【大正學生愛妻家】9話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 酔って寝てしまった翌朝、勇吾は昨夜のことを覚えておらず、ふきの気まずい態度から何かしたのではないかと心配しつつも、優しく介抱の礼を言いました。
  • 学校で勇吾は親友の桃木に相談し、自分が浮かれていたことを反省します。
  • ふきは勇吾の真意がわからず混乱しますが、お隣の平山さんから「酔っぱらいの言動に悩んでもムダ」とアドバイスをもらいます。
  • 家に戻り、平山さんにもらったを勇吾と一緒に食べながら、幼い頃の思い出を語り合いました。
  • 勇吾の真摯な謝罪と、苺を食べて笑われたことをきっかけに、ふきは「私 勇吾さまに 惹かれてるんだわ」と、自分の恋心をはっきりと自覚します。
  • ふきは、勇吾の気持ちはわからなくても、自分のこの想いを大切にしようと静かに決意しました。

【大正學生愛妻家】第9話をネタバレありでわかりやすく解説する

勇吾への恋心を自覚したふき。第9話は、そんな彼女のドキドキが止まらない日常と、勇吾の不器用ながらも深い優しさが描かれる、心温まるエピソードです。季節は五月なかば、二人が一緒に暮らし始めてはやひと月が経とうとしていました。

茶柱と、止まらないドキドキ

朝、いつものように勇吾にお茶を出すふき。新聞を読む勇吾の湯呑みに、すっと立った茶柱があることに気づきます。 (あっ 茶柱!)

その瞬間、勇吾がふいに顔を上げ、ふきの視線に気づきます。 「あ」 次の瞬間、勇吾は「ぐいっ」と、ふきの腕を掴みました!

見て ふき」「ほら 茶柱!」 無邪気に茶柱を指さす勇吾。しかし、ふきは突然腕を掴まれたことに心臓が跳ね上がり、顔が真っ赤に! 「えっ…!?」

「勇吾さま 茶柱は人に見せないで 飲み込まないと 縁起が消えちゃいますよ?」 慌ててうちわで顔を隠すふき。勇吾はそんな彼女の反応を見て、「そうだったけ?」と楽しそうに笑います。 (ひっ…! びっくりしたぁ…)

ふきは、勇吾への想いを自覚してからというもの、彼のほんのささいなことでドキドキふわふわしてしまう自分に戸惑っていました。

欲しいものと、忘れられない雑誌

その夜、ふきが家計簿をつけていると、読書をしていた勇吾が声をかけます。 「ふき」 「はい!」

ふきは 欲しいものはないのか?」 唐突な質問に、ふきはきょとんとします。 「いえ 特にありませんよ? 何も困ってないですし 今あるもので十分…」

しかし、その瞬間、ふきの脳裏にあるものが閃光のように蘇りました。 (あっ) それは、橋家で奥様が購読し、女中部屋に回してくれていた婦人雑誌『婦人え栞(ふじんのしおり)』でした。

女中たちのささやかな楽しみだったその雑誌。特に、連載されていた大人気恋愛小説『愛の稲妻』は、ふきも夢中になって読んでいました。 (熱血実業家の山田と 飲んだくれ詩人の林… ヒロイン光子はどっちを選ぶの!?) ちょうど最終回を迎える前に嫁いでしまい、結末を知らないままだったのです。

(もうとっくに 新しいの出てるよね 気になる~…) ふきが雑誌のことで頭がいっぱいになっていると、勇吾が不思議そうに彼女を見ていました。

書店での葛藤と、思わぬ再会

翌日、豆腐屋と魚屋へ買い物に出かけたふき。その帰り道、一軒の書店の前で足を止めます。 (ちょっとだけ… 確認だけ!)

店先には、最新号の『婦人え栞』が! 「あった!」 特別号の「節約料理特集」にも心惹かれますが、値段は五十銭

(でも… 定価五十銭… 雑誌ってぜいたく品 気になってしょうがないけど… 六圓あったら一年で お豆腐が百丁も買えちゃう…) 倹約家のふきにとって、それはあまりにも大きな出費。彼女は雑誌を手に取り、葛藤します。

その時、店の奥にいたのは、なんと勇吾と桃木でした。

勇吾は、雑誌を手に悩むふきの姿を、静かに見つめていました。

勇吾からのサプライズプレゼント

家に戻ったふき。玄関にはすでに勇吾の下駄が。 (あれ? もう帰ってる)

