【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】10話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】第10話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、会澤の残酷な「ゲーム」によって、ついに殺人の記憶を思い出した悠介。第10話では、その被害者の名前が明らかになると同時に、事件の様相を一変させる衝撃の事実が語られます。悠介は、ただ過去の罪に怯えるだけの存在から、自らの手で謎を解き明かそうとする当事者へと変貌を遂げていくのです。

明かされた被害者の名と、封じられた真実

その名は「一ノ瀬明里」

「俺がこの手で殺した…」。廃校舎の教室で、悠介はよみがえった記憶に打ちひしがれていました。そして、彼が殺害した女性の名前を、絞り出すようにつぶやきます。その名は「明里」 。悠介が「一ノ瀬明里」とフルネームを口にしかけた瞬間、会澤は彼の口を荒々しく塞ぎます 。その場にいたもう一人の被害者、翠に名前を聞かせないためでした 。

恐怖で結ばれる「秘密」の誓い

会澤は、この「ゲーム」の後始末を冷静に進めます。恐怖に怯える翠にカメラを向け、彼女が口外しないための脅迫材料を撮影します 。そして、「今日見たコト聞いたコトされたコト、一生涯胸の内に留めて口外しないコトを誓います」という誓いの言葉を復唱させ、恐怖によって秘密を守らせるのでした 。悪夢のような長い夜が明け、悠介の心には、新たな記憶と共に、前に進むべき道が照らされ始めていました

戻らない日常と、気づいてしまった恋心

悪夢の夜が変えたもの

廃校舎での一夜から一週間が経過しました。学校に戻った悠介ですが、その様子は以前とは全く異なり、魂が抜けたように無気力な日々を送っています 。バイトを辞め、恋人だった環とも別れてしまった彼を、友人たちは心配しますが 、悠介は「なーにくっせぇコト言ってんだ」と、 シニカルな笑みでその気遣いをはねのけてしまうのです 。

環に惹かれた本当の理由

悪夢のような記憶を取り戻したことで、悠介は一つの事実に気づいていました。自分がなぜ環に惹かれたのか。それは、彼女の面影が、自分が殺してしまった女性、明里にどこか似ていたからかもしれない、という残酷な可能性でした 。

恋人だった被害者、深まる事件の謎

「俺と一ノ瀬は付き合っていた」

悠介は、自分が殺した女性が、かつてあれほど非道なイジメの対象だった

一ノ瀬明里であることを思い出します 。しかし、彼の口から語られたのは、さらに衝撃的な事実でした。それは、「一ノ瀬と俺が誰にも知られずに付き合ってたコト」 。いじめていたはずの相手と、実は恋人同士だったという、あまりに矛盾した告白です。

なぜ殺したのか、死体はどこに

この事実は、全てを知っているかのように振る舞っていた会澤にとっても、予想外のものでした。彼は悠介に問いかけます。なぜ、そんな大事な人を殺してしまったのか。そして、その死体は今どこにあるのか、と 。事件の謎は、より一層深いものへと変わっていきます。

痛みを抱えて、次なる手掛かりへ

「私を忘れるコトは許さない」

悠介は、逃げることをやめました 。彼の中には、殺してしまった明里の幻影が、「私を殺したあなたが私を忘れるコトは許さない」と、語りかけてくるような感覚があったのです 。その罪の意識が、彼を過去と向き合わせる原動力となっていました。

彼女の実家へ

そして悠介は、次なる手がかりを掴んでいました。それは、

一ノ瀬明里の実家の場所です 。彼は会澤と共に、事件の真相を解明するため、彼女の故郷へと向かうことを決意します。

まとめ【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】10話を読んだ感想(ネタバレあり)

第10話は、物語の前提を覆す、まさに驚天動地の展開でした。殺した相手が、ただのいじめの被害者ではなく、「秘密の恋人」だったという事実は、この物語を一気に複雑で深みのあるミステリーへと昇華させました。なぜ悠介は愛していたはずの彼女を殺さなければならなかったのか。この新たな謎が、読者の考察意欲を強く刺激します。

これまでは会澤に翻弄されるだけだった悠介が、自らの意志で過去の謎を解き明かそうと決意したことも、大きな変化です。「私を忘れるコトは許さない」という明里の幻影は、悠介にとっての呪いであると同時に、前に進むための唯一の道しるべのようにも感じられました。

悠介と会澤、二人の歪な関係はそのままに、彼らの目的は「記憶喚起」から「事件の真相解明」へとシフトしました。明里の実家で、二人は何を知ることになるのでしょうか。悠介の失われた記憶に隠された、悲しくも恐ろしい真実に、また一歩近づいていく予感がします。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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