【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】17話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】第17話をネタバレありでわかりやすく解説する
前回、一ノ瀬明里の行方を探すための罠を仕掛けた悠介の前に、予想だにしなかった人物、シュウが現れました。第17話では、この物語の全ての始まりとなった「最初の復讐者」が、悠介に対して驚くべき言葉を投げかけます。それは、悠介の真実を求める旅路そのものを、根底から揺るがすものでした。
沈黙を破る最初の刃
再会、そして挑発的な第一声
ファストフード店で再会した悠介とシュウ。15分にも及ぶ長い沈黙を破ったのは、シュウからの「もう童貞卒業したか?」という、あまりにも唐突で挑発的な一言でした。その言葉は、二人の歪な関係性が、今もなお続いていることを示しているかのようでした。
会澤の脅しと、シュウの覚悟
悠介は、シュウがなぜここにいるのかを問いただします。実は、シュウは会澤から「これ以上お前を虐めてくれるな」と、悠介に近づかないよう釘を刺されていたのです。しかし、シュウは会澤の警告を無視して、悠介の前に現れました。彼には、復讐とは異なる、別の目的があることを匂わせます。
新たな被害者の名と、否定された「殺人」
「アイツを殺したのも」という言葉の真実
悠介は、シュウがかつて自分を殴った夜に口にした、「アイツを殺したのも」という言葉の真意を問います。しかし、シュウは「テメェが直で誰かを殺るなんてヘマするかよ」と、悠介が直接的な殺人者であることをあっさりと否定するのでした。
沢村の「自殺」
では、あの言葉は何だったのか。シュウは、新たな被害者の名前を口にします。それは、沢村という人物でした。沢村は、悠介たちの「遊び」に耐えきれず、自ら命を絶ってしまったのです。悠介は、直接手を下してはいなくとも、人を死に追いやっていた。その重い事実が、また一つ悠介にのしかかります。
憎しみの矛先と、消えた「悪魔」
俺が心底恐れ憎んでたのは…
「お前は誰だ?」。シュウは、目の前の悠介が、自分の知る「悪魔」とは別人であることに、強い苛立ちと混乱を覚えていました。彼が心底恐れ、憎んでいたのは、どんな非道な行いも遊びとして笑い飛ばし、他者を支配することに喜びを感じていた、かつての悠介の姿でした。
お前はただの斎藤悠介じゃねェかよ
シュウは、今の悠介が、仕事もできず、恋人とのキスにも何ヶ月もかかるような、ただの気弱な高校生にしか見えないと語ります。そして何より、自分の背中にある火傷の痕を、今の悠介が、痛みを理解しようとするかのように、まっすぐに見つめていたことを告白します。シュウは、確信していました。目の前にいるのは「悪魔」ではなく、**「ただの斎藤悠介」**なのだと。
復讐者からの「諦めろ」という懇願
もう何も思い出すな
だからこそ、シュウは悠介に懇願します。 「お前はもう何も思い出すな」
シュウは、悠介が記憶を取り戻すことで、あの恐ろしかった「悪魔」が再び目覚めてしまうことを、誰よりも恐れていたのです。彼は、悠介にこれ以上過去を追わせず、罪の償いは自分が引き受ける、とまで言うのでした。
全てのきっかけだったお前が…
「諦めろ」。その言葉は、悠介にとってあまりにも衝撃的でした。自分の過去を暴き、地獄の始まりを告げた張本人であるシュウが、今度はその全てを忘れろと言っている。この矛盾した言葉に、悠介はどうすることもできず、ただ立ち尽くすしかないのでした。
まとめ【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】17話を読んだ感想(ネタバレあり)
第17話は、シュウというキャラクターの、複雑で人間らしい内面が描かれた、非常に深みのある回でした。彼が悠介に抱いていた感情が、単なる憎しみではなく、恐怖と、そしてどこか歪んだ形での執着であったことが明かされ、彼のキャラクター像が一気に立体的になりました。
特に、今の悠介を「悪魔ではない」と認め、記憶を取り戻すことを止めようとするシーンは、この物語の大きな転換点だと感じます。被害者が加害者の「更生」を認め、過去を封印しようとする。それはある種の赦しのようにも見えますが、同時に、シュウ自身のトラウマから逃れたいという、切実な願いの表れでもあります。
「罪を犯した人間は、記憶を失えば別人と言えるのか」。この物語が投げかける重いテーマが、シュウの葛藤を通して、より鮮明に浮かび上がってきました。悠介に「忘れろ」と告げるシュウと、「思い出せ」と迫る会澤。二人の元被害者の間で、悠介がどちらの道を選ぶのか、目が離せません。
◁前の記事はこちらから

▷次の記事はこちらから



