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【問題な王子様】13話ネタバレ完全版

ずっちー

【問題な王子様】13話をネタバレありで解説する

第12話で、美術展の庭でエルナは探し人違いからビョルン王子と遭遇し、大切なハンカチを落としてしまいました。この小さな出来事が、第13話では二人の運命をさらに大きく揺り動かすことになります。エルナの純粋な願いと、ビョルンの計算高い思惑が、華やかな美術展を舞台に交錯します。

人違いが生んだ予期せぬ接近と、拾われたハンカチ

王立芸術院の美術展。カードルームで夜を明かし、ほとんど眠らずにこの退屈な行事に参加していたビョルン王子は、庭のベンチでウトウトしていました。「パーベル!」という、さえずる小鳥に似た女性の声で彼は目を覚まします。声の主は、青いドレスを着た小柄な女性、エルナ・ハルディでした。彼女は探し人を見失ったのか、きょろきょろと周囲を見回した後、ビョルンがいるとも知らずに向かいのベンチに座り込みます。

息を切らし、小さな唇をわずかに開いて呼吸を整えるエルナ。その姿を、ビョルンはベンチに横たわったまま観察していました。ドレスの裾からのぞく人形のように小さな足、長く垂れた茶色の髪、そして揺れるドレスのリボン。エルナが顔を上げた瞬間、二人の視線が合います。自分の隠れ家に見知らぬ男がいたことに驚いたエルナは、まるで痴漢にでも会ったかのように甲高い悲鳴を上げ、慌てて立ち上がります。そして、震える声で謝罪を繰り返すのでした。その怯えた様子と、頭を下げるたびに揺れる帽子の羽飾りに、ビョルンは思わず笑みを漏らします。

エルナが慌てて逃げ去った後、ビョルンは「自分を見ると逃げる女が滑稽で、一方では気に障った」と感じます。彼は、エルナがこの人里離れた庭で密会でも楽しみに来たのだろうと推測し、彼女が必死に探していた「パーベル」という男の名を呟きます。そして、エルナが去った場所に、彼女の名前の頭文字が刺繍された白いレースのハンカチが落ちているのを見つけ、それを拾い上げるのでした。

グレディス王女の登場と、エルナの社交界での苦悩

一方、美術展のホールでは、アカデミー院長のスピーチが終わる頃、ビョルン王子の元妻であるグレディス王女が姿を現します。彼女の登場に会場の空気は一変し、すべての視線が彼女に集中します。国王夫妻やレオニード王太子も、その遅れてきた客に気づき、わずかな当惑を見せます。しかし、グレディスは少しも臆することなく、優雅に振る舞い、国王夫妻に挨拶をするのでした。人々は、「相変わらず美しくて優雅だ」「あんなことをした夫が憎くないのだろうか」と囁き合います。

ホールの隅、ヤシの木の植木鉢の陰に隠れるように立っていたエルナは、そんなグレディス王女の姿を遠巻きに見ていました。「新聞と雑誌で見た写真よりも、はるかに気品があって美しい人だ」と感じる一方で、ベンチで遭遇したビョルン(あのような妻がいるのに浮気をした男)のことを思い出し、複雑な気持ちになります。彼女は、必死に幼馴染のパーベルの姿を探しますが、見つけることはできません。周囲からの好奇と軽蔑の視線に耐えきれず、エルナは息が詰まるような恐怖を感じ、マイアー伯爵夫人の「周りの人々を花や動物だと思え」という助言を必死に実践し、何とか平静を装うのでした。

ビョルンの策略、エルナは「手札」となるのか

そんなエルナの元へ、突如としてビョルン王子が近づいてきます。彼は、ホールの中央でグレディス王女を横目に見ながらも、彼女には目もくれず、まっすぐにエルナへと歩を進めるのです。ビョルンは、エルナのハンカチをジャケットのポケットに忍ばせていました。彼にとって、グレディスとの関係は既に清算済みであり、彼女が新たな局面を迎えようとしている今、少しも損をする気はありませんでした。そして、ヤシの木の陰に隠れているエルナこそが、カードゲームでの賭けにも、グレディスが仕掛けた心理戦にも勝利できる「手札」だと彼は判断したのです。

エルナの前に立ったビョルンは、わざと優しい視線を彼女に向け、「ここにいたのですね」と、周囲に聞こえるように声をかけます。そして、庭で拾ったという名目で、意図的にゆっくりとエルナのハンカチを差し出すのでした。エルナは途方に暮れたように、ただ大きな目を見開いて彼を見つめるばかり。

第13話は、ビョルンがエルナを自身のゲームの駒として利用し始める、まさにその瞬間を描き出しています。エルナの純粋な想いと、ビョルンの冷酷な計算。二人の関係は、この美術展での出来事をきっかけに、さらに複雑に、そして危険に絡み合っていくことになるのです。エルナは、この後ビョルンの「手札」として、どのように扱われてしまうのでしょうか。そして、彼女が探し求めるパーベルとの再会は果たせるのでしょうか。物語は予断を許さない展開を迎えます。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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