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【問題な王子様】41話ネタバレ完全版

ずっちー

【問題な王子様】41話をネタバレありで解説する

エルナの心は、祖母への申し訳なさと、自身の不甲斐なさでいっぱいでした。そんな彼女の元へ、ビョルン王子が訪れます。第41話は、この病院での再会が、エルナとビョルンの関係に大きな「決着」をもたらす、衝撃的な展開となります。

病院への突然の訪問者、ビョルン王子

バーデン男爵夫人が入院している王立シュベリン病院。エルナが祖母の看病をしている病室の扉が、力強いノックの音と共に開かれます。そこに立っていたのは、ビョルン王子その人でした。病院長に案内されてきた彼は、手には病院の花瓶から無断で拝借したかのような赤いバラを一輪持っています。エルナはもちろん、バーデン男爵夫人も、そして同席していたグレベ夫人のまでもが、予期せぬ彼の登場に息をのみます。

ビョルンは、まずバーデン男爵夫人に丁寧な挨拶をし、彼女の体調を気遣う言葉をかけます。そして、エルナに向き直ると、「ハルディさんにもお詫びする」と、これまでの自身の無礼を謝罪するかのような言葉を口にするのです。エルナは、彼の真意が読めず、ただ困惑するばかりでした。

衝撃のプロポーズ、エルナの決断は…

そして、ビョルンは驚くべき行動に出ます。エルナの前に片膝をつき、手にしていた赤いバラを差し出しながら、静かに、しかしはっきりとした口調でこう告げるのです。「エルナ・ハルディさん、私と結婚していただけますか?

この突然のプロポーズに、エルナの頭の中は真っ白になります。「何を言われたのか、よく理解できなかった」というのが、彼女の正直な気持ちでした。「愛していないくせに、何でもない女に、どうしてこんなことができるのか」という怒りと疑問が湧き上がってきますが、同時に、病床の祖母の心配そうな眼差し、そして自身の絶望的な状況(父からの虐待、社交界での悪評、行く当てのない現実)が、エルナの心を揺さぶります。

ビョルンは、エルナが返答に窮しているのを見て、「考えてみれば、あの夜のことは自分の無礼のせいで起こったので、ハルディさんにだけ責任を転嫁するのは少し過酷でもある。もし、アビィト川の夜景を一緒に楽しむ栄光を自分にくれれば、借金を帳消しにするけれどどうだろうか」などと、以前エルナに持ちかけた「取引」を蒸し返しながら、彼女の反応を待っていました。彼にとってこのプロポーズは、ある種の賭けのようなものだったのかもしれません。彼がコインを投げ、表が出れば結婚し、裏が出れば賭け金を渡して彼女を送り出す、そんな投げやりな気持ちと、エルナを失いたくないという本心が複雑に絡み合っていたのです。

エルナは、ビョルンの真意を測りかねたままでしたが、彼の瞳の奥に宿る真剣な光と、祖母の涙ながらの眼差し、そして何よりも、これ以上逃げ場のない自分の状況を悟り、差し出された赤いバラに、震える手を伸ばします。その瞬間、エルナの意識は遠のき、彼女はビョルンの腕の中に崩れ落ちるようにして気を失ってしまうのでした。

「決着」の行方と新たな波紋

ビョルン王子のプロポーズと、それに対するエルナの(意識を失うという形での)承諾。この衝撃的な出来事は、病院中を、そして瞬く間にシュベリンの社交界を駆け巡ります。「あまりにも嬉しくて、エルナ・ハルディは気絶してしまった」という新たなゴシップと共に。

かつてレチェン中の人々が愛したビョルンとグレディスの恋愛物語は、エルナという「悪役」の登場によって悲劇的な結末を迎えたかのように見えましたが、ここにきて、その悪役が勝利するという、誰も予想しなかった「決着」を迎えたのです。

第41話は、ビョルン王子がエルナにプロポーズするという、物語の大きな転換点を描きました。しかし、この結婚は本当にエルナに幸せをもたらすのでしょうか。ビョルンの打算的な思惑と、エルナの絶望的な状況が生んだこの「決着」は、二人の未来にどのような影響を与えていくのか。物語は、新たな波乱と複雑な人間模様を予感させながら、次なる章へと進んでいきます。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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