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【問題な王子様】50話ネタバレ完全版

ずっちー

【問題な王子様】50話をネタバレありで解説する

ビョルン王子との結婚生活が始まり、エルナは「大公妃」としての新たな日常に戸惑いながらも、必死に適応しようとしていました。第50話では、そんなエルナが、ある「教育」をきっかけに思いがけない行動に出て、ビョルン王子を激しく動揺させる出来事が描かれます。

新婚旅行の準備とエルナの憂鬱、そしてパーベルへの手紙

新婚旅行の準備が進められる中、エルナの元にはフィツ夫人によって選ばれた数々の豪華な衣装や宝飾品が届けられます。しかし、エルナはそれらを素直に喜ぶことができませんでした。「バーデン家の邸宅とハルディ家の借金。彼に与えたのは借金の山だけなのに、自分は過分な物を受け取るだけだった」――エルナの心は、ビョルンへの負い目でいっぱいだったのです。

最初の訪問国が、ビョルンの元妻グレディス王女の母国ラルスであることも、エルナの心を重くしていました。メイドのリサは、「よりによって元妻の国に新婚旅行に行かなければならないなんて」とエルナに同情しますが、エルナは「大丈夫」と気丈に振る舞います。

そんな中、エルナは結婚式の準備に追われる日々の中で、ようやく時間を見つけて数通の手紙を書いていました。祖母やバーデン家の人々へ、そしてもう一人、幼馴染のパーベル・ロアーへ。彼への手紙には、これまでの感謝の気持ちと、そしてもう以前のような友人としては会えないかもしれないという、寂しさを滲ませた別れの言葉が綴られていたのかもしれません。エルナは、パーベルへの手紙を書き終えると、一つの区切りがついたかのように静かに印章を押すのでした。

「寝室の教育」への抵抗とエルナの決断

そして、エルナにとって耐え難い試練が訪れます。フィツ夫人の指示により、王室の女性たちに「寝室での営み」を教えてきたというペッグ夫人が、エルナの教育係としてやって来たのです。「寝室で妻は夫に楽しみを与えなければならない義務があり、それは結婚生活を円満にする非常に重要なことだ」とペッグ夫人はエルナに説きます。

エルナは、その言葉の意味を理解しようと努めますが、具体的な説明が始まると、羞恥心と嫌悪感で意識が遠のきそうになります。そして、ついに耐えきれなくなったエルナは、授業を中断し、ある決意を胸にビョルン王子の書斎へと向かうのでした。

ビョルンへの衝撃的な直訴「あなたが教えてください」

ビョルン王子の書斎に飛び込んできたエルナは、普段の彼女からは想像もできないほど激しい剣幕で彼に詰め寄ります。「あのようなことを教えろと命令したのは王子様だと聞きました!」と。エルナは、自分が初夜で至らなかったためにビョルンが満足せず、だからこのような教育を受けさせられているのだと思い込んでいたのです。「自分があまりにも下手で、何も知らないから来なかったのですか?」と涙ながらに訴えるエルナ。

ビョルンは、エルナの突然の剣幕と、その見当違いな思い込みに呆れながらも、彼女の必死な姿にどこか心を揺さぶられます。そしてエルナは、震える声で、しかしはっきりとした口調で、衝撃的な言葉を口にするのです。「それも自分の役割の一部なら、責任を回避するつもりはありません。それでも、他の人は嫌です。必ずそうしなければならないのなら、ビョルンに教わります。あなたが教えてください。私の夫じゃないですか!

このエルナの、あまりにも純粋で大胆な直訴に、ビョルンは言葉を失います。「飲んでもいない酒に酔った気分」「あまりにも呆れて、頭の中が朦朧とするほど」――それが、彼の正直な気持ちでした。これまでエルナを「計算高い女」「退屈な飾り物」と見なしてきた彼にとって、彼女のこの真摯な訴えは、あまりにも予想外のものだったのです。エルナの「私の夫じゃないですか」という言葉は、ビョルンの心の奥深くに、重く、そして温かく響いたのかもしれません。

第50話は、エルナが自身の尊厳を守るために、思いがけない形でビョルン王子に自身の想いをぶつけるという、劇的な展開となりました。エルナのこの大胆な行動は、ビョルンの心にどのような変化をもたらすのでしょうか。そして、波乱含みの新婚旅行は、一体どのようなものになるのでしょうか。物語は、二人の関係が新たなステージへと進むことを予感させながら、次へと続いていきます。

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コマさん(koma)
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野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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