【問題な王子様】6話ネタバレ完全版

【問題な王子様】6話をネタバレありで解説する
第5話で、故郷と家族を守るために1年間の社交界活動を受け入れたエルナ。第6話では、そんな彼女の社交界デビューに向けた準備と、そこで出会う人々、そして「問題な王子様」ビョルンとのニアミスが描かれます。エルナの運命は、華やかでありながらも欲望渦巻く社交界で、どのように翻弄されていくのでしょうか。
エルナを「商品」として売り出す準備
継母であるブレンダ・ハルディは、エルナを「最上級の売り物」と見なし、彼女を社交界で高く売り出すことで家門の財政危機を乗り越えようと野心を燃やしていました。そのためには、社交界で絶大な影響力を持つシャペロン(後見人)の力が必要不可欠。ブレンダはあらゆる人脈を駆使し、多くの令嬢を成功に導いたと名高いマイアー伯爵夫人**に白羽の矢を立てます。
マイアー伯爵夫人は、当初そのシーズンはシャペロンを引き受けないと公言していましたが、ブレンダの熱心な働きかけと、何よりもエルナ自身の類まれな美貌に触れ、最終的にシャペロン役を引き受けることになります。初めてエルナと対面した際、エルナの相変わらず野暮ったい服装にブレンダは内心焦りを覚えますが、マイアー伯爵夫人はエルナを一目見るなり「嘘をついていないのは確かだ」とその美しさを認め、「頑張りましょう」とエルナに握手を求めるのでした。その言葉の裏には、エルナという素材を最大限に活かして、社交界で大きな成果を上げようという伯爵夫人の計算高い一面が隠されていました。
孤独なエルナの心の支え、メイドのリサとの絆
ハルディ家の屋敷に移り住んでから10日近く、エルナは継母ブレンダに引きずられるように多くの派手な店を巡り、山のような服や品物を買い与えられていました。しかし、そこにエルナ自身の意思が反映されることはありません。そんな息の詰まるような日々の中で、エルナが心の安らぎを見出していたのは、自分の部屋で密かに造花作りに没頭する時間でした。それは、彼女が混乱した心を落ち着かせるための、長年の習慣だったのです。
そしてもう一つ、エルナにとって大切な存在となったのが、世話係のメイドであるリサでした。エルナは、身分の違いを気にせずリサに優しく接し、ある日「次回から、ティーカップをもう一つ持って来て」と、二人きりの「秘密のお茶の時間」を提案します。最初は戸惑うリサでしたが、エルナの純粋で優しい人柄に触れるうちに、次第に彼女を心から慕うようになります。エルナが手作りの美しいシャクヤクの造花をプレゼントすると、リサはその出来栄えに心から感嘆し、二人の間には確かな友情が芽生え始めるのでした。リサは、ハルディ家の使用人たちがエルナのことを「娘まで売ろうとしている」「かなり高い値段で売れそうだ」と噂しているのを聞き、心を痛めていました。
「毒キノコ王子」との再遭遇とリサの警告
ある日、リサはまだシュベリンの街に慣れないエルナを気遣い、散歩に誘い出します。高級ホテルや人気のティールームなど、華やかな都会の風景に目を輝かせるエルナ。その時、エルナの目に、ホテルから出てきた一人の長身の男性の姿が留まります。それは、紛れもなくビョルン王子でした。彼が隣の女性に構うことなく自分の道を急ぐ姿を、エルナはどこか既視感を覚えながら見つめます。
エルナがその男性に見とれていると察したリサは、慌ててエルナの腕を掴み、「あの人が本当に格好いいという気持ちはよく分かるけれど、ダメだ、いけない」と必死に制します。そして、エルナが「あの人は誰なの?」と尋ねると、リサは「そんなことは知る必要もない」と厳しい表情で答えるのでした。「評判が悪いの?」と重ねて問うエルナに、リサは目を輝かせながら叫びます。「覚えておくように。あれは男ではなく毒キノコだ。食べたら死ぬ」と。
このリサの強烈な言葉は、エルナのビョルン王子に対する第一印象を決定づけることになります。第6話は、エルナが社交界デビューへの準備を進める中で、心強い味方を得る一方で、ビョルン王子に対する強烈な警告を耳にするという、波乱に満ちた展開を予感させて幕を閉じます。この「毒キノコ」という印象が、今後の二人の関係にどのような影響を与えていくのでしょうか。
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