【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】5話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】第5話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、悠介の自宅にまで上がり込み、彼と奇妙な「協力関係」を結んだ会澤陽二郎。第5話では、その歪んだ「親友ごっこ」が本格的に始まります。会澤は、悠介に失われた記憶を思い出させるため、常軌を逸した「ショック療法」と、巧みな心理的揺さぶりを仕掛けてきます。そして、悠介の脳裏に初めて蘇るのは、血に濡れた衝撃的な光景でした。

公園での奇妙な「親友」ごっこ

愛ゆえの平手打ちと、悪意のハンマー

会澤に呼び出され、公園で待っていた悠介 。彼の頬には、くっきりとした平手打ちの跡が残っています 。それを見た会澤は、まるで親友を心配するかのように「どうしたのその顔!」「もしかして彼女にフラれたとか?」と、無邪気さを装いながらも、ねちっこく問い詰めます

悠介が環(たまき)を傷つけたくない一心で、彼女をフッたのだと察した会澤は 、「愛する彼女に危害が及んでほしくはないものねえ」と囁きながら、悠介の「親友」としての立場を強調します 。そして、悠介が「その見返りに俺はどうすりゃいいんだっけ?」と契約内容を確認した次の瞬間、会澤は隠し持っていた巨大な木槌を、悠介の頭に容赦なく振り下ろすのです

「どう?ショックで何か思い出した?」 。これは、会澤による常軌を逸した「ショック療法」の始まりでした。


「遊び」のルールと「必須アイテム」

リンチ、レイプ、拷問…それが僕らの「思い出」

あまりの理不尽さに激昂する悠介に対し、会澤は悪びれる様子もなく、「悠介の失った記憶を取り戻す」「どんな手を使っても」というのが自分たちの契約だと再確認させます 。そして、「俺が悪魔だったってこと以外に何が!?」と叫ぶ悠介に、自分たちが共有していた「ただの思い出さ」の内容を語り始めます

会澤によれば、二人は思いつく限りの「遊び」を全てやってきた仲でした 。その「遊び」とは、

リンチ、レイプ、拷問といった、おぞましい行為の数々を指していたのです

弱みを握る「物証」という名の諸刃の剣

会澤は、そんな非道な「遊び」を続けるためには、

必須アイテムが必要だったと説明します 。それは、被害者の弱み、つまり**写真やビデオといった「物証」**でした 。これを押さえておくことで、被害者は警察に訴え出ることができなくなるのです

しかし、会澤はその危険性も指摘します。被害者の弱みである物証は、同時に自分たちの弱みでもある 。もしそれが外部に流出すれば、自分たちの人生も「ゲームオーバー」になる、諸刃の剣だったのです 。悠介は、その重要な物証を過去の自分が管理していたのではないかと推測しますが 、会澤は「さあ?」とはぐらかすばかりです


守るべきものへの脅迫

四六時中、君の彼女を見守っている

過去の悪行を聞かされても、記憶がない悠介には危機感が湧きません 。そんな彼に対し、会澤は切り札を切ります。取り出したスマホの画面に映っていたのは、他でもない、

悠介の彼女である環の隠し撮り写真でした

会澤は、「君を取り巻く全てを復讐から守るって契約でしょ?」と言い、

四六時中、彼女を見守っているのだと告げます 。そして、「やっぱりやめちゃおっかなー」と、その「保護」を放棄することを匂わせ、悠介の唯一の弱点を的確に突いてくるのです


蘇る殺意の光景

「俺は人を殺したのか?」

守るべき存在である環を人質に取られたことで、悠介は初めて本気の恐怖と怒りを覚えます。その強い感情の揺さぶりが引き金になったのか、彼の脳裏に、断片的ではありますが、鮮明な光景がフラッシュバックします。

それは、

誰もいない古い木造校舎で、ナイフを握りしめ、何度も何度も肉を突き立てる感触と、飛び散る血の記憶でした 。あまりに生々しい殺意の光景に、悠介は思わず会澤に問いかけます。「俺は人を殺したのか?」と

「思い出の場所」へ

悠介の中にまだ「思い出」が残っていることを確認した会澤は、満足げに微笑みます 。そして、「じゃあこれから早速行くとしようか」「麗しき記憶に残る思い出の場所に…」と、悠介を地獄巡りの次なるステージへと誘うのでした

まとめ【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】5話を読んだ感想(ネタバレあり)

第5話は、悠介と会澤の歪な関係性がより具体的に、そして暴力的に描かれた回でした。特に、会澤が木槌で悠介を殴るシーンは、彼の狂気と、この「協力関係」が決して対等なものではないことを見せつける、象徴的な場面だったと感じます。

また、彼らの「遊び」のルール、すなわち物証による脅迫という手口が明かされたことで、物語にサスペンスの要素が加わりました。悠介が失った記憶には、ただ罪の記憶だけでなく、自分たち自身の破滅につながりかねない「証拠」の在り処も含まれている。この設定が、会澤が悠介に執着する理由に説得力を持たせています。

そして、何よりも衝撃的だったのは、悠介の初めてのフラッシュバックです。血と暴力に満ちたその光景は、彼の過去が我々の想像をはるかに超えるおぞましいものであることを確信させました。「俺は人を殺したのか?」という問いは、悠介自身の心の叫びであり、読者の疑問そのものでもあります。

最愛の彼女を人質に取られ、ついに過去の断片を垣間見てしまった悠介。会澤に導かれるままに向かう「思い出の場所」で、彼は一体何と対面することになるのでしょうか。恐怖と謎が加速する展開に、ページをめくる手が止まりません。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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