【問題な王子様】22話ネタバレ完全版

【問題な王子様】22話をネタバレありで解説する
第21話のハーバー公爵夫人のパーティーで、ロビン・ハインツに襲われそうになったところをビョルン王子に助けられたエルナ。しかし、安堵も束の間、ビョルン自身もまたエルナを翻弄し、謎めいた言葉を残して去っていきました。第22話では、パーティーの翌朝、エルナが抱える混乱と、彼女が大切にする「祖父の遺産」とも言える信念、そして新たな決意が描かれます。
パーティーの翌朝、エルナの混乱と「鹿の角のトロフィー」
ハーバー公爵夫人のパーティーでの騒動から一夜明け、エルナの心は未だ混乱の中にありました。ロビン・ハインツの卑劣な行動への恐怖、ビョルン王子に助けられたことへの安堵と戸惑い、そして何よりも、**彼から半ば強引に押し付けられるようにして持ち帰ってしまった「鹿の角のトロフィー」**の存在が、彼女の頭を悩ませていました。あの夜、ビョルンがハインツを打ちのめした後、なぜ自分にあのようなものを寄越したのか、エルナには全く理解できませんでした。
そんなエルナの元へ、メイドのリサが驚くべき情報をもたらします。リサが他の使用人たちから聞きつけてきた話によると、あの黄金の鹿の角のトロフィーは、社交クラブの伝統で、結婚を控えた紳士が主催する独身パーティーで、最もお酒をたくさん飲んだ者に贈られるというのです。しかも、先日行われたベリマン侯爵家の息子の独身パーティーでの勝者は、他ならぬビョルン王子だったというではありませんか。この事実に、エルナはさらなる衝撃を受けます。あのトロフィーは、決してエルナのために用意されたものではなく、単にビョルンが酒飲み比べで勝ち取った戦利品に過ぎなかったのです。
「祖父の遺産」とエルナの決意
ビョルン王子への不信感と怒りが込み上げてくるエルナ。しかし、彼女の心の中には、亡き祖父から受け継いだ大切な教えがありました。「どんな場合でも、人間の品位と尊厳を失ってはいけない」「借金をしたら最善を尽くして返す。過ちを犯したなら、心から謝罪し、許しを請う」。それが、エルナが守り続けてきた「祖父の遺産」とも言える信念でした。
エルナは、ビョルンに騙されたのかもしれない、利用されたのかもしれないという思いに苛まれながらも、このまま何もしないでいることはできませんでした。あのトロフィーがどれほどの価値があるものかは分かりませんが、少なくとも自分のものではない。エルナは、必ず自分の力であのトロフィーの代価を弁償し、ビョルンに突き返すことを心に誓います。
造花に託す想いと新たな希望
しかし、没落貴族の令嬢であるエルナにとって、高価なトロフィーの代価を支払うことは容易ではありません。ハルディ子爵家は破産寸前であり、エルナ自身もわずかな蓄えしか持っていませんでした。途方に暮れるエルナでしたが、彼女には一つだけ、誇れるものがありました。それは、得意な造花作りの技術です。
かつてバーデン家の家計を支えたエルナの造花。彼女は、再びその小さな手で美しい花々を生み出し、それを売って得たお金で借金を返そうと決意します。そして、その胸には、先日再会したパーベルが「デパートに造花を納品できるように聞いてみる」と言ってくれた言葉が、かすかな希望として灯っていました。
部屋に閉じこもり、一心不乱に造花作りに没頭するエルナ。その姿は、まるで何かに追われるかのようでもあり、また、何か大きな決意を固めた者のようでもありました。
第22話は、エルナがビョルンへの複雑な感情を抱えながらも、祖父の教えを胸に、自らの力で困難を乗り越えようと決意する姿を描いています。彼女の健気な努力は報われるのでしょうか。そして、ビョルン王子はエルナのこの決意に気づくことになるのでしょうか。物語は、エルナのささやかながらも強い意志が、大きな運命の歯車を少しずつ動かし始める予感を漂わせながら、次へと続いていきます。
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