【前世から君だけを愛すると誓うよ】32話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 貴族である真一郎は、家の存続のため、父親から強制的に見合いをさせられることになりました。
  • 詩乃と引き裂かれることを恐れた真一郎は、彼女に「愛してる」と告白し、「俺と駆け落ちしてくれ」と懇願します。
  • 死をも覚悟した真一郎の想いを受け、詩乃は駆け落ちに同意し、二人は三日後の最終列車で会う約束をしました。
  • 約束の日、出発の準備をしていた真一郎の元に、二人の運命を大きく左右するであろう一通の電報が届きました。

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嘘で塗り固められた報告

約束の場所へと急ぐ真一郎の前に、手紙を託したはずのメイドが戻ってきます。「手紙はどうなった?ちゃんと詩乃に会えたのか?」と問い詰める真一郎に、メイドはうつむきながらも「はい、たしかに詩様とおっしゃる方にお会いしました」と答えます。

しかし、その後の言葉は、真一郎を絶望の淵へと突き落とすものでした。「手紙を渡したところ、承知した、と…」 。メイドは、さも詩乃が手紙の内容を理解し、おとなしく身を引いたかのように嘘の報告をしたのです。「真一郎様はこちらにはいらっしゃいません」と、詩乃に冷たく言い放った自分の言葉は胸の内に隠して。

悪意に満ちた偽りの伝言

場面は駅へと戻り、メイドが詩乃に手紙を渡さず、偽りの伝言を告げるシーンが描かれます。彼女は、詩乃の身分を見下し、その純粋な恋を踏みにじるような、悪意に満ちた言葉を次々と浴びせかけました。

真一郎様は、しかるべき家の御息女と婚約なさると聞いております

平民の分際で、真一郎様と一緒になれるとでも?自分の立場をわきまえなさい

さらに、「あなたと会うのも煩わしいと、私を派遣なさったのです」と、真一郎自身が詩乃を拒絶しているかのように言い放ちます。 この残酷な嘘に、詩乃の心は完全に打ち砕かれてしまうのでした。

消えた想い人と絶望の淵

約束の場所に詩乃が現れなかった真実を知らないまま、真一郎は彼女の家を訪ねます。しかし、近所の人から告げられたのは、「詩ちゃんなら、ちょっと前に出て行ってしまったよ」という無情な言葉でした。

その後、彼は必死に詩乃の消息を訪ねて回りますが、誰も彼女の行き先を知る者はいません。 引っ越しの様子を見たという者によれば、「まるで逃げるように、家を出て行った」とのことでした。

愛する人に裏切られた(と思い込まされた)真一郎は、絶望の底で、ただ彼女の名前を呼び続けることしかできませんでした。

【前世から君だけを愛すると誓うよ】32話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、前世の悲恋の真相が明らかになり、あまりの仕打ちに胸が張り裂けそうになる回でした。すべての元凶は、あのメイドの嫉妬と悪意だったのですね。彼女のついた一つの嘘が、純粋な二人の恋を、そして未来を、無残にも破壊してしまいました。

特に、メイドが詩乃に偽りの伝言を告げるシーンは、読んでいて怒りで手が震えました。身分制度という不条理な壁を利用し、人の尊厳を踏みにじるその言動は、決して許されるものではありません。信じていた人に裏切られ、絶望の中で姿を消すしかなかった詩乃の気持ちを思うと、涙が止まりません。

そして、何も知らずに詩乃を待ち続け、彼女が自分を裏切ったと思い込まされてしまった真一郎の絶望もまた、計り知れないものがあります。この悲劇的なすれ違いと誤解が、現世での真司の異常な執着心の根源となっているのでしょう。愛する人を失う恐怖が、彼を狂気へと駆り立てているのだと思うと、この物語の根底にある深い哀しみを感じずにはいられません。

【前世から君だけを愛すると誓うよ】32話のネタバレまとめ

  • 手紙を託されたメイドは真一郎に嘘の報告をし、詩乃が駆け落ちの中止を承諾したかのように見せかけました。
  • メイドは詩乃に対し、真一郎が別の女性と婚約したと嘘を告げ、身分の違いを罵ることで彼女の心を打ち砕きました。
  • 約束の場所に現れない詩乃を心配した真一郎が彼女の家を訪ねると、すでに「逃げるように」引っ越した後でした。
  • 真一郎は詩乃に裏切られたと思い込み、詩乃もまた真一郎に裏切られたと思い込むという、悲劇的なすれ違いが生じてしまいました。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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