【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】21話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】第21話をネタバレありでわかりやすく解説する
前回、愛する母を守るため、自ら「悪魔」に戻ることを決意した悠介。第21話では、その決意が試されるかのように、新たな復讐者たちが彼の前に現れます。しかし、彼らが対峙することになったのは、記憶を失った無力な少年ではなく、かつての恐怖の支配者、そのものでした。
動き出す新たな復讐者たち
悪魔の下僕だった者たちの後悔
物語は、深夜の倉庫に集まる三人の若者たちの場面から始まります。彼らは、かつて悠介の仲間として、彼の悪行に加担していた者たちでした。しかし、今では会澤の命令によって、悠介の「犯人捜し」に付き合わされており、「夏休み返上しての毎日」に不満を漏らしています。彼らの姿からは、虎の威を借る狐だった過去と、現在の哀れな状況がうかがえます。
「今度はお前たちが狩られる番だ」
そんな彼らの前に、一人の眼鏡をかけた青年が現れます。彼もまた、かつて悠介たちによって地獄を見た被害者の一人でした。彼は、悠介が記憶を失い、力をなくしたという噂が、被害者たちの間に既に知れ渡っていることを告げます。そして、力関係が逆転した今、**「今度は お前たちが 僕らに 狩られる番だ」**と、復讐の開始を宣言するのでした。
目には目を、復讐のハンムラビ法典
かつての悪魔は、ただの人間に
場面は移り、悠介は新たな復讐者たちによって拉致され、廃倉庫のような場所にいました。眼鏡の青年、三田村は、記憶を失った悠介を「かつて悪魔と呼ばれた男は人間に成り下がった」と嘲笑います。彼は、悠介の「思い出探し」に協力してやると言い、歪んだ笑みを浮かべるのです。
我が身を貫く狂気の復讐宣言
三田村は、世界史で学んだという「ハンムラビ法典」を持ち出します。「目には目を 歯には歯を」。彼はその言葉を体現するかのように、おもむろに金槌を手に取り、自らの足に釘を打ち付けます。過去に受けた屈辱と痛みを、そのまま悠介に返すという、狂気に満ちた復讐の儀式の始まりでした。
悪魔のゲーム、再開
蘇る、妹を辱めた記憶
三田村の狂気的な行動を目の当たりにした悠介の脳裏に、彼に対して犯した罪の記憶が蘇ります。それは、三田村の目の前で彼の妹を慰み者とし、さらにその光景を前にして、三田村本人にも自慰行為を強要するという、あまりにもおぞましい凌辱の記憶でした。
「はい、次そっちのターン」
しかし、今の悠介は、ただ恐怖に震えるだけの少年ではありませんでした。彼は、おぞましい記憶を思い出してもなお、「さっぱり記憶にねーわ」と、不敵な笑みを浮かべます。そして、怯える三田村の仲間の一人に金槌を差し出し、こう告げるのです。
「ってことではい 次 そっちのターン」
悠介は、三田村が用意した復讐の舞台を、いとも簡単に乗っ取り、自分自身の新たな「ゲーム」の場へと変えてしまいました。それは、記憶が無くても悪魔は悪魔だという事実を、その場にいる全員に知らしめる、戦慄の瞬間でした。
まとめ【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】21話を読んだ感想(ネタバレあり)
第21話は、悠介の「悪魔」への完全な回帰を描いた、息をのむような回でした。三田村という新たな復讐者の登場と、彼の自傷行為も厭わない狂気には、これまでにない直接的な恐怖を感じました。
しかし、それを上回る恐怖を感じさせたのは、悠介の反応です。普通なら恐怖で竦みあがるような状況で、彼は冷静に、そして楽しむかのように、その場を支配してしまいました。彼が三田村の仲間に金槌を渡すシーンは、彼がもはや過去の罪に怯えるだけの存在ではなく、その狂気すらも利用して状況をコントロールする、真の支配者であることを示しています。
悠介は、大切なものを守るために「悪魔」になることを選びましたが、それはもはや仮面などではなく、彼自身の一部として完全に覚醒してしまったのかもしれません。復讐者と悪魔の、先の読めない狂気のゲーム。物語は、新たなステージで、さらに危険な領域へと足を踏み入れました。
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