【兄だったモノ】7話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 兄の元恋人である南カンナは、聖の怪我で混乱する現場をその場慣れた様子で収拾する。
  • カンナは、未成年である鹿ノ子を家に泊めることの非常識さを聖に説き、鹿ノ子をホテルへと連れ出す。
  • 鹿ノ子しか見えていなかったはずの兄の亡霊が、カンナにも見えていることが判明する。
  • カンナの正体は、兄・騎一郎が大学時代に交際していた元恋人であることが明らかになった。

【兄だったモノ】第7話をネタバレありでわかりやすく解説する

兄の元恋人・カンナと共にホテルの一室へやってきた鹿ノ子。兄の亡霊という共通の秘密を抱えた二人の間には、緊張感と、わずかな連帯感が漂います。カンナの口から語られるのは、冷徹な分析と、新たな謎でした。

協力関係の成立

カンナによる状況分析

カンナはホテルに着くと、冷静に現状の分析を始めます。 彼女は、聖が台所で手を切ったのは単なる事故ではないと断言します。なぜなら、「一部始終 私も見ちゃったしね…」「『あれ』が突き飛ばす姿も」 と、兄の亡霊が直接手を出した瞬間を目撃していたからです。 このままでは、亡霊は聖を殺してしまうだろう、とカンナは結論付けます

そして彼女は、鹿ノ子の核心を突く質問を投げかけます。

「鹿ノ子ちゃんは 中眞くんを好きになってしまった 違う?」 図星を突かれた鹿ノ子は動揺を隠せません。カンナはそれを「そっちも大問題ね…」 と一蹴しつつも、二人の目的が一致していることを確認します。

歪な協力関係

鹿ノ子は「聖を守り、自分を好きになってもらいたい」 。 カンナは「亡霊が聖を殺す姿を見たくない」 。 動機は違えど、「聖を亡霊から守る」という目的は同じです 。カンナは「綺麗な硝子細工でも 割れた破片で指が切れるの」 という言葉で、美しい思い出が時に人を傷つける危険性を説き、二人は協力関係を結ぶのでした

深まる兄・騎一郎の謎

オムライス嫌いの真相

協力関係を結んだ二人は、お好み焼き屋へと場面を移します。食事をしながら、カンナは鹿ノ子に、兄に関する衝撃の事実を告げるのでした。 それは、第2話から続く「オムライスの謎」の答えでした。 カンナによると、兄・騎一郎はオムライスが嫌いだっただけでなく、「そもそも 騎一郎 食べることそのものが苦手だったじゃない」 というのです。 好き嫌いの次元ではなく、摂食そのものに問題を抱えていたという兄の新たな一面。彼の人物像は、ますます謎に包まれていきます。

突然の別れ

カンナは、昔を懐かしむように、騎一郎とお好み焼きを食べた思い出を語ります 。ヘラでの食べ方が分からず戸惑うカンナに、騎一郎が得意げに教えてくれたという、微笑ましい記憶です 。 しかし、その直後、カンナは信じられない言葉を続けました。 「あれからすぐ 別れを切り出されたの」 幸せな瞬間の直後に訪れた、突然の別れ。兄の行動はどこまでも不可解で、一貫性がありません。

最後に、カンナは鹿ノ子に確認します。「あれは中眞くんに危害を加えようとしている それは間違いないのよね?」 鹿ノ子が頷くと、カンナは「馬鹿ね」 と笑い飛ばすのでした。かつて愛した男が、悪霊と化してストーカーをしている 。そのあまりに馬鹿げた状況に、彼女は呆れるしかなかったのです。

【兄だったモノ】7話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、カンナさんのキャラクターが炸裂していましたね。彼女の冷静な分析力と、鹿ノ子ちゃんの恋心まで見抜く洞察力には脱帽です。二人の間に芽生えた、奇妙で歪なシスターフッド(女性同士の連帯)には、今後の展開への期待が高まります。

そして、兄・騎一郎の謎がさらに深まりました。「食べること自体が苦手だった」という新事実は、かなり衝撃的です。彼が抱えていた闇は、我々が想像するよりもずっと根深いのかもしれません。幸せの絶頂で突然カンナさんに別れを告げたというエピソードも、彼の不安定さを物語っています。 彼は一体どんな人間だったのか。なぜ亡霊になってまで聖さんに執着するのか。その謎を解く鍵を、元恋人であるカンナさんが握っていることは間違いないでしょう。 最後の「馬鹿ね」というカンナさんのセリフと乾いた笑いが、この物語の持つ悲劇性と、ほんの少しの滑稽さを見事に表現していて、非常に印象的でした。

【兄だったモノ】7話のネタバレまとめ

  • カンナは、兄の亡霊が聖を殺そうとしていると分析し、鹿ノ子の恋心も見抜く 。
  • 「聖を守る」という共通の目的のもと、鹿ノ子とカンナは協力関係を結ぶ 。
  • 兄・騎一郎は、オムライスが嫌いだっただけでなく、食べること自体が苦手だったという新たな事実が判明する 。
  • カンナは、騎一郎との幸せな思い出の直後に、彼から一方的に別れを告げられていた過去を明かす 。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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