2025.05.22

【問題な王子様】４６話ネタバレ完全版

ずっちー

Contents

【問題な王子様】46話をネタバレありで解説する
- 厳粛な儀式と対照的な新郎新婦
  - 大公妃としての第一歩と初夜への不安
  - 「おはよう良い妻」――初夜の始まり

【問題な王子様】46話をネタバレありで解説する

エルナ・ハルディとビョルン・デナイスタ大公の結婚式。それは、かつてのビョルンとグレディス王女の華やかで国中が祝福した結婚式とは異なり、どこか異質で、それでいて当事者たちの複雑な想いが交錯する、ある意味で「本質に近づいた儀式」と言えるのかもしれません。第46話では、この結婚式の詳細な様子と、式の後のエルナの心境、そして初夜へと続く緊張感が描かれます。

厳粛な儀式と対照的な新郎新婦

礼拝堂の祭壇前に進み出たビョルンは、ゆっくりとエルナの方へ向き直ります。繊細なレースに幾重にも包まれたウェディングドレス姿のエルナは、まるで大きな白い花のよう。その美しさに、ビョルンの口元には微かな笑みが浮かびます。彼は、エルナの顔にかかるベールを静かに持ち上げました。既に何度も目にしているはずのエルナの顔ですが、この瞬間、彼女は裸にされたかのような羞恥心に襲われ、視線をあちこちにさまよわせます。頬まで赤らめるその初々しい姿に、ビョルンは再び笑みをこぼすのでした。

結婚の儀式が始まると、エルナは緊張しながらも、大司教の言葉の一つ一つに真摯に耳を傾けます。その学究的とも言える態度に、大司教も感化されたのか、普段よりも情熱を込めて長々と言葉を紡ぎます。エルナが小さな声で誓いの言葉を述べ、固い決意を示すと、大司教は穏やかな表情を見せます。しかし、その一方で、新郎であるビョルン王子に対しては、「長い間」「永遠に」といった言葉をことさら強調し、まるで「二度とこの壇上で会うことのないように」と釘を刺すかのような厳しい視線を送るのでした。ビョルンは、そんな大司教の視線にも動じることなく、終始余裕の笑みを浮かべて応じます。

やがて大司教は、いつになく雄々しい声で二人の成婚を宣言し、祝福の鐘の音と参列者からの拍手が礼拝堂に響き渡りました。ビョルンは、花嫁が気絶でもしたら大変だと考えたのか、エルナの唇にごく軽く誓いのキスをします。キスが終わると、エルナは慎重に目を開けました。秋の光を宿した彼女の瞳は宝石のように輝き、その表情には恥ずかしさ、ときめき、恐怖、そして未来への期待感が複雑に混じり合っていました。「エルナ・デナイスタは美しい」――その明確な事実に、ビョルンは静かに満足するのでした。

大公妃としての第一歩と初夜への不安

結婚式を終え、シュベリン大公宮での新たな生活が始まったエルナ。しかし、それは決して心安らぐものではありませんでした。大公妃としての威厳を守るため、フィツ夫人の厳格な指導のもと、入浴一つとっても多くのメイドの手を借りなければならないという、息の詰まるような毎日。そんな中で、エルナ付きのメイドとなったリサの存在だけが、彼女にとってのささやかな慰めでした。

大公妃の寝室は、エルナがこれまで見たこともないほど豪華で広大でしたが、そこにエルナ自身のものは何一つありません。彼女の心は、この見慣れない空間と、これから始まるであろうビョルンとの夫婦生活への不安でいっぱいでした。「結婚して、夫と夜を一緒に過ごすということがどういう意味なのか、エルナも大体は知っていた。ただ、それが、自分とビョルンの間にあることのようには感じられないだけだった」。

その夜、エルナは豪華な寝室で一人、ビョルンを待ちます。しかし、彼はなかなか現れません。披露宴の喧騒も遠のき、疲労と緊張からエルナはいつしかベッドの隅でうとうとと眠り込んでしまいます。

「おはよう良い妻」――初夜の始まり

エルナが眠りについてからどれほどの時間が経ったのか。真夜中を過ぎた頃、寝室の扉が静かに開かれ、ビョルン王子が姿を現します。彼は、ベッドの隅で小さく丸まって眠っているエルナを見つけると、静かに近づき、「気楽な花嫁だ」とでも言うように、彼女の頬にそっと手を触れます。

その感触に、エルナははっと目を覚ましました。目の前にいるビョルンの姿に、彼女は驚きのあまり言葉も出ません。そんなエルナに対し、ビョルンは「おはよう良い妻」と、優しくもどこか皮肉めいた、彼らしい挨拶の言葉を囁くのでした。

第46話は、エルナとビョルンの結婚式という大きな節目と、いよいよ始まる二人の初夜への緊張感を高らかに描き出して幕を閉じます。この「問題な王子様」との結婚生活は、エルナに何をもたらすのでしょうか。そして、ビョルンは「良い妻」となったエルナに、どのように接していくのでしょうか。物語は、新たなステージへと進んでいきます。

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