【刀剣乱舞】倶利伽羅江の実装はいつ？映画からの経緯や声優も解説

映画でサプライズ登場した刀剣男士、倶利伽羅江についてご存知でしょうか。数あるメディアミックス作品の中でも特に異色の出自を持つ彼は、原作ゲームへの実装が長年にわたり待望されてきました。多くの審神者（さにわ）が待ち望んだキャラクターの「逆輸入」がついに決定し、そのキャラクター設定や担当声優、そして彼が属する刀派「江」の一員としての背景に、今改めて熱い視線が注がれています。

この記事では、長らく謎に包まれていた倶利伽羅江がどのような刀剣男士なのか、衝撃的だった映画での活躍から待望のゲーム実装に至るまでの全経緯、そして公式から発表されているプロフィール情報まで、あらゆる情報を網羅的かつ徹底的に解説します。彼の物語を深く知ることで、ゲームでの登場がさらに楽しみになるはずです。

映画でベールを脱いだ刀剣乱舞 倶利伽羅江

映画刀剣乱舞 継承の隠しキャラクター

倶利伽羅江が初めてその名を歴史に刻んだのは、2019年1月18日に公開された初の実写化作品「映画刀剣乱舞-継承-」でした。驚くべきことに、彼は公開前の宣伝活動や予告映像、公式サイトのキャラクター紹介に至るまで、その存在が一切明かされていなかった完全な「隠しキャラクター」だったのです。

物語の重要な局面で颯爽と現れる9振り目の刀剣男士として描かれ、満席の劇場にいた多くの観客に衝撃を与えました。この徹底された情報統制は、脚本を手掛けた小林靖子氏の「ゲームで新しい刀剣男士がドロップする時のワクワク感を表現したかった」という意図によるもので、まさに製作陣からの最高のサプライズとなりました。

当初は「映画オリジナルの刀剣男士」と紹介されていたため、ゲームへの実装はないと考えるファンも少なくありませんでした。しかし、この鮮烈なデビューは倶利伽羅江という存在をファンの心に強く焼き付け、続編である「映画刀剣乱舞-黎明-」にも本丸の一員として引き続き登場し、その人気を不動のものにしたのです。

当初は無銘という名の敵だった

前述の通り、「映画刀剣乱舞-継承-」で衝撃のデビューを飾った倶利伽羅江ですが、その登場シーンは味方としてではありませんでした。物語の序盤、彼は記憶を全て失い、時間遡行軍の大太刀に操られる傀儡として、顔をフルフェイスマスクで覆った敵「無銘」として刀剣男士たちの前に立ちはだかります。

その正体不明の不気味さと高い戦闘能力で、織田信長の歴史を守ろうとする三日月宗近らを何度も窮地に陥れました。しかし物語の転換点、山崎の戦いで敗走する明智光秀が、懐から取り出した倶利伽羅龍の彫られた短刀、つまり倶利伽羅江自身を掲げた瞬間、彼の瞳の色が変わり動揺を見せます。このシーンは、彼の失われた記憶の核心に触れる重要な伏線となっていました。

最終的に、刀剣男士たちとの激闘の末、大太刀による洗脳が解けます。砕け散るマスクの下から真の姿を現し、「よくも俺をお前達の手先にしてくれたな！！」という怒りの咆哮と共に刀剣男士に加勢するシーンは、本作屈指の名場面です。敵から味方へ、そして「無銘」から「倶利伽羅江」へと名を取り戻すというドラマチックな展開が、彼のキャラクターに抗いがたい深みと魅力を与えています。

郷義弘作で刀種は短刀

倶利伽羅江のモチーフとなった刀剣は、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて越中国（現在の富山県）で活躍した刀工、郷義弘（ごうのよしひろ）によって作られたとされる短刀です。郷義弘は、「郷とお化けは見たことがない」という言葉で知られるほど現存する在銘作が皆無に等しく、その希少性と作風の美しさから非常に高く評価されている伝説的な名工です。

刀剣としての最大の特徴は、刃長9寸3分（約28.2cm）の刀身に施された、不動明王の化身である龍が剣に巻き付く意匠「倶利伽羅龍」の見事な浮き彫りです。この神聖な彫り物が、そのまま「倶利伽羅江」という名前の由来となっています。

ゲーム「刀剣乱舞ONLINE」に実装されるにあたり、刀種は映画の設定を引き継ぎ「短刀」となりました。短刀は夜戦で真価を発揮する刀種であり、彼の俊敏な戦いぶりに期待が寄せられます。同じ郷義弘作の刀剣男士には篭手切江や豊前江、稲葉江などがおり、彼ら「江」の仲間との交流も楽しみなポイントの一つです。

