【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】4話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】第4話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、主人公・悠介の自宅にまで現れた「親友」を名乗る復讐者、会澤陽二郎。第4話は、その異常な状況から幕を開けます。悠介の聖域である家庭にまで入り込んだ会澤は、悠介の罪を静かに、しかし執拗に暴いていきます。そして、彼の口から語られるのは、単なる復讐とは異なる、歪んだ目的でした。物語の歯車が、また一つ大きく、そして不気味に回り始めます。

食卓に潜む悪意

「親友」が語る凄惨な「事故」

物語は、悠介、その母親、そして会澤が食卓を囲むという、信じがたい光景から始まります 。内心では「何でコイツが隣にいるんだ?」とパニックに陥っている悠介をよそに、会澤は完璧な好青年を演じます 。悠介の母親が作ったカレーを、「やっぱりおばさんの作るカレーの味が一番ですね」と満面の笑みで絶賛し、すっかり彼女の心を掴んでしまうのです

和やかな雰囲気の中、悠介の母親は会澤の掌にある痛々しい穴について尋ねます。すると会澤は、悲しげな表情で事の顛末を語り始めます。きっかけは、中学1年生の工作の時間に、誤ってドリルで手を開けてしまったこと 。そして、その様子を見ていた「友達」が、「その穴…どこまで大きくできっかな?」と興味を持ち、

それから毎日、無理やり穴を少しずつ広げられていったというのです

単なる事故ではなかったその凄惨な告白に、母親は言葉を失います 。隣で聞いている悠介は、その「友達」が過去の自分であることを悟り、血の気が引くような思いをします。

卒業アルバムが開く地獄の記憶

明かされる残虐非道な行いの数々

夕食後、悠介の部屋で二人きりになった会澤は、卒業アルバムを片手に、悠介の忘れた過去を「思い出させて」いきます 。この数日間、次々と現れる復讐者に困惑しきっていた悠介は、ついに感情を爆発させます。「いきなり身に覚えのねえ過去の悪行並べ立てられて」「俺は他にどんなバカやらかしたってんだコラァ!!!!」

その叫びに応えるかのように、会澤は淡々と、しかし詳細に、悠介が犯してきた罪の数々を語り始めます。

  • 北条麻美と和久井由真: 彼女たちをカメラで脅し、言うことを聞かせた末、二人をビッチへと変貌させ、しまいには他の女子生徒への淫行を率先して行わせるまでに至ったこと 。
  • 一ノ瀬明里: 唯一なびかなかった彼女に対し、毎日執拗に関係を迫り、無理やり孕ませ、中絶させたこと。その結果、彼女は自殺未遂を起こし、学校を自主退学していったこと 。

他人事のように響く自分の罪

あまりにもおぞましい過去の悪行の数々。それを聞いた悠介は、「自分が最低のゲスってことはよくわかった」と、知性では理解します 。しかし、彼にはその記憶がありません。そのため、どれほど悲惨な話を聞かされても、**「なんっっっにも思い出せねーわ」「全部 他人事にしか聞こえねえ」**と、感情が全く追いつかないのです 。この、罪の意識を実感できないという事実が、悠介をさらに苦しめることになります。

復讐者ではない、会澤の真の目的

復讐の矛先は、愛する人へ

会澤は、悠介に冷酷な現実を突きつけます。もし、シュウをはじめとする他の復讐者たちが、今の悠介が記憶を失った「ただの抜け殻」だと知ったら、どうなるか 。彼らの憎しみの矛先は、悠介本人だけでは済まなくなる。「家族や…恋人」「君を取り巻く全てを復讐の波で押し流すだろう」と、会澤は警告するのです

俺を「守る」という奇妙な提案

この言葉を聞いた悠介は、奇妙な違和感から一つの答えにたどり着きます。会澤の目的は、シュウのような単純な復讐ではない。彼の狙いは、悠介の「記憶そのもの」、そしてその記憶のさらに奥にある「何か」

悠介は、会澤の真の目的を看破します。

「その何かを再び取り戻すまでは…」「お前は俺を他の復讐者の手から守る必要がある」 。会澤は、悠介が記憶を取り戻すその瞬間まで、彼を他の復讐者から守るボディーガードの役割を自ら買って出るつもりだったのです。

悪魔と交わした契約

「君の中の悪魔は悪魔のままだ」

自分の真意を見抜かれたことに、会澤は「スゴイ!すごいよユースケー」と、心から感心したように笑います 。そして、記憶を失っていてもなお、その思考の鋭さや動じない精神力を持つ悠介を指し、「君の中の悪魔は悪魔のままだ」と評価するのです

親友に戻り、協力し合おう

そして会澤は、悠介に恐ろしい提案を持ちかけます。「てことで親友だった頃に戻って お互い協力し合おうじゃないか」 。会澤は悠介の現在の生活を守る、その代わり、悠介は失われた過去を取り戻すために協力する。それは、あまりにも歪んだ、悪魔との契約でした。

選択の余地などない。悠介は、この歪んだ協力関係を受け入れます。しかし、それは安堵などではなく、

「本物の悪魔」に全てを委ねるという、新たな地獄の始まりに他なりませんでした

まとめ【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】4話を読んだ感想(ネタバレあり)

第4話は、息を呑むような心理戦と、胸が悪くなるほどの残虐な過去の暴露が交錯する、非常に濃密な回でした。特に、和やかな食卓で語られる、会澤の掌の穴にまつわるエピソードは、日常に潜む狂気を描き出していて、背筋が凍るような思いがしました。

そして、卒業アルバムによって明かされた悠介の罪の数々は、想像を絶するものでした。特に一ノ瀬明里さんの話は、ただただ痛ましく、過去の悠介が決して許されてはならない、本物の「悪魔」であったことを決定づけるものでした。しかし、それを「他人事」としか感じられない現在の悠介の苦悩もまた、リアルに伝わってきます。

この物語の巧みさは、会澤のキャラクター造形にあると感じます。彼が単なる復讐者ではなく、悠介の「記憶の奥にある何か」を目的とする、より複雑で狡猾な存在であることが明かされたことで、物語は一気に深みを増しました。彼が悠介に協力するという「悪魔の契約」は、今後の展開に計り知れない緊張感をもたらすでしょう。

悠介は、自らの罪と向き合うため、最も危険な男と手を組むことになりました。これは救いなのか、それとも更なる地獄への入り口なのか。会澤が求める「何か」とは一体何なのか。謎が深まるばかりで、次回の展開が待ちきれません。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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