【兄だったモノ】9話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 鹿ノ子は、自分の貯金が尽きるまで広島に通い、聖の心を射止めようという「賭け」をしていたことが明らかになる 。
- 彼女は、亡くなった兄と「正々堂々」勝負するために、あえて回りくどい方法を選んでいた 。
- 回想シーンで、聖がかつて筆を折った作家であり、その度に騎一郎が彼を支えていたという過去が明かされる 。
- 聖の魅力的な振る舞いを見たカンナは、それが兄の亡霊による影響ではないかと疑いを抱く 。
【兄だったモノ】第9話をネタバレありでわかりやすく解説する
鹿ノ子と協力関係を結んだカンナは、一人で聖の元を訪れます。今回は、彼女の視点から兄・騎一郎の人物像と、聖が置かれた恐ろしい状況が、より鮮明に描かれることになります。
カンナの記憶の中の騎一郎と聖
兄の人物像
カンナの回想によれば、生前の東雲騎一郎は、明るく無邪気で、誰からも好かれる好青年でした 。少し気難しい一面はあったものの、カンナは本気で彼との結婚を考えていたほど、深く愛していたのです 。 彼は家族のことはあまり話しませんでしたが、年の離れた妹・鹿ノ子のことは、ことのほか可愛がっていました 。
「鈴蘭」という名の毒
一方で、カンナは同級生が聖のことを**「鈴蘭(すずらん)だ」**と吐き捨てた言葉を思い出します 。 鈴蘭は「谷間の百合姫」とも呼ばれる白く可憐な花ですが、その実と根には猛毒が含まれています 。 カンナは今、その言葉の意味を痛いほど理解していました。無垢で可憐な聖は、その身に兄の亡霊という「猛毒」を孕んでしまっているのです 。
亡霊との対峙、そして新たな恐怖
監視する者
聖の家を訪れ、騎一郎の遺骨に線香をあげるカンナ 。彼女は聖に、なぜ騎一郎を病院に入院させなかったのかを尋ねます 。 聖の答えは衝撃的なものでした。それは、兄自身が「この家で死にたい」と望んだからだというのです 。 そして、聖は続けました。兄の亡霊がこの家にいるのは、**「俺を監視するためじゃ」**と 。 その言葉と共に、聖の背後にいた亡霊が、まるで自らの意思を語るかのように彼を操り、「来てくれてありがとう 騎一郎も喜んどるよ」とカンナに感謝を述べるのでした 。
見えていないという事実
亡霊に操られる聖の姿を目の当たりにしたカンナは、恐怖に耐えきれず、早々に彼の家を後にします 。 そして、彼女はある一つの、最も恐ろしい事実にたどり着きます。 鹿ノ子と自分には見えている「あれ」が、憑りつかれている聖本人には、全く見えていなかったのです 。 彼は、自分が亡霊に乗っ取られていることに、全く気付いていませんでした。
事態の深刻さを悟ったカンナは、どこかへ電話をかけます。
「もしもし?久しぶりね ちょっと相談があって…」「化け物の話 興味はないかしら?」 物語は、新たな協力者の存在を匂わせ、幕を閉じます。
【兄だったモノ】9話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、カンナさんの視点から物語が描かれたことで、キャラクターの解像度がぐっと上がりましたね。生前の騎一郎が、ただの優しいお兄ちゃんではなかったこと、そして聖さんが「毒を孕んだ鈴蘭」と評されていた過去。二人の関係が、私たちが思っているよりもずっと複雑で、危ういものだったことが伝わってきました。
しかし、何よりも恐ろしかったのは、聖さんが亡霊に乗っ取られていることに全く自覚がない、という事実です。これは本当にゾッとしました。自分の体が、知らないうちに別の何かに操られているかもしれないなんて、ホラーとして最上級の恐怖だと思います。 そして、亡霊の目的が「監視」。これもまた不気味です。一体何を監視しているというのでしょうか。聖さんが誰かと親密になるのを防ぐため?それとも、もっと別の目的が…? 最後のカンナさんの電話も、期待しかありません。彼女が頼ろうとしている相手は、一体何者なのでしょうか。霊能者?それとも、この怪異に詳しい別の関係者?新たな展開から目が離せません。
【兄だったモノ】9話のネタバレまとめ
- カンナの回想から、生前の騎一郎が妹思いの好青年だったこと、そして聖が「毒を持つ鈴蘭」と評されていたことが語られる 。
- 聖は、兄の亡霊が自分を「監視する」ためにこの家にいるとカンナに明かす 。
- 亡霊は聖の体を乗っ取り、カンナと直接会話をする 。
- カンナは、聖自身が自分に取り憑いている亡霊の存在に全く気付いていない、という恐ろしい事実にたどり着く 。
- 事態を重く見たカンナは、専門家と思われる第三者に電話をかけ、助けを求める 。
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