刀派は江で元の主は明智光秀

倶利伽羅江が属する刀派は、刀工・郷義弘の「郷」を音読みした「江（ごう）」です。ゲーム内において「江」の刀剣男士たちは、緑を基調としたジャケットを共通衣装とし、篭手切江を筆頭にアイドルを目指してレッスンに励むというユニークなコンセプトを持っています。倶利伽羅江の衣装も、江派共通のデザインを踏襲しつつ、前身頃が短い燕尾服のようなアレンジが加えられたスタイリッシュなものです。

そして、彼の来歴を語る上で最も重要な人物が、元の主である明智光秀です。この短刀は元々越前朝倉家に伝来していましたが、織田信長による朝倉家滅亡の際に光秀が入手し、以降、彼の秘蔵の刀になったと伝えられています。

本能寺の変の後、羽柴秀吉に敗れた光秀の居城・坂本城は落城します。その際、城に残った光秀の家臣・明智秀満（左馬助）は、天下の名宝が失われることを惜しみ、多くの宝物を城から運び出しました。しかし、倶利伽羅江だけは手放さず、「これは亡き主君が命と等しく秘蔵された刀。某が腰に差し、死出の山にて主君にお渡し申す」と言い放ち、刀と共に天守に火を放ち自害した、という壮絶な逸話が残されています。歴史上「謀反人」とされる光秀の刀という背景は、彼のキャラクター性に複雑な陰影と物語性を与えているのです。

演者と声優は土屋神葉が担当

映画でミステリアスな「無銘」と、快活な「倶利伽羅江」という二つの顔を見事に演じ分けたのは、俳優であり声優でもある土屋神葉（つちや しんば）さんです。女優の土屋太鳳さんを姉に持つことでも知られ、舞台や映像作品で幅広く活躍しています。

土屋さんは声優としても高い実力を持ち、『ツイステッドワンダーランド』のエペル・フェルミエ役など多くの人気キャラクターを演じています。そのため、映画公開当時からファンの間では「彼が声優も務めるなら、ゲームへの実装もあり得るのではないか」という期待の声が絶えませんでした。

そして約6年の時を経て、その願いは現実のものとなります。2025年秋に予定されているゲーム実装においても、土屋さんがキャラクターボイスを続投することが発表されました。映画でキャラクターの魂を吹き込んだ役者が、そのままゲームでも声を担当するという流れは、キャラクターイメージの一貫性を保つ上で最も理想的な形であり、ファンにとってはこれ以上ない嬉しい報せとなりました。

刀剣乱舞 倶利伽羅江のゲーム実装と詳細

待望のゲームへの実装が決定

映画での鮮烈なデビューから約6年、数えきれないほどのファンの声援に応える形で、倶利伽羅江のゲーム実装が2025年1月18日に開催されたゲーム10周年記念イベント「刀剣乱舞 大本丸博」にて、ついに正式発表されました。

イベントの目玉企画であった「十重発表」の7つ目のサプライズとして情報が明かされると、幕張メッセの会場は大きな歓声とどよめきに包まれ、SNSでは瞬く間にトレンドワードの上位を席巻しました。実装時期は2025年秋頃とされており、長年「映画だけの特別な存在」と思われていたキャラクターが、満を持してゲームの世界に登場します。

新刀剣男士が発表されるたびに「今度こそ倶利伽羅江では？」と期待と落胆を繰り返してきたファンにとって、この発表はまさに感涙ものでした。10周年という大きな節目での実装決定は、刀剣乱舞というコンテンツがファンの想いと共に歴史を重ね、メディアミックス展開を通じてさらに豊かになっていく未来を象徴する、記念すべき出来事となったのです。

メディアミックスからの逆輸入への反応

倶利伽羅江のように、ゲーム以外のメディアミックス作品（アニメ、舞台、映画など）で先行して登場したキャラクターが、原作であるゲームに後から実装されることを、ファンの間では「逆輸入」と呼びます。このキャラクター展開については、様々な反応が見られました。

その大多数は、映画で心を掴まれた魅力的なキャラクターを、自分の本丸に迎えて育成できることを心から喜ぶ、熱烈な歓迎の声です。一方で、原作であるゲームの世界観や物語性を最も重視するファンの中には、外部作品からのキャラクター登場がゲーム内のバランスや設定にどう影響するのか、わずかながら慎重に見守る意見もありました。

ただ、刀剣乱舞には成功した前例があります。ミュージカルで先行登場した「稲葉江」が後にゲームに実装された際、彼はゲームの世界観に見事に溶け込み、ミュージカルとはまた異なる魅力を発揮して、多くのファンに愛される存在となりました。この実績があるからこそ、倶利伽羅江もまた、ゲームならではの新たな設定や物語を携え、多くの本丸の一員として自然に馴染んでいくことが強く期待されています。

