【兄だったモノ】47話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 西迫を刺した犬上は、自らの行為を「聖のため」だと信じ、狂気的な言動を見せた。
  • 頼豪は、警察沙汰になることを避けるため、救急車ではなく「非合法の医者」を呼ぶことを提案し、その場を仕切った。
  • 鹿ノ子とカンナが西迫の止血にあたる中、西迫は自らのことよりも、ショックを受けている聖の身を案じていた。
  • 西迫は、「あいつに謝るまで死なない」と、聖への謝罪の念を口にした。

【兄だったモノ】第47話をネタバレありでわかりやすく解説する

編集者・犬上による西迫への傷害事件。路地裏で起きた惨劇は、登場人物たちを病院の待合室へと運びます。そこで一行を待ち受けていたのは、消えたはずの呪いの復活と、聖の恐るべき変貌でした。

呪いの復活と、カンナの怒り

怒れる呪い

物語は、刺された西迫を前に、鹿ノ子たちが呆然とする場面から始まります。その時、消えていたはずの呪いが、再びその姿を現しました。マグマのように煮えたぎる怒りをたたえたその姿は、明らかに西迫に向けられていました。 鹿ノ子は「おにいちゃん…正義(まさよし)…」と、兄が愛した男と、兄を苦しめた男の名を、ただ呟くことしかできませんでした。

被害者ぶらないでよ!

場面は病院のロビーへ。西迫の命に別状はないことが分かり、一行は安堵します。しかし、隅でうずくまり、「ごめんなさい…俺のせいで…」と繰り返す聖の姿に、カンナの怒りが爆発します。 「すぐそうやって被害者ぶらないでよ!」。 カンナは、聖のその態度が、周りの人間の人生を滅茶苦茶にしてきた元凶なのだと、激しく彼を詰るのでした。

語り始める「怪物」

鹿ノ子がカンナを止めようとした、その時です。 「そこまで知っとるなら…」。 うなだれていた聖が、ゆっくりと顔を上げます。しかし、その表情は、先程までの弱々しい彼のものではありませんでした。冷たく、全てを見下すかのような笑みを浮かべた、全くの別人。呪いが、ついに聖の体を完全に乗っ取ったのです。

「じゃあ 教えたげる」。 呪いは、鹿ノ子たちに語りかけます。騎一郎のこと、正義のこと、犬上のこと。そして、それら全ての根源にある、一つの物語を。 「もっと根本的な 可哀想な子どもの話を しなくちゃね」。 物語は、ついにその核心である、聖の幼少期のトラウマへと迫っていきます。

【兄だったモノ】47話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、まさに嵐の前の静けさを切り裂くような、衝撃的な展開でした。 まず、呪いが西迫さんに対して、明確な怒りをもって復活したことに驚きました。呪いが消えたのは、西迫さんが聖さんを襲ったから。そして、復活したのは、西迫さんが刺されたから。呪いの行動原理は、やはり聖さんを守ること(あるいは独占すること)にあるのでしょうか。

そして、カンナさんの怒りの爆発。これは読んでいて、よくぞ言ってくれた!とスッキリしましたね。彼女の言う通り、聖さんのあの「被害者」としての態度が、周りの人間を狂わせ、不幸にしてきたのは事実です。

しかし、その後の聖さんの豹変ぶりには、背筋が凍りました。あの無垢な青年が、一瞬にして冷酷な支配者の顔になる。あの瞬間、物語の主導権は、完全に「呪い」の側に移りました。これから語られるという「可哀想な子どもの話」。それはきっと、聖という人間を形作った、悲劇の始まりなのでしょう。恐ろしくて、でも知りたくてたまらない。最高の引きでした。

【兄だったモノ】47話のネタバレまとめ

  • 西迫が刺された直後、消えていたはずの呪いが、西迫への激しい怒りと共に再び姿を現した。
  • 病院の待合室で、カンナはうずくまって謝り続ける聖の態度に激昂し、「被害者ぶるな」と彼を激しく非難する。
  • その言葉をきっかけに、聖は豹変。呪いが彼の体を完全に乗っ取り、不敵な笑みを浮かべる。
  • 呪いは、騎一郎や西迫、犬上について、そして全ての根源である「可哀想な子どもの話」を語り始めると宣言した。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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