【兄だったモノ】79話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 鬼頭虎次郎の言葉を受け、鹿ノ子は自らの意志で聖を救いに行くことを決意した。
- 一方、聖は、亡き兄・騎一郎と幼い鹿ノ子と共に海辺で過ごす、幸福な幻覚を見ていた。
- 現実世界では、鹿ノ子が西迫の部屋に駆けつけるも、聖は指輪だけを残して姿を消していた。
- 聖が見ていた幻覚の中で、騎一郎の姿をしていたのは、謎の少年「ゴンちゃん」だったことが判明し、ゴンちゃんは聖を「騎一郎」と呼んだ。
【兄だったモノ】第79話をネタバレありでわかりやすく解説する
「帰ろう 騎一郎」――。兄の魂を名乗る謎の少年と共に、姿を消してしまった聖。残された鹿ノ子たちは、ついにこの物語の根源にある、東雲家の闇と対峙することを決意します。今回は、全ての謎が収束していく、クライマックス直前の重要な回です。
アリアドネの糸
全ての役者の証言
物語は、登場人物たちが、兄・東雲騎一郎という人間について、それぞれが知る「真実」を語る場面から始まります。
- 優しかったわよ(カンナ)
- 暴力的な奴だろ?(西迫)
- 母親想いのいい子だったわ(母)
- 馬鹿息子だ(父)
- 優しい兄でした(鹿ノ子)
それぞれが語る騎一郎像は、あまりにも食い違っていました。しかし、彼らは皆、少しずつ本当のことを言っていたのです。
頼豪の最終仮説
場面は、頼豪とカンナがいる病院へと移ります。看護師から、頼豪の付き添いであるカンナに、患者(頼豪)が目を覚ましたことが告げられます。 目を覚ました頼豪は、自らの仮説を語り始めます。
聖を苛んでいた呪い(トゥルパ)の行動に一貫性がなかったのは、それが聖を助けようとする本物の騎一郎の魂(ゴンちゃん)の行動と混ざり合っていたからではないか、と。 そして、彼は結論付けます。聖の死を望む「呪い」と、聖を救おうとする「兄の魂」。その二つの願いを叶えるためには、もう一つの願いを叶えるしかないのだ、と。
広島へ
鹿ノ子は、聖を救うためには、まず兄・騎一郎が生前何を考えていたのか、そしてなぜ死んでいったのかを知らなければならない、と決意します。
遠回りでも、助ける道を、探さないと。 その決意を聞いた頼豪は、「よくぞ言いました!」と彼女を称賛します。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」。 彼は、聖を救うためのリベンジを果たすべく、一行を広島へと導くのでした。「さあ参りましょう!広島へ!」。
【兄だったモノ】79話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、これまでの全ての謎と伏線が、一つの大きな流れに収束していく、圧巻の構成でした。冒頭の、それぞれの人物が語る騎一郎像。そのどれもが真実の一端である、という描き方は、人間の多面性というこの作品のテーマを、改めて浮き彫りにしていますね。
そして、頼豪さんの仮説。呪いと兄の魂が、それぞれ別の目的で動いていた、という考察には、なるほどと膝を打ちました。聖を殺そうとする呪いと、聖を助けようとする兄。その二律背反した願いが、これまでの不可解な現象を引き起こしていたのですね。 最後の、鹿ノ子ちゃんの決意と、頼豪さんの「広島へ!」という宣言には、胸が熱くなりました。もう彼女は、恋に恋する少女ではありません。愛する人を救うために、自ら運命に立ち向かう、強く美しいヒロインです。全ての始まりの地である広島で、彼らは一体どんな真実を見つけ出すのでしょうか。最終決戦の幕開けを告げる、最高の引きでした。
【兄だったモノ】79話のネタバレまとめ
- 物語の冒頭で、登場人物たちがそれぞれに抱く、矛盾した「東雲騎一郎」像が語られる。
- 頼豪は、聖に起きていた超常現象が、聖を殺そうとする呪い(トゥルパ)と、彼を助けようとする兄・騎一郎の魂(ゴンちゃん)の、二つの存在が干渉し合った結果であるという仮説を立てる。
- 鹿ノ子は、聖を救うためには、まず兄・騎一郎の真実を知る必要があると決意する。
- 頼豪は、その決意を後押しし、一行は全ての謎を解き明かすため、物語の始まりの地である広島へと向かうことを宣言した。
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