呪いには実体がないため無力だと主張したが、頼豪はそれを否定し、呪いが「事故」を引き起こすことで人を殺害する可能性を示唆した。
【兄だったモノ】第44話をネタバレありでわかりやすく解説する
西迫の告白により、全ての証言が出揃いました。しかし、それぞれの主張は食い違い、真相はまるで藪の中。物語は、この混沌とした状況を整理する、異例の「法廷劇」の形式で幕を開けます。そして、鹿ノ子の口から、ついにこの事件の核心に迫る、驚くべき結論が語られます。
開廷、そして鹿ノ子の結論
登場人物たちの証言
物語は、僧侶・頼豪を進行役とした、裁判のような形式でこれまでの出来事を振り返ります。
- 目撃者・鹿ノ子:聖が二度も死にかけるおぞましい光景と、その背後で不気味に笑う黒い化け物を見た、と証言 。
- 喪主・西迫:「アレ」には触れることができないため、聖を殺すことなど不可能だと反論 。
- 女・カンナ:触れられないからといって、殺意がないとは限らないと主張 。
- 牧師・頼豪:霊とはこの世の理から外れた存在であり、一概には言えないと述べる 。
それぞれの証言は、真実の一端を捉えつつも、矛盾を孕んでいました。
「聖自身が起こした」
全ての証言が出揃ったところで、鹿ノ子は静かに、しかしはっきりと、自らの結論を述べます。 「つまり」「殺されそうになっていたのではなく」「聖は」「刃物の一件も全部 中眞自身が起こした…」。 聖が死にかけた一連の事件は、呪いが引き起こしたものではなく、すべて聖自身による自傷行為だった。それが、鹿ノ子が出した答えでした。
本当の聖を知るために
その結論に、西迫は「『アレ』のせいなんかじゃない なんじゃそりゃ」と激しく反発します。彼は真実を確かめるため、聖の元へ直接向かうと言い出し、鹿ノ子を無理やり連れて行こうとしました。 しかし、鹿ノ子は意外にも、その提案を冷静に受け入れます。「行くわ」。
彼女は、自分と、カンナや西迫との違いを語ります。彼らが知っているのは過去の聖。しかし、自分が好きになったのは、兄の死を悼み、静かに泣いていた、今の聖の美しい顔でした。 「好きな人の全てを知っていないといけないの?」。 彼女は、自らの恋に問いかけます。そして、本当の聖を知るために、たとえその美しい顔が偽りだったとしても、確かめに行かなければならない、と。 鹿ノ子は、自らの意志で、聖との対峙を決意するのでした。
【兄だったモノ】44話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、これまでの謎が一つの結論へと収束していく、非常に重要な回でした。冒頭の法廷劇の演出は、複雑な情報を整理しつつ、物語の異質さを際立たせる見事な手法でしたね。
そして、鹿ノ子ちゃんが出した「聖の自作自演だった」という結論。これは、これまでの全ての矛盾を説明しうる、最も悲しく、そして最も説得力のある答えだと思いました。呪いは、聖さんを殺そうとしていたのではなく、彼の心の弱さや希死念慮そのものだったのかもしれません。 最後の、鹿ノ子ちゃんのモノローグには、胸を打たれました。「好きな人の全てを知っていないといけないの?」という問いは、恋愛における普遍的なテーマであり、彼女が抱える葛藤の深さを物語っています。彼女はもう、兄の代用品としてではなく、一人の人間として聖と向き合おうとしているのですね。その強い意志と、愛の深さに、涙が出そうになりました。ここから始まる最終対決で、彼女がどんな答えを見つけ出すのか、最後まで見届けたいと思います。
【兄だったモノ】44話のネタバレまとめ
- 物語は、これまでの登場人物たちの証言をまとめる「法廷劇」の形式で始まった。
- 鹿ノ子は、聖が死にかけた一連の事件の犯人が呪いではなく、聖自身による自傷行為だった、という結論を述べる。
- その結論に納得できない西迫は、聖本人に真実を問いただすため、鹿ノ子を連れて行こうとする。
- 鹿ノ子は、自らの意志で西迫に同行することを決意する。彼女は、たとえ自分の好きになった聖の姿が偽りだったとしても、「本当の聖」を知りたいと願っていた。
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