【問題な王子様】21話ネタバレ完全版

【問題な王子様】21話をネタバレありで解説する
ハーバー公爵夫人のパーティーの喧騒から逃れるように、エルナは一人静かに過ごせる場所を探していました。しかし、そこで彼女を待ち受けていたのは、予期せぬ恐怖と、そして思いがけない救いの手でした。第21話は、エルナが再び危機に陥るものの、ビョルン王子の意外な一面が垣間見える重要なエピソードとなります。
忍び寄る卑劣な手とエルナの絶体絶命
パーティーの熱気と人々の視線に疲れ果てたエルナは、少しでも落ち着ける場所を求め、人通りの少ない邸宅の東の端にある応接室へとたどり着きます。ようやく一息つけると思ったのも束の間、そこに泥酔したロビン・ハインツ(以前、広場でエルナを追いかけ回した男、あるいは社交クラブの賭けの参加者の一人)が、エルナの後を追うように現れるのです。
ハインツは、「こんな所で大公と密会する約束でもしていたのか」などと卑劣な言葉をエルナに浴びせかけ、強引に彼女の腕を掴みます。エルナが必死に抵抗し、「放してください!」と叫んでも、彼は聞く耳を持ちません。「王子を狙うのは無駄な苦労だ。むしろ自分によく思われた方が得ではないか。可愛く振る舞ってくれれば、あの年寄りの代わりに自分がハルディさんを買ってあげられるかも」などと、エルナの尊厳を踏みにじるような言葉を続けるハインツ。彼の力に、エルナはなすすべもなく引き寄せられ、絶体絶命の危機に陥るのでした。
駆けつけたビョルン、冷酷な制裁
エルナが恐怖に震え、必死に抵抗していたまさにその時、応接室の扉が静かに開かれ、そこに立っていたのはビョルン王子でした。彼は、女性の切迫した悲鳴を聞きつけ、この場へやって来たのです。メイドが何者かに襲われているのだろうと予測していたビョルンでしたが、そこにいたのがエルナであったことに内心驚きつつも、冷静に状況を把握します。
エルナが「彼を殺めてしまったようです…怖くて燭台で殴ったら…」と震えながら訴えると、ビョルンは倒れているハインツを一瞥し、「心配しないように。気絶しただけなので、すぐに目を覚ますだろう。この手の連中は、概して簡単に死なない」と、どこか冷めた口調でエルナを落ち着かせます。そして、自分のイブニングコートを脱いでエルナの肩にかけると、「一人で帰れるか」と尋ね、ハルディ家の馬車が待機している場所までの道順を教え、先に帰るよう促します。「あとは自分が何とかするから」という彼の言葉には、有無を言わせぬ力がありました。
そして、エルナが去った後、ビョルンは意識を取り戻したハインツに対し、冷酷な制裁を加えます。彼は、ハインツがエルナにした仕打ち、そして何よりも自分の「獲物」に手を出したことへの怒りを、容赦ない暴力という形でぶつけるのでした。「ハインツは知らなかったようだけれど、これが、自分の恋のライバルへの接し方だ」とでも言うかのように、ビョルンはハインツを徹底的に打ちのめします。この行為は、エルナを守るためというよりも、むしろビョルン自身の歪んだ独占欲と、社交界における自身の体面を守るための行動だったのかもしれません。
ビョルンの謎めいた言葉とエルナの混乱
エルナは、ビョルンに助けられたものの、彼の暴力的な一面と、自分に向けられた冷たいとも取れる視線に、再び恐怖と混乱を感じずにはいられませんでした。彼が去り際にエルナに投げかけた「ボートレースは好きか。……好きにならなければならない」という謎めいた言葉は、彼女の心に新たな不安の種を蒔きます。エルナを巡る社交クラブでの賭けの存在を知らない彼女にとって、その言葉の意味するところは全く理解できませんでした。
第21話は、エルナが再び卑劣な危機に直面するものの、ビョルン王子によって救われるという、息をのむような展開となりました。しかし、ビョルンの行動はエルナへの純粋な好意からだけではなく、複雑な計算や独占欲も絡んでいるようです。そして、彼がエルナに告げた「ボートレース」という言葉。これは、二人の関係に、そしてエルナの運命に、どのような影響を与えていくのでしょうか。物語は、より一層緊迫感を増していきます。
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