【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】25話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】第25話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、悠介を想うがゆえに、彼の元へと戻ってきた環。第25話では、彼女の揺るぎない愛情が、悠介が被った「悪魔の仮面」に、真正面から挑みます。それは、悠介の魂を救うための、あまりにも健気で、そして壮絶な愛の告白でした。

悪魔への証明、少女の覚悟

「邪魔なんだよ、お前が」

「一人で全部抱え込もうとしなくていいから」。自分を支えようとする環の優しさに対し、悠介は「やめろ!!」と彼女を突き放します。悪魔に戻った自分にとって、彼女の存在はもはや「邪魔」でしかない。そう言って、悠介は必死に彼女を遠ざけようとしました。

「私を犯してみせてよ」

しかし、環は悠介の嘘を見抜いていました。「悠介は悠介のままだよ」「悪魔になんてなれっこない」。そう言って涙を流す彼女は、信じられない行動に出ます。自ら服を脱ぎ、下着姿になって悠介の前に立つと、こう告げたのです。

「もし本当に自分が悪魔だって言い張るなら 私にその証を見せて」 「私を犯してみせてよ 悪魔なんでしょ?」

彼女は、悠介の人間性を信じ、自らの身を賭けて、彼が悪魔ではないことを証明させようとしたのです。

崩れ落ちた悪魔の仮面

偽りの牙と、本物の涙

環の挑発に、悠介の中の何かが切れました。「ヤッてやるよ…」。そう言って彼女に掴みかかる悠介。しかし、彼の牙は偽りでした。彼は環を傷つけることなどできず、その場に崩れ落ち、子供のように泣きじゃくります。

「何でそうまでして俺に関わろうとする!」

悠介は、自分の罪を叫びます。「俺は加害者なんだぜ?」。記憶があろうとなかろうと、自分が犯した罪は事実だ。そんな救いようのない悪魔なんかのために、なぜお前はそこまでするんだ、と。それは、自分を救おうとする環の優しさに対する、彼の悲痛な問いかけでした。

好きだからだよ、ただそれだけ

環の、揺るぎない告白

そんな悠介の問いに、環は涙ながらに、そして笑顔で答えます。

「やっぱりあなたが大好きだからだよ」 「私が初めて出会ってから今日まで一緒に生きてきたあなたがね」

彼女が愛しているのは、過去の「悪魔」ではなく、記憶を失ってから出会い、共に過ごしてきた、目の前の「斎藤悠介」でした。その揺るぎない告白に、悠介もまた、堰を切ったように涙を流します。

二人が初めて流した、本当の涙

次の朝、悠介が目を覚ますと、隣には環が眠っていました。二人は、ぎこちなくも温かい朝を迎えます。悠介の不器用さを笑う環。彼女もまた、初めての経験だったことを知り、照れる悠介。それは、二人が全ての壁を取り払い、本当の意味で結ばれた瞬間でした。

波の音が聞こえる、見知らぬ部屋

幸せな朝…と、謎の転換

しかし、その幸せな朝の光景は、突如として切り替わります。悠介が気づくと、彼は見知らぬ部屋に一人でいました。どこからか、波の音が聞こえてきます。先ほどの環との温かい時間は、まるで夢だったかのようです。一体、悠介の身に何が起きたのでしょうか。

まとめ【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】25話を読んだ感想(ネタバレあり)

第25話は、息をのむような感情の応酬が繰り広げられた、シリーズ屈指の神回だったと思います。環が見せた、愛する人の本質を信じ抜く覚悟と強さには、ただただ胸を打たれました。彼女の「私を犯してみせてよ」というセリフは、一見すると無謀ですが、悠介の良心を信じきっているからこそ言えた、究極の愛の言葉だと感じます。

そして、その愛によって、悠介の被っていた悪魔の仮面が崩れ落ちるシーンは、カタルシスに満ちていました。しかし、その感動的な結末を、ラスト1ページで根底から覆す作者の手腕には、今回も驚かされました。幸せな朝は、夢だったのか。それとも、悠介は何者かによって、別の場所へと連れ去られてしまったのか。一筋の光が見えたかと思った矢先に、読者は再び、深い謎の海へと突き落とされます。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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