ゲーム版の公式キャラクター紹介

ゲーム実装の正式発表に伴い、公式X（旧Twitter）アカウントからは、キャラクターの公式紹介文と、担当イラストレーター・岩本ゼロゴさんによる美麗な立ち絵の一部が公開されました。

紹介文では、「謀反人・明智光秀の秘蔵の刀で、坂本城で明智左馬之助とともに焼け落ちた」という彼の悲劇的な来歴が改めて強調されています。さらに、公開されたセリフ「ここには多くの名刀があるけど、謀反人の刀は反感を持たれるからね。大人しくしているよ」は、大きな注目を集めました。この言葉は、映画のラストで見せた本来の元気でヤンチャな性格とは少し異なる、自身の境遇に対する葛藤や物静かな一面をうかがわせます。

元の主が歴史に遺した汚名と、刀剣男士としての誇りの間で揺れ動く、複雑な内面が描かれるのかもしれません。イラストレーターの岩本ゼロゴ氏は、桑名江や松井江など、同じ「江」の刀剣男士を多く手掛けており、統一感のある洗練されたデザインにも期待が高まります。

プロフィール情報

実装記念の無料配信キャンペーン

倶利伽羅江のゲーム実装を記念し、彼がスクリーンデビューを飾った「映画刀剣乱舞-継承-」の無料配信キャンペーンが、動画配信サービス「DMM TV」にて実施されることも併せて発表されました。

配信日時は2025年9月12日の19時からとなっており、特筆すべきは、DMM TVの会員登録が不要で、誰でも完全無料で視聴できる点です。視聴方法は、ゲーム内の本丸画面に設置される特設バナーからアクセスするか、後日公開される専用URLから直接視聴するかの2通りが用意されています。

この大規模なキャンペーンは、ゲームで初めて倶利伽羅江を知る新規ファンに彼の原点を知ってもらう絶好の機会です。それと同時に、映画を既に鑑賞した既存ファンにとっても、実装を目前に控えたこのタイミングで彼の物語を振り返り、来るべき日への期待感を最高潮に高めるための、運営からの粋な計らいと言えるでしょう。

他にゲーム未実装の刀剣男士はいる？

倶利伽羅江の逆輸入実装が決定したことで、「他にもメディアミックス作品に登場したゲーム未実装の刀剣男士はいるのか」という点が、改めてファンの関心事となっています。

現在、明確な姿と名前が描かれているキャラクターとしては、2022年に発売されたゲーム『刀剣乱舞無双』のオリジナルキャラクター「面影（おもかげ）」が筆頭に挙げられます。彼は無双の物語の核を担う非常に重要な存在であり、声優を寺島拓篤さんが務めています。彼もまた、実装を望む声が非常に根強くあります。

この他にも、過去に放送されたテレビCM限定の架空の刀剣男士たちがいました。プロレスラーの棚橋弘至さんが演じた刀派「棚橋」の刀剣や、俳優の松平健さんが演じた「松也丸」などがそれで、これらはCMを盛り上げるためのユニークな企画でしたが、実装の可能性は低いと考えられています。そうした中で実現した倶利伽羅江の実装は、メディアミックス出身キャラクターにとって、そして刀剣乱舞の今後の展開にとって、大きな意味を持つ一歩となったのです。

まとめ：刀剣乱舞 倶利伽羅江の魅力とは

この記事では、刀剣乱舞 倶利伽羅江について、映画での登場から待望のゲーム実装までの情報を網羅的に解説しました。最後に、彼の魅力と重要なポイントをまとめます。

• 2019年公開の「映画刀剣乱舞-継承-」で初登場した
• 当初は情報が伏せられた隠しキャラクターだった
• 物語序盤では「無銘」という名の敵として登場する
• 記憶を失い時間遡行軍に操られていた
• 物語のクライマックスで記憶を取り戻し刀剣男士に加勢した
• 元の主は明智光秀とされ、彼の秘蔵の刀だった
• 坂本城の落城と共に焼失したと伝わる
• 刀工は名工・郷義弘で、刀種は短刀
• 刀身の倶利伽羅龍の彫り物が名の由来
• 刀派は篭手切江らと同じ「江」に属する
• 映画での演者とゲームの声優は土屋神葉さんが担当している
• 2025年1月の10周年記念イベントでゲーム実装が発表された
• 実装時期は2025年秋頃を予定
• メディアミックス作品からの「逆輸入」として注目を集めている
• 実装を記念し映画「継承」の無料配信キャンペーンが実施される

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コマさん（koma）

野生のライトノベル作家

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社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》