【兄だったモノ】78話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 聖の前に現れた兄・騎一郎の幻影は、生前のように優しく振る舞い、聖を幸せな過去の記憶へと誘った。
  • 一方、鹿ノ子は友人からスマホを借りた直後、カンナから「頼豪が倒れたこと」「聖と連絡が取れないこと」を知らされる。
  • 聖の精神は、現実と幻覚の境界線を失い、兄の魂に囚われつつあった。

【兄だったモノ】第78話をネタバレありでわかりやすく解説する

「健全な恋じゃない」――。虎次郎の言葉は、鹿ノ子の心に深く突き刺さります。しかし、彼女は自らの恋の形を肯定し、聖を救うために走り出すことを決意しました。一方、聖の心は、兄が作った甘い地獄の中で、静かに終わりを迎えようとしていました。

偽りの楽園

鹿ノ子の決意

物語は、虎次郎に自らの恋を「横恋慕?上等よ!」と啖呵を切る、鹿ノ子の場面から始まります。 たとえ自分の恋が綺麗事ではなくても、王子様でなくたって、お姫様の魔法は解けるはず。なんのためにこの旅についてきたのか。彼女は、聖を助けに行くのだと、固く決意するのでした。

騎一郎との再会

場面は、聖が見ている幻覚の中、海辺へと移ります。そこには、亡くなったはずの兄・騎一郎と、幼い頃の鹿ノ子の姿がありました。「病気が治ってよかったな!」。兄は屈託なく笑い、三⼈で海に来れたことを喜びます。 聖は、そのあまりにも幸せな光景に、ただ涙を流すことしかできません。嬉しいなぁ!と、心の底から幸福を噛み締めるのでした。

ゴンちゃんの正体

現実世界では、鹿ノ子が西迫の部屋へと駆けつけます。しかし、部屋はもぬけの殻。床には、聖が身につけていたはずの指輪だけが、虚しく転がっていました。

再び、聖の幻覚の中。浜辺で遊ぶ騎一郎と鹿ノ子。その光景を、聖は愛おしそうに見つめています。 しかし、次の瞬間、物語は衝撃の事実を明かします。 聖の隣に立っていたのは、騎一郎ではありませんでした。あの謎の少年、「ゴンちゃん」です。 そして、ゴンちゃんは聖に、こう呼びかけるのでした。 「帰ろう 騎一郎」。 「うん」。 聖は、ゴンちゃんの言葉を、何の疑いもなく受け入れます。彼の魂は、もはや「中眞聖」ではなく、「東雲騎一郎」として、この世界に存在しようとしていたのです。

【兄だったモノ】78話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、あまりにも美しく、そして残酷な回でした。聖さんが見ていた、あの幸せな海辺の光景。死を望んでいた彼が、ようやく手に入れた偽りの幸福。その眩しさが、逆に彼の置かれた状況の悲惨さを際立たせていて、読んでいて胸が張り裂けそうでした。

そして、最後のどんでん返し。聖さんの隣にいたのが、ゴンちゃんだったとは…。しかも、ゴンちゃんは聖さんのことを「騎一郎」と呼び、聖さんもそれを受け入れている。これは、一体どういうことなのでしょうか。 ゴンちゃんは、やはり本物の騎一郎の魂で、聖さんの魂と入れ替わろうとしている?それとも、聖さん自身が、兄の死という現実から逃れるために、自ら「騎一郎」になることを選んだのでしょうか。 あまりにも謎が多く、そして恐ろしい結末です。鹿ノ子ちゃんは、変わり果ててしまった聖さんを、救うことができるのでしょうか。物語の最終局面から、目が離せません。

【兄だったモノ】78話のネタバレまとめ

  • 鬼頭虎次郎の言葉を受け、鹿ノ子は自らの意志で聖を救いに行くことを決意する。
  • 一方、聖は、亡き兄・騎一郎と幼い鹿ノ子と共に海辺で過ごす、幸福な幻覚を見ていた。
  • 現実世界では、鹿ノ子が西迫の部屋に駆けつけるも、聖は指輪だけを残して姿を消していた。
  • 聖が見ていた幻覚の中で、騎一郎の姿をしていたのは、謎の少年「ゴンちゃん」だったことが判明する。
  • ゴンちゃんは聖を「騎一郎」と呼び、聖もそれを受け入れた。彼の魂が、兄のものと入れ替わってしまった可能性が示唆された。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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