【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】9話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】第9話をネタバレありでわかりやすく解説する
前回、会澤によって「見知らぬ女性を犯す」か「恋人・環がレイプされるのを鑑賞するか」という、あまりにも残酷な選択を突きつけられた悠介。第9話は、その地獄の選択から始まります。愛する人を守るため、悠介が下した悲痛な決断。その極限の精神状態が、ついに彼の固く閉ざされた記憶の扉をこじ開けることになります。
悪魔との契約交渉と無慈悲な宣告
守るはずの契約、破られる約束
「話が違うだろ!!!!」。悠介は、会澤に掴みかかり必死に訴えます。二人の契約は、悠介の周囲の人間、もちろん環のことも「守る」というものだったはずです 。その環を人質に取るなど、契約違反だと悠介は叫びます。
しかし、会澤はそんな悠介の訴えを「命令だ」の一言で冷たくあしらいます 。そして、「結局どーするの?」と、1分の猶予を与え、再び選択を迫るのでした 。悠介がこの場で翠を犯さないのなら、会澤は環が襲われる様子をライブ中継する。その宣告に、悠介は絶望の淵に立たされます 。
愛する人を守るための「別れ」
苦渋の決断、言えない本当の理由
場面は、悠介が環に別れを告げる、少し前の時間の回想シーンに移ります。「何かちょっと面倒臭ぇコトになったから」。悠介は、本当の理由を告げられません 。ただ、彼女をこれ以上危険な目に遭わせないために、突き放すことしかできなかったのです。
「記憶の穴埋めのためにだけに、私と付き合ってたのかな?」。環の悲しい問いかけが、悠介の胸に突き刺さります 。彼女は、悠介の身に何か大変なことが起きているとは知らず、ただただ彼の心変りを悲しむしかありません。
これでいい、と自分に言い聞かせて
涙を流す環は、最後に「チューでもしちゃう?」と、二人が付き合うきっかけになった時と同じ言葉を口にします 。悠介はそのキスに応えることなく、走り去る彼女の後ろ姿を見送ります。そして、「これでいい」「これで環が巻き込まれることはなくなる」と、自分に言い聞かせるのでした 。
地獄の選択、そして記憶の奔流
環のために、見知らぬ誰かを犠牲に…
回想が終わり、悠介は廃校舎の教室で、ついに決断を下します。彼は縛られた翠に近づき、「そこの机に寝そべって」「股開け」と、震える声で命じます 。その心の中は、ただ一つの思いで満たされていました。
「しかたねぇだろ こうしなきゃ環が…」 。
彼は、愛する環を守るため、見ず知らずの女性を犠牲にするという、地獄の道を選んだのです。
「俺が、この手で殺した」
悠介が翠の衣服に手をかけた、その瞬間。彼の脳裏に、強烈なイメージが流れ込みます。目の前の翠の顔が、愛する環の顔と重なって見えたのです 。守ろうとしたはずの環を、今まさに自分の手で汚そうとしている。その矛盾した状況が、彼の精神を限界まで追い込みました。
「うわあああああああ!!!」。悠介は絶叫し、頭を抱えて崩れ落ちます 。
そして、会澤の「何を思い出したの?」という問いかけに、ついに答えます 。
「1年前 俺がアイツをココに呼び出して殺したんだ」「この手で殺した」
会澤の狙い通り、極限のストレスは、悠介の失われた殺人の記憶を、完全な形で呼び覚ましたのです。
まとめ【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】9話を読んだ感想(ネタバレあり)
第9話は、読んでいて胸が張り裂けそうになる、非常に辛い回でした。特に、悠介が環を守るために、苦しみながら別れを告げる回想シーンは、彼の現在の優しさと誠実さが伝わってくるだけに、その後の彼の選択がより一層重く、悲劇的に感じられます。
会澤の非道なやり口には、もはや怒りすら通り越してしまいました。人の善意や愛情を巧みに利用し、それを最も残酷な形で踏みにじることで相手を追い詰める様は、まさに悪魔そのものです。
そして、ついに殺人の記憶を取り戻した悠介。極限状況下での記憶の回復という展開は、非常に説得力があり、物語に一気に引き込まれました。「俺が殺した」と自覚した彼の表情は、これまでの困惑した顔とは全く違う、絶望と罪の意識に満ちています。
ついに、物語の核心である「殺人事件」の記憶が蘇りました。悠介は誰を、そしてなぜ殺してしまったのか。最後のページで、彼が殺した相手の名前を思い出したことを示唆して終わる憎い演出に、次巻への期待が最高潮に高まります。
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