【問題な王子様】20話ネタバレ完全版

【問題な王子様】20話をネタバレありで解説する
ハーバー公爵夫人のパーティーは、エルナにとって試練の連続でした。ビョルン王子との望まぬダンス、そして彼の元妻グレディス王女との遭遇。第20話では、この華やかな社交の場で繰り広げられる、エルナ、ビョルン、そしてグレディスの三つ巴の心理戦と、それぞれの思惑が複雑に絡み合う様子が描かれます。
屈辱のダンスとビョルンの計算
ワルツの音楽が流れる中、エルナはビョルン王子の腕の中で、まるで操り人形のように踊らされていました。彼女の心は、怒りと屈辱、そしてなすすべもない無力感でいっぱいでした。しかし、ビョルンはそんなエルナの心情を気にかける様子もなく、むしろ彼女の抵抗や戸惑いを楽しんでいるかのように、優雅にリードを続けます。「鹿の角のトロフィー」の弁償という名目で始まったこのダンスは、明らかにエルナをからかい、周囲の注目を集めるためのビョルンの策略でした。
ダンスの間、エルナは必死に平静を装いますが、彼女の震える指先や強張った表情は、内心の動揺を隠しきれません。ビョルンは、そんなエルナの耳元で「上手だった」と囁き、「トロフィー代はゆっくり弁償してもらうことにする」と、さらに彼女を弄ぶかのような言葉をかけるのでした。エルナは、この男の真意が全く読めず、ただただ翻弄されるばかりでした。
グレディス王女の「提案」とビョルンの冷徹な対応
エルナとビョルンのダンスは、当然のようにパーティー会場の最大の注目を集めていました。そして、その様子を複雑な表情で見つめていたのが、ビョルンの元妻であるグレディス王女でした。ダンスが終わった後、あるいはその最中にか、グレディスはビョルンに近づき、「少し話をしないか」と持ちかけます。
二人きりになったテラスで、グレディスはビョルンに対し、驚くべき提案をします。「自分のせいで失くしたビョルンの王冠を取り戻したい。そのためにレチェンに戻って来た。そうすることでビョルンに謝罪し、再び最初からやり直したい」と。涙ながらに訴えるグレディス。彼女は、自分たちがよりを戻し、幸せに暮らす姿を国民に見せれば、民衆の支持も変わり、ビョルンは王太子の座を取り戻せると主張します。
しかし、ビョルンはそんなグレディスの言葉を冷ややかに一蹴します。「その取引は成立不可能だ」と。彼は、グレディスが犯した過去の過ち(他の男の子供を身ごもったこと)や、自分が王冠を望んでいなかったという衝撃的な事実を突きつけ、彼女の提案を粉砕します。「もし自分が本当に王冠を守りたかったなら、いくらでも方法はあった。あの子の命を奪えばいいだけの話だった」などと、グレディスを戦慄させるような冷酷な言葉を続けるビョルン。彼のグレディスへの嫌悪感と不信感は、想像以上に根深いものでした。
エルナへの悪評とビョルンの友人たちの噂話
ビョルンとグレディスの緊迫したやり取りが行われている間も、社交界ではエルナに関する噂が飛び交っていました。ビョルンの友人であるペーターたちは、エルナがレマン伯爵との縁談を進めていることや、彼女の美貌、そしてビョルンとの関係について、相変わらず下世話な会話を繰り広げています。彼らは、エルナを「ハルディ家の令嬢」としてしか見ておらず、彼女の苦悩や本質には全く気づいていません。
そして、ビョルンがグレディスとの話を終えて戻ってくると、彼らはエルナがハインツ家の次男と親密そうに話しているのを目撃し、「自分たちのゲームに勝手に割り込むあの野郎は何なのか」と不満を漏らします。エルナを巡る賭けは、彼らにとってもはや単なる遊びではなくなっていたのかもしれません。ビョルンは、そんな友人たちの様子を「どうだっていい」と一蹴し、彼らとの会話にもはや興味を示さないのでした。
第20話は、エルナ、ビョルン、グレディスの三者の思惑が複雑に絡み合い、物語が新たな局面へと突入することを予感させます。グレディスの真の目的は何か。ビョルンはエルナをどうするつもりなのか。そして、エルナはこの困難な状況をどう乗り越えていくのでしょうか。波乱に満ちたパーティーの夜は、まだ終わりそうにありません。
◁前の記事はこちらから

▷次の記事はこちらから



