【前の住人がやってきた】3話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【前の住人がやってきた】第3話をネタバレありでわかりやすく解説する
前の住人、そして「前の前の住人」まで現れ、混乱の極みに達したアパート102号室 。第3話では、新たに登場した女性・令香の口からこの部屋のさらなる秘密が語られ、物語は予測不能な領域へと突入します。呆然と立ち尽くす後藤は、「ま…また?」とつぶやくしかありません 。
新たな訪問者・令香の登場
前の前の住人として現れた令香は、その強烈なキャラクターで場の空気を一変させます。
強烈なキャラクター、令香
後藤が「この部屋に住んでいた住人がなんで…?」と理解が追いつかない中 、津田川は「令香ちゃん!」と子犬のように駆け寄ります 。彼は雨に濡れた令香を気遣い、後藤のTシャツを差し出して体を拭こうとしますが、令香はそれを全く意に介しません 。
後藤が警戒して中華包丁を向けても、彼女は全く動じることなく「令香」と書かれた名刺を差し出します 。そして、後藤に対して妖艶に微笑みかけ、「夜ヒマなら遊びに来てよ」と誘いかけました 。その理由は「この部屋の住人なら金回りいいだろうし」という、非常に即物的なものでした 。
津田川との奇妙な関係
令香は、まるで長年連れ添った召使いにでも命じるかのように、津田川に「喉乾いた」と言い放ちます 。すると津田川は、「かしこまり!」と喜び勇んで、待ってましたとばかりにキンキンに冷えた飲み物を差し出しました 。
親子ほども歳の離れた二人が織りなす、この異様な主従関係 。後藤の混乱は深まるばかりです 。
令香が語る「パワースポット」の過去
令香がこの部屋を訪れた目的、そして彼女がこの部屋で体験した過去が、本人の口から語られます。
汗だくになる理由
突然、令香は着ていた服を脱ぎ始め、タンクトップ姿になります 。驚く後藤をよそに、彼女は「だってこれから汗だくになるから」という不穏な一言を口にしました 。そして、自分がこの部屋に住んでいた2年前の話を始めると宣言します 。
幸運の連鎖と気づき
令香はスマホを取り出し、2年前の写真を見せます 。そこに写っていたのは、今とは全く雰囲気の違う、清楚なOL風の彼女でした 。彼女によると、当時はごく普通のOLで、スキルも実績もなかったにもかかわらず、急に新規事業のメンバーに抜擢されたり、役職がついたりしたそうです 。
それだけではありません。さらに、ベンチャー企業を経営するハイスペックな彼氏までできたといいます 。あまりにも出来すぎた幸運の連続 。彼女は、そのすべてがこの部屋に住み始めてから起きたことに気づきました 。そう、この部屋は幸運を引き寄せる「パワースポット」なのだ、と 。
幸運の果ての「後悔」
パワースポットの恩恵を確信した令香。しかし、その幸運は彼女に幸福な結末だけをもたらしたわけではありませんでした。
成功と判断の鈍り
この部屋の力を信じた令香は、彼氏との同棲を始めます 。しかし、ここにいれば成功の確率が上がる」という確信が、逆に彼女の「判断を鈍らせた」と、意味深に語るのでした 。
令香の後悔と新たな訪問者
後藤が「彼とは別れたのか」と尋ねると、令香は鋭い目つきで「今でも後悔してる」と吐き捨てます 。彼女は、話の流れで理解できない後藤の鈍感さに「アンタ バカなの?」と激しく苛立ちを見せました 。
その緊迫した空気を破るように、玄関のドアが静かに開きます 。そこに立っていたのは、フードを深く被った長身の男でした。後藤の胸に「またか」という予感がよぎります 。
4人目の訪問者、安田
もはや来客のチャイムさえ鳴りません。当たり前のように部屋に入ってくる新たな男の登場で、物語は最終局面へと向かいます。
前の前の前の住人
津田川と令香は、その男を見るなり「安田さぁん!」と声をかけます 。安田と呼ばれた男は、令香の姿を認めると「去年よりまた痩せたか?」と、彼女の体を気遣うような言葉をかけました 。
そして彼は、呆然とする後藤に向き直り、静かにこう名乗ります。
「俺は 前の前の前の 住人だ」
「作業」の開始
ついに4人もの歴代住人が集結した102号室。安田は部屋の状況を一瞥し、後藤が畳の下に御札を貼ったことを聞くと、「こんなものが効くなら苦労はしないよな」と冷たく言い放ちます 。
彼は「夜明けまで時間がない」 、「作業を進めながら話をするぞ」と場の空気を支配し、床にブルーシートを広げるよう指示します 。後藤が「何の作業です?」と尋ねると、安田は決定的な一言を告げました 。
「部屋に血がついたら面倒でしょ!」 。
後藤がその言葉の意味を理解する前に、彼の背後から黒い影が襲いかかります 。部屋に響き渡る、後藤の絶叫 。この部屋の真の恐怖が、ついにその牙を剥きます。
まとめ【前の住人がやってきた】3話を読んだ感想(ネタバレあり)
第3話は、歴代住人が次々と登場するという怒涛の展開で、一時も目が離せませんでした。「前の前の住人」である令香の登場により、この部屋が持つ「幸運」の側面が具体的に描かれたのは大きなポイントです 。ただ怖いだけでなく、人々を惹きつけてやまない魅力、つまり「パワースポット」としての顔が明らかになったことで、住人たちがなぜこの異常な部屋に固執するのか、その動機に説得力が生まれました。
しかし、その幸運には大きな代償が伴うことも示唆されています。清楚なOLだった令香が、今ではどこか投げやりで夜の仕事に身をやつしている様子は 、彼女が「後悔している」 という言葉の重みを増しています。
そして、4人目となる「前の前の前の住人」安田の登場には、もはや笑うしかありませんでした。この部屋、一体何人の過去を背負っているのかと。しかし、彼の登場で物語の雰囲気は一変します。「夜明けまで時間がない」 、「部屋に血がついたら面倒でしょ!」 というセリフは、それまでのどこかコミカルですらあった空気を一瞬で凍りつかせ、物語を純粋な恐怖の領域へと引き戻しました。
これから始まる「作業」とは一体何なのか。後藤に襲いかかった黒い影の正体は。幸運と不幸、生と死が渦巻くこの部屋で、夜明けまでに行われる儀式の全貌が気になって仕方ありません。最高の引きで、次話への期待を極限まで煽る一話でした。
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