【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】12話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】第12話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、被害者である一ノ瀬明里の実家を訪れ、彼女が抱えていた悲しい過去に触れた悠介。第12話では、ついに悠介と明里の間にあった、あまりにも奇妙で歪んだ関係性の全てが、記憶の奔流となって解き明かされます。それは、加害者と被害者という言葉だけでは到底表せない、二人だけの「ゲーム」の記憶でした。

愛と憎しみが交錯する部屋

「好き」と「殺したいほど憎い」

物語は、明里が悠介に「裏でどんなに酷いコトをしてても」「悠介のコト ずっと好きだったんだよ」と告白する、切ない記憶のシーンから始まります。 しかし、現在の明里の部屋では、会澤が「今すぐ刺し殺してやりたいくらい」と、悠介への強烈な憎しみを口にしていました。 会澤は、部屋で見つけたおもちゃのナイフを悠介の背中に突きつけ、彼の心を揺さぶろうとします。

被害者と加害者のサバイバルゲーム

閉ざされた部屋、二人きりのルール

悠介の脳裏に、明里との日々の記憶が鮮明に蘇ります。彼女の家を訪れた悠介を、明里はおもちゃのナイフを手に待ち構えていました。 そして、彼女はこう告げます。「私まだ壊れてないよ」と。 彼女は、悠介に対して二人だけの「サバイバルゲーム」を提案したのです。 そのルールはただ一つ、

「毎日誰もいない時間を見計らって この部屋で二人きりで過ごすコト」それは、被害者と加害者が密室で対峙し続ける、究極の心理戦の始まりでした。

緊張と安らぎの奇妙な同居

悠介は、いつ襲われるかわからないスリルに夢中になり、毎日明里の家に通いました。 しかし、二人が交わすのは、学校の授業のこと、好きな漫画や食べ物のことといった、他愛もない会話ばかりでした。 常に警戒し、いつ襲ってきてもいいように待ち構えていた悠介に対し、明里が攻撃を仕掛けてくることは一度もありませんでした。

悪魔が初めて知った「恋」

芽生えた本当の気持ち

この奇妙な日々を繰り返す中で、悠介の中に変化が訪れます。彼は、生まれて初めて、一人の人間と真剣に向き合っていることに気づいたのです。 そして、歪んだゲームの果てに、彼は明里に恋をし、想いを告白します。

「この悪魔に告白されちゃったよ」

悠介からの突然の告白に、明里は驚きながらも、どこか楽しそうに笑います。 そして、抱いていた猫に向かって、「私 告白されちゃったよ」「あんなにも私を苦しめ続けたこの悪魔に」と語りかけるのでした。 恐怖で始まった二人の関係は、いつしか誰も予想しなかった形へとたどり着いていたのです。

次なる舞台は再び「廃校舎」へ

血痕だけが残る不自然な現場

現在の悠介は、記憶が蘇ったことで、ある違和感に気づきます。自分たちが訪れた廃校舎の殺人現場には、大量の血痕だけが残り、他には何もなかった。 それはあまりに不自然な状況でした。

彼女はそこで待っている

悠介は、何かを確信したかのように、唐突に部屋を飛び出します。そして、「あの廃校舎だ」と、次に向かうべき場所を宣言します。 彼は、**「ユースケに会うために きっとそこに一ノ瀬もいる」**と信じて、再びあの惨劇の舞台へと足を向けるのでした。

まとめ【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】12話を読んだ感想(ネタバレあり)

第12話で明かされた悠介と明里の関係性は、この物語が単なる加害者と被害者の話ではないことを決定づける、あまりにも衝撃的で、そして切ないものでした。被害者である明里が、自ら危険なゲームを仕掛けることで加害者である悠介と対峙し、その心を変えていった。彼女の強さと、その裏にある計り知れない苦しみを思うと、胸が締め付けられます。

そして、人を人とも思わなかった「悪魔」である悠介が、生まれて初めて真剣に他者と向き合い、恋を知るという展開は、非常に心を揺さぶられました。二人の間に芽生えた感情が本物だったからこそ、「なぜ彼は彼女を殺さなければならなかったのか」という謎が、より悲劇性を帯びてきます。

恋に落ちた二人が、なぜあの廃校舎で惨劇を迎えることになったのか。物語の核心に迫る、最も重要な謎が残されました。悠介が信じるように、明里は本当に廃校舎で彼を待っているのでしょうか。全ての答えが眠る始まりの場所へ、物語は再び向かいます。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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