【壊職代行】9話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 前社長・間々田への復讐が完了し、彼は肉体的・社会的な破滅だけでなく、精神的な「生き地獄」に落とされた。
- 主人公の鈴木は、壊職代行に救われた経験から、自らも誰かを救う側になることを決意し、代行人見習いとなった。
- 新たなターゲットとして地域を牛耳る「金賀一族」が登場し、鈴木は彼らが経営するスーパーで潜入調査を開始した。
- 金賀一族によって自殺に追い込まれた青年の無念を晴らすことが、鈴木の壊職代行人としての初仕事になる。
【壊職代行】第9話をネタバレありでわかりやすく解説する
金賀の女帝・成子のパワハラ地獄
物語は、金賀星屑興業の専務取締役であり、社長・星蔵の妻でもある金賀成子(かねがなるこ)が登場する場面から始まります 。彼女は、気に入った男性社員を捕まえては「買い物の荷物持ち」をさせようとするなど、社員を完全に私物化していました 。
しかも、その私用を命じる前にタイムカードを切らせるという徹底ぶり 。会社の経費ではなく、社員個人の時間を無償で奪う、悪質なパワハラが横行している様子です。
そこへ、新入社員として潜入した火室静香が現れます 。成子はさっそく彼女に目をつけ、独身だと知るや否や、バツイチの息子(スーパーの店長・覇星)の嫁にどうかと品定めを始めました 。
「あなたならちゃんと主人の言うことを聞く いいお嫁ちゃんになりそうね」
あまりにも古風で一方的な価値観を、悪びれもなく押し付けてきます。
毅然とした反論と、暴力による圧殺
この理不尽な要求に対し、静香は「私は会社に仕事をしに来ています」「前時代的な価値観を押し付けないでください」と、冷静かつ毅然とした態度で反論します 。さらに、「そんな母親から育てられた息子も碌なものじゃないでしょう」「死んでも嫌です」と痛烈な一言を浴びせました 。
プライドを木っ端微塵にされた成子は激昂し、静香の頬を平手打ちします 。静香が「立派な傷害ですよ」と指摘しても 、「これは礼儀のなっていない社員への指導よ」と開き直り、全く反省の色を見せません 。
見えざる敵「同調圧力」
成子の恐ろしさは、その暴力性だけではありませんでした。彼女は周囲の社員たちに「私が暴力を振るったとこ目撃してた人〜?」と問いかけ、無言の圧力をかけます 。
恐怖に支配された社員たちは、権力者である成子に逆らうことができず、「火室さんが勝手に転んだだけに見えたけど〜」と、次々に嘘の証言を始めました 。
この「同調圧力」という見えない刃によって、静香は完全に孤立させられてしまいます 。成子はこの状況を心底楽しんでおり、「小娘の心が折れる瞬間を見るのがたまんないわ!」と歪んだ愉悦に浸るのでした 。
屈辱の土下座と、壊職の誓い
そこへ社長の金賀星蔵が現れ、仲裁に入るふりをしながらも、結局は妻である成子の味方をします。結果、静香だけでなく、その場にいた他の社員までもが社長と専務に土下座をさせられるという、理不尽な結末を迎えました 。
後日、鈴木と合流した静香は、顔に痣を作りながらも不敵に微笑みます。
「平気ですよ あとで百億倍にして返しますから」
この会社が、暴力的なワンマン社長と、恐怖で社員を洗脳支配する夫人によって成り立つ、事前情報以上に地獄のような職場であることを再確認したのです 。静香は「小物」である成子の調査を鈴木に任せ、自身は「壊」の本丸に着手することを宣言しました 。
鈴木の覚悟「黒にだって染まってみせます!」
ここで、鈴木がなぜ壊職代行人を志したのか、その過去が回想で明かされます。 間々田の会社が壊職された後、静香は奪った資産でクリーンな新会社を設立し、鈴木を含む元社員たちの再出発を支援していました 。その献身的な姿に心を打たれた鈴木は、「僕を…壊職代行人の仲間にしてください!」と直訴したのです 。
静香は、壊職代行が決して綺麗な正義の味方ではないことを告げます。
「ホワイトなやりかたではブラック企業を葬れない」「法に触れることだってする!!!」「ヘマをしたら容赦なく切り捨てる!!!!」と、組織の漆黒の闇を突きつけました 。しかし、鈴木の決意は揺らぎません。自らも苦しみ、同じように苦しむ人がいることを知った彼は、こう叫びました。
「誰かを救うためなら 黒にだって染まってみせます!」
その強い覚悟を受け、静香は彼を見習いとして迎え入れたのでした 。
止まらないパワハラと反撃の狼煙
場面は現在へ。成子による静香への嫌がらせは、さらにエスカレートしていきます。来月の日曜日に行われる孫の運動会に、社員を総出で応援に強制参加させることを発表 。さらに、静香に対しては、社員30人以上のお弁当を手作りし、その材料費も自腹で用意するよう命じました 。
常軌を逸したパワハラに静香が反論できないのを見て、成子は「私に盾突いたこと後悔した〜?」と勝利を確信します 。しかしその時、成子に一件の手紙が届き、彼女の表情がわずかに変わったところで、物語は次へと続きます。
【壊職代行】9話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、金賀一族の異常性を社長夫人・成子を通して見せつける、非常に胸糞の悪い、しかし引き込まれるエピソードでした。タイムカードを切らせてからの私用命令、古風な価値観の押し付け、そして暴力。そのどれもが悪質ですが、何より恐ろしいと感じたのは「同調圧力」を利用して事実をいとも簡単に揉み消す手口です。恐怖によって社員たちの口を封じ、被害者を孤立させる様は、現実の社会でも起こりうるリアルな地獄絵図で、読んでいて背筋が凍りました。
そんな絶望的な状況の中で、鈴木くんが壊職代行になった経緯が明かされたことには、胸が熱くなりました。「黒にだって染まってみせる」という彼の覚悟は、単なる正義感からではなく、自らが地獄を味わったからこその、痛みを伴った本物の決意だと感じます。彼の成長が、この陰湿な金賀一族との戦いにおいて、大きな希望の光に見えました。
最後の「運動会&手作り弁当パワハラ」は、読者の怒りを最高潮に高める見事な展開です。成子が高笑いする中で届いた通知は、間違いなく反撃の狼煙でしょう。この底なしの地獄から、壊職代行が一体どのような手口で彼女たちを「壊」していくのか、次回の展開が今から待ちきれません。
【壊職代行】9話のネタバレまとめ
- 壊職代行の静香が、新たなターゲット「金賀星屑興業」に新入社員として潜入した。
- 早速、社長夫人・成子から理不尽なパワハラや暴力を受け、さらに「同調圧力」によって他の社員からも孤立させられてしまう。
- 鈴木が壊職代行人になったのは、自らの経験から「誰かを救いたい」と強く願い、組織の闇を受け入れる覚悟を決めたからだったことが明かされた。
- 成子は嫌がらせをエスカレートさせ、休日に開催される孫の運動会への強制参加と、30人分以上の手作り弁当を自腹で用意するよう静香に命じた。
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