【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】14話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】第14話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、一ノ瀬明里の最後の願いを頼りに、彼女が眠るという廃校舎の花壇を掘り始めた悠介。第14話では、土の下から現れた「現実」を前に、悠介の脳裏に新たな罪の記憶が洪水のように押し寄せます。そして、物語の根幹を揺るጋす、衝撃の事実が明らかになるのです。

掘り起こされた「現実」と向き合う覚悟

愛した人の変わり果てた姿

悠介が掘り進めた先から現れたのは、腐敗が進んだ痛ましい亡骸でした 。その凄惨な光景と臭いに、悠介は思わず嘔吐してしまいます

「誰だって見たくないよねェ 愛した人の腐りかけた姿なんて」 。会澤は、日本の神話を引き合いに出し、冷静に、しかしどこか愉しむようにその光景を眺めていました

全てを無かったことにするか?

目の前の現実にうろたえる悠介に対し、会澤は選択を迫ります。このまま真実を掘り進めるのか、それとも全てを無かったことにして、このまま亡骸を埋め直すのか 。会澤自身もまた、この先に待つかもしれない真実に対し、わずかな恐怖を感じていることを告白するのでした

雨の保健室、罪の記憶

汚された少女の問いかけ

しかし、悠介に選択の余地はありませんでした。目の前の光景が引き金となり、彼の記憶はさらに鮮明な過去を映し出します 。それは、雨の日の保健室。仲間たちと共に明里を輪姦し、**「これで俺も童貞卒業!」**と無邪気に喜ぶ、悪魔だった頃の自分の姿でした 。辱めを受け、汚された明里は、ただ静かに「汚い?」と悠介に問いかけます

「悪魔」と罵ってくれ

どうしたら綺麗になれるのか、と尋ねる明里に、過去の悠介は「毎日ちゃんと歯をみがいてお風呂に入れ」と、あまりに無責任な言葉を返します 。そして、眠る前に必ずお前のことを思い出すから、お前も俺を忘れないようにしろ、と奇妙な約束を交わすのです。悠介は、彼女に「悪魔」と罵ってほしかった。彼女からの断罪こそが、自分の罪を実感できる唯一の手段だと信じていたからです

「お前しかいないんだよ」 。それは、加害者が被害者に救いを求める、歪んだ魂の叫びでした。

花壇に眠っていた「見知らぬ男」

彼女だけが、俺を裁ける

過去の記憶が蘇ったことで、悠介は突き動かされるように、素手で土を掘り始めます 。今の空っぽな自分を、本当に踏みにじっていいと思える相手は、明里しかいない 。彼女に会いたい、彼女に裁かれたいという一心で、彼は無我夢中で土をかき分けます。

「一ノ瀬はドコ行ったんだよ?」

そして、ついに亡骸の全貌が明らかになります。しかし、その姿は悠介の記憶とは全く異なっていました。服装、体格、そのどれもが、

どう見たって男のものだったのです 。悠介が埋めたはずの明里はそこにはおらず、代わりに、見知らぬ男が眠っていました。驚愕の事実に、悠介は「一ノ瀬はドコ行ったんだよ?」と叫ぶことしかできませんでした

まとめ【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】14話を読んだ感想(ネタバレあり)

第14話は、物語の前提を根底から覆す、まさに驚愕の展開でした。保健室での悠介たちの非道な行いは、読んでいて胸が苦しくなるほどでしたが、それ以上に、悠介が明里に「悪魔と罵ってくれ」と懇願するシーンに、彼の歪んだ罪悪感と救いを求める心の闇を感じ、非常に引き込まれました。

そして、何よりも衝撃的だったのはラストのどんでん返しです。悠介が殺し、埋めたはずの相手が、一ノ瀬明里ではなく見知らぬ男だった。この一点だけで、これまで積み上げてきた物語の構図が全て崩れ去りました。悠介の記憶はどこまでが真実で、どこからが偽りなのか。では、彼は一体誰を殺したのか。そして、本当の一ノ瀬明里はどこへ消えてしまったのか。

一つの謎が解けたかと思えば、さらに大きく、深い謎が提示される。この巧みなストーリーテリングこそが、この作品の最大の魅力だと改めて感じました。読者の予想を裏切り続ける展開に、次話が待ちきれません。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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