【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】30話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】第30話をネタバレありで解説する

前回、全ての記憶を取り戻した悠介。第30話では、彼が環に、失われた記憶の全てを語り始めます。それは、中学卒業を機に、彼が計画した、自らの人生を白紙に戻すための、壮大で、あまりにも身勝手な「リセット」計画の全貌でした。

卒業、そして「悪魔」の贈り物

完璧な優等生の卒業式

物語は、悠介の中学の卒業式から始まります。彼は、友人や後輩たちに囲まれ、誰もが羨む人気者として、輝かしい「表の顔」を完璧に演じきっていました。そして、彼は一人、一ノ瀬明里の元を訪れます。

全ての「玩具」が収められた卒業アルバム

悠介は、明里に一冊の卒業アルバムを手渡します。そこには、本来載るはずのない、自分たちが原因で退学や転校に追い込まれた、全ての被害者たちの顔写真が収められていました。「誰一人として外せねーよ」。その言葉は、彼ら全員が自分の「玩具」であったことを再確認させる、最後の支配の証のようでした。

高校デビュー計画、その名は「リセット」

「遊び」の終わりと、新たなキャラメイク

悠介は、明里に自らの計画を語ります。中学時代、幼稚なガキ共を相手にしていた「遊び」は、高校ではリスクが高すぎる。だから、**「今日でリセット」**するのだ、と。彼は、これまでの悪魔としての自分を完全に捨て去ることを決めていたのです。

平穏で幸せな日常を手に入れるのさ!

そして、悠介は、自らが思い描く輝かしい未来を語ります。「新天地では新たにキャラメイクした斎藤悠介で」「平穏で幸せな日常を手に入れるのさ!」。新しいフレンズと放課後を過ごし、部活に汗を流し、恋愛イベントも欠かさない。彼の全ての悪行は、この完璧な「普通の高校生活」を手に入れるための、壮大な布石に過ぎなかったのです。

「さよなら」と、地獄の始まり

罪悪感という名の楔

明里は、悠介の独白を聞き、これが、自分が打ち込もうとした「罪悪感という名の楔」なのか、と心の中で呟きます。悠介は、それを嘲笑うかのように、彼女に最後の別れを告げます。「さよなら」。二人の長すぎた「サバイバルゲーム」が、終わりを告げた瞬間でした。

待ってたのは地獄だったよ

悠介は、計画通りに、誰にも行き先を告げずに、現在の町へと引っ越してきました。悪魔の皮を脱ぎ捨て、ピースフルでハッピーな高校生活をスタートさせた。そう、思っていました。

「待ってたのは地獄だったよ」

現在の悠介は、環にそう語ります。彼の完璧な「リセット」計画は、謎の記憶喪失によって、開始直後に破綻していたのです。平穏な日常を手に入れるはずだった彼の前には、終わりのない地獄が待っていました。

まとめ【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】30話を読んだ感想(ネタバレあり)

第30話で、ついに悠介の過去の物語が、一つの区切りを迎えました。彼の行動原理が、ただの快楽やサディズムではなく、「完璧な普通の日常」を手に入れるための、恐ろしく計算された計画の一部だったという事実には、改めて戦慄しました。彼は、本物のサイコパスであり、その思考回路は、常人には到底理解が及びません。

そして、彼の完璧な計画が、謎の「記憶喪失」によって、いとも簡単に崩れ去っていたという皮肉。これは、運命のいたずらなのか、それとも、彼の罪に対する天罰だったのでしょうか。

悠介の口から、全ての物語が語られました。しかし、謎は、さらに深まっています。なぜ、彼は記憶を失ったのか。花壇に埋められていた男は誰なのか。そして、全ての鍵を握るであろう一ノ瀬明里は、今どこにいるのか。物語は、過去編を終え、いよいよ、失われた半年間の謎を解き明かす、新たなステージへと突入します。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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