【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】7話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】第7話をネタバレありでわかりやすく解説する
前回、悠介と会澤は、悠介の血塗られた記憶の現場である廃校舎の教室にたどり着きました。第7話では、記憶を思い出せない悠介に対し、会澤の苛立ちが爆発します。そして、悠介の記憶をこじ開けるため、会澤はあまりにも残酷で非道な「ゲーム」の開始を宣言するのでした。
焦燥と嘲笑、歪んだ「親友」関係
ゲームオーバーの恐怖
目の前の血痕が、自分の犯した殺人という現実を突きつけているにもかかわらず、何も思い出せない悠介。その様子に、会澤は「何せボクらはいつも仲良くつるんでゲームを楽しんでた…“親友”なんだからさぁ!!!!!!」と叫びながら、彼の頭を床に押さえつけます 。
会澤の焦りには理由がありました。この殺人の事実が公になれば、中学時代の悪行の数々も明るみに出てしまうかもしれない。そうなれば、悠介だけでなく、共犯者である自分も一緒に「ゲームオーバー」になってしまうからです 。悠介の記憶喪失は、今や会澤自身にとっても命取りになりかねない「ミス」だったのです 。
「殺したのはお前だ」と笑う男
床に倒れ込み、あまりの状況に「俺だっていっぱいいっぱいなんだよ」と悲鳴を上げる悠介 。しかし、会澤はその姿を見て「あははは」と楽しげに笑い始めます 。そして、「そうやってると悠介が殺されたみたいだね」「実際は真逆なのにね」と、残酷な事実を嘲笑うかのように口にするのでした 。
事件の核心「X」の正体
自首を阻む悪魔の脅迫
この地獄から逃れるように立ち去ろうとする悠介を見て、会澤は彼が自首するつもりだと勘違いします 。そして、悠介の前に立ちふさがり、冷たい声で脅迫します。
「その時は他の誰より先に ボクが君を捻りつぶす」
会澤にとって、悠介が罪を償うことなど、つまらないゲームの放棄でしかありません。彼の目的は、あくまで悠介に全ての記憶を取り戻させることでした。
失踪と共に消えた「証拠品」
会澤は、「作戦会議室」であったこの教室で、事件の全体像を整理し始めます 。
- 事の発端は、1年前の春に起きた悠介の突然の失踪 。
- 悠介は、彼らが保管していた数々の悪事の**「証拠品」と共に行方をくらました** 。
- 半年後に発見された時、悠介にはこの教室で誰かを刺殺した記憶だけが残っていた 。
- そして、その記憶を証明するかのように、床には大量の血痕が残されていた 。
会澤は結論付けます。この事件の全ての謎を解き、失われた記憶を取り戻す鍵は、悠介が殺した
被害者「X」の正体を思い出すことだと 。
残酷な記憶喚起の「ゲーム」
「百聞は一見にしかず」
悠介が「自分が殺した奴のことなんて思い出したくねー」と抵抗していると、突然、教室にカップルがやってきます 。廃校舎をラブホ代わりに使おうとしていた彼らの出現に、会澤は「百聞は一見にしかずって言うしね!」と不気味に微笑みます 。これは、彼にとってまたとない記憶喚起の「実験」の機会でした。
楽しい楽しいゲームの時間だよ
会澤は、カップルの男性である巧平を、有無を言わさず殴り倒します。そして、怯える女性と、気を失った巧平を前にして、悠介にこう告げるのです。
「楽しい楽しいゲームの時間だよ」「今回は君が好きだったエロゲーだ」
ただ話を聞かせるだけでは無駄だと悟った会澤は、悠介が過去に好んでいたという「ゲーム」を、今まさに目の前で再現させようとしていたのです。それは、悠介を過去の罪の当事者へと引きずり戻す、あまりにも残酷な儀式の始まりでした。
まとめ【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】7話を読んだ感想(ネタバレあり)
第7話は、これまでの物語の中でも特に緊張感と嫌悪感が際立つ回でした。会澤の悠介に対する態度が、歪んだ「親友」から、完全に自分本位な「調教師」へと変わっていく様子が恐ろしかったです。彼の焦りは、悠介のためではなく、全て自分の身を守るため。その利己的な動機がはっきりと描かれたことで、彼のキャラクターの底知れなさがより一層際立ちました。
また、事件の謎が「被害者Xは誰か」という一点に集約されたことで、物語のミステリー要素が深まりました。悠介の失踪、殺人の記憶、そして消えた証拠品。これらがどう繋がるのか、考察が捗ります。
しかし、何と言っても衝撃的だったのはラストシーンです。罪のないカップルを巻き込み、悠介に過去の「ゲーム」を強制的に追体験させようとする展開は、あまりにも悪趣味で、読んでいて息が詰まりました。これは、記憶を取り戻すための「手助け」などではなく、ただのサディスティックな見世物です。この地獄のゲームに、悠介はどう立ち向かうのか。それとも、かつての「悪魔」が再び目覚めてしまうのか。最悪の形で始まった記憶喚起の儀式が、どんな結末を迎えるのか、目が離せません。
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