【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】22話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】第22話をネタバレありでわかりやすく解説する
前回、新たな復讐者・三田村に対して、悠介は悪魔の片鱗を見せつけ、その場の主導権を握りました。第22話では、三田村がなぜこれほどまでに悠介を憎むのか、その原点である、あまりにも悲惨な過去が明かされます。そして、復讐に燃える兄妹の前に、完全に覚醒した「悪魔」が、その冷酷な本性を現すのです。
守りたかった妹、守れなかった兄
三田村兄妹の過去
物語は、復讐者・三田村の回想から始まります。人見知りだった一つ下の妹・陽子。彼は、そんな妹をいじめから守ることが、兄である自分の役目だと信じていました。「この子は僕が守り続けなきゃって…」。その想いは、彼にとっての全てでした。
目の前で踏みにじられた尊厳
しかし、その想いは、悠介という「悪魔」によって、無残にも踏みにじられます。三田村は、自分の目の前で、大切な妹が悠介たちに凌辱される光景を、ただ無力に見ていることしかできませんでした。悠介は、そんな彼をあざ笑うかのように、どちらが先に果てるかという、狂った「勝負」を仕掛けてくるのでした。
復讐の連鎖、新たな「悪魔退治」
「私も悪魔退治、協力するから」
事件の後、陽子は兄である三田村に、悠介が記憶喪失になったことを告げます。しかし、彼女は絶望していませんでした。それどころか、**「私も悪魔退治、協力するから」**と、兄と共に復讐を遂げることを誓うのです。彼女は、打ちひしがれる兄を信じ、支えようとしていました。
最も効果的な罰
陽子は、悠介の母親が襲われた事件を引き合いに出し、復讐の哲学を語ります。自分が傷つくよりも、自分のせいで大切な誰かが傷つけられる方が、何倍も辛い。だからこそ、悠介にも同じ痛みを与えなければならない。それが、彼女たち兄妹がたどり着いた、復讐の方法論でした。
悪魔が嘲笑う、正義の脆さ
鏡合わせの残虐劇
場面は現在の倉庫に戻ります。三田村と陽子は、かつて自分たちが受けた仕打ちを、悠介の元仲間たちに、そっくりそのまま再現していました。兄が暴行される姿を、その妹に見せつける。それは、彼らが受けた地獄の完全な再現でした。
「人間ごときが悪魔を退治しようだなんて」
しかし、その光景を前に、悠介は恐怖も罪悪感も示さず、ただ静かに笑うだけでした。「何を虫のいいコトほざいてんだよ バーカ」。悠介にとって、三田村の行いは、正義の鉄槌などではなく、ただの滑稽な模倣に過ぎませんでした。彼は、三田村の復讐ごっこが、かつて自分が植え付けた恐怖と憎悪の「封印を解いただけ」だと断じます。その言葉に、三田村は完全に心を折られ、自分の行いが身の程知らずであったことを悟り、泣き崩れるのでした。そして、悠介は冷たく言い放ちます。
「人間ごときが悪魔を退治しようだなんて」
まとめ【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】22話を読んだ感想(ネタバレあり)
第22話は、復讐という行為の虚しさと、本物の「悪」の恐ろしさを、まざまざと見せつけられる回でした。三田村兄妹の悲しい過去と、それでも立ち上がろうとした復讐への決意には、同情を禁じえません。しかし、彼らが選んだ方法は、結局のところ、悠介たちがかつて行ったことと同じ、暴力の連鎖でしかありませんでした。
そして、その復讐劇を、文字通り一蹴した悠介の姿には、底知れない恐怖を感じました。彼は、三田村の正義感を「虫のいいコト」と断じ、その心を完膚なきまでに破壊してしまいます。これは、彼がもはや罪悪感に苛まれる人間ではなく、他者の感情すらも利用する、完全な「悪魔」へと回帰したことを示しています。
人間が悪魔を倒そうとすれば、自分もまた悪魔にならざるを得ないのか。この物語が突きつける、重いテーマに深く考えさせられました。復讐者たちを退けた悠介が、次は何を考え、どう行動するのか。彼の動向から、ますます目が離せません。
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