【兄だったモノ】77話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 西迫の家で一人療養していた聖の元に、非通知の電話がかかってくる。
- 電話が切れた直後、何者かが激しく玄関のドアを叩き始める。
- 聖は、その訪問者が人ならざる者であると直感し、恐怖する。
- ドアを開けてしまった聖の前に、亡くなったはずの恋人・騎一郎が、生前と変わらぬ姿で現れた。
【兄だったモノ】第77話をネタバレありでわかりやすく解説する
「ただいま、聖」――。亡き恋人・騎一郎の幻影との、最悪の再会。聖の心は、過去と現在の狭間で、静かに壊れていきます。一方、彼を案じる鹿ノ子たちの元には、事態の急変を告げる連絡が入るのでした。
プロセルピナの略奪
鹿ノ子、スマホデビュー
物語は、友人からスマホを借りる、鹿ノ子の場面から始まります。「諸事情あって」と、彼女は聖との連絡手段を確保しようとしていたのです。 しかし、電源を入れた途端、かかってきたのはカンナからの電話でした。 「実は 藤原くんが倒れたの」。 頼豪が倒れたという衝撃の事実に、鹿ノ子は言葉を失います。血を流し、尋常ではない様子だった、と。 そして、カンナは西迫が聖を連れて帰ったこと、そしてその聖に電話をしても全く出ないことを、焦った様子で告げるのでした。
黄泉の国へ
その頃、一人、海辺に佇む聖。彼の隣には、亡くなったはずの兄・騎一郎の幻影が、楽しそうに立っていました。 「何ボーっと黄昏てんだ?」。 病気が治ってよかったな、と屈託なく笑う兄。三⼈で海に⾏こうと約束したもんな、と。 聖は、目の前の光景が現実ではないと知りながらも、その幸せな記憶に囚われてしまいます。「そう…だっけ…?」。 彼の精神は、ついに現実との境界線を失い、兄と共にいるという、甘い地獄へと堕ちていくのでした。 「嬉しいなぁ!」。兄の幻影は、まるで聖の魂を抱きしめるかのように、彼に寄り添うのでした。
【兄だったモノ】77話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、聖さんの精神が、いよいよ限界に達していることが描かれた、非常に痛々しい回でした。 彼の前に現れた騎一郎の幻影。それは、これまでの凶暴な呪いとは全く違う、優しくて、生前のままの「お兄ちゃん」でした。だからこそ、余計に恐ろしい。聖さんは、この甘い毒に、抗うことができるのでしょうか。彼の魂が、兄の幻影によって黄泉の国へと連れ去られてしまう。「プロセルピナの略奪」というタイトルが、見事にこの状況を表しています。
一方、鹿ノ子ちゃんサイドの緊迫感も凄まじかったですね。頼れる協力者である頼豪さんが倒れ、聖さんとは連絡が取れない。八方塞がりの状況です。しかし、彼女が初めて手にしたスマホが、物語を動かす重要なキーアイテムになりそうな予感がします。 聖さんの魂が完全に連れ去られてしまう前に、鹿ノ子ちゃんたちは、彼を救い出すことができるのか。一刻の猶予も許されない、ハラハラする展開でした。
【兄だったモノ】77話のネタバレまとめ
- 鹿ノ子は、友人からスマホを借り、聖との連絡手段を確保しようとする。
- そこへカンナから電話があり、頼豪が倒れたこと、そして聖と連絡が取れないことを知らされる。
- 一人海辺にいた聖の前には、亡くなったはずの兄・騎一郎の幻影が現れる。
- 騎一郎の幻影は、生前のように優しく振る舞い、聖を幸せな過去の記憶へと誘う。
- 聖の精神は、現実と幻覚の境界線を失い、兄の魂に囚われつつあった。
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