「勇吾さま! すみません 買い物が長引いて」 慌てて声をかけるふきに、勇吾は黙って一冊の本を差し出します。

ふき おかえり

それは、先ほどふきが書店で手に取っていた、『婦人え栞』の最新号でした。 「えっ!? これ どうして」 驚くふきに、勇吾は少し照れたように説明します。

昔から母が読んでた雑誌だから ふきが読むかなって」 「私に…」

ふきは、自分がどれだけ節約しているか知っているはずの勇吾が、なぜ?と戸惑います。 勇吾は、そんなふきの気持ちを察して、言葉を続けました。

「…ふきが毎日こつこつ節約してるのに 勝手なことして ごめん」 「でも 本は金銭に代えられない 知識や感動が得られるものだし」 「いや 単に ふきと読めたら楽しいなって…

その言葉は、ふきの心の琴線に触れました。 自分のささやかな楽しみを、勇吾が理解し、共有しようとしてくれている。その優しさが嬉しくて、ふきの目からは涙が溢れ出します。 「嬉しいです…!

共有する時間と、確信する想い

「ありがとうございます 勇吾さま!!」 涙ながらにお礼を言うふき。

その夜、二人はちゃぶ台を挟んで、一緒に『婦人え栞』を読みます。 「よかったぁ 光子が 私が応援してた 飲んだくれ詩人と ちゃんと結ばれました…」 念願の結末を知り、満足そうなふき。

ふと隣を見ると、勇吾が静かに読書しています。 (はは… そういうのが いいんだ)

ふきは、勇吾への愛おしさが込み上げてくるのを感じていました。 (優しい優しい 勇吾さま 大好きです

勇吾の不器用だけれど深い優しさに触れ、ふきの恋心は、ますます確かなものになっていくのでした。

【大正學生愛妻家】9話を読んだ感想(ネタバレあり)

神回ですか!? 第9話、最高に尊かったです!! もう、冒頭の茶柱のシーンからニヤニヤが止まりませんでした! 無邪気にふきの腕を掴んで「見て!茶柱!」って言う勇吾、可愛すぎか! そして、それに本気でドキドキしちゃうふき! 恋心を自覚した途端、些細なことで意識しまくっちゃうの、めちゃくちゃ共感します!

そして、中盤の「欲しいもの」のくだり。 「特にありません」って答えるふき、本当に健気ですよね。でも、その直後に『婦人え栞』の最終回を思い出して「気になる~!」ってなっちゃうのが、年頃の女の子らしくて可愛い!

からの、書店での葛藤! 五十銭を「豆腐百丁」と換算しちゃうふき、さすがです(笑)。 ここで桃木くんたちが登場して、勇吾にふきの居場所を教える流れも良かったですね。彼らも二人の関係を見守ってる感じがして、ほっこりしました。

そして、そして、クライマックス! 勇吾からの『婦人え栞』サプライズプレゼント!! 「ふきが読むかなって」って…! 書店で悩んでる姿を見て、こっそり買ってきてくれたんですね!? しかも理由が「ふきと読めたら楽しいなって」ですよ!?

尊い…尊すぎる…!!

ふきが節約してるのを分かった上で、「本は金銭に代えられない価値がある」「ふきと共有したい」って、最高のプレゼントじゃないですか! ふきが涙するのも当然です。私も泣きました。

最後の、二人で雑誌を読んでるシーンも穏やかで最高でした。 ふきが「光子が詩人と結ばれました…」って嬉しそうに報告して、勇吾が静かに読書してる。なんて幸せな光景なんでしょう。 そして、ふきの確信に満ちた「優しい優しい 勇吾さま 大好きです」のモノローグ!

もう完全に両想いじゃないですか! 勇吾も絶対ふきのこと大好きだし、ふきも自覚した。あとは、二人がその気持ちをどう伝え合うか…ですよね!? 勇吾の不器用な優しさと、ふきの真っ直ぐな恋心が交差した第9話、本当に感動しました!

【大正學生愛妻家】9話のネタバレまとめ

  • 暮らし始めてひと月、ふきは勇吾への恋心を自覚してから、彼の些細な行動にドキドキするようになっていた。
  • 朝、勇吾はふきの腕を掴んで茶柱を見せ、ふきを赤面させる。
  • 勇吾に「欲しいものはないか」と聞かれたふきは「ない」と答えるが、内心では、以前読んでいた婦人雑誌『婦人え栞』の連載小説の最終回が気になっていた。
  • 買い物帰りに書店で雑誌を見つけ、値段に悩むふき。その姿を、偶然居合わせた勇吾と友人たち(桃木含む)が見ていた。
  • 家に戻ると、勇吾が「ふきが読むかなって」と、その『婦人え栞』を買ってきてくれていた
  • 勇吾は「節約しているのに勝手にごめん」と謝りつつ、「本は金銭に代えられない」「ふきと読めたら楽しい」と、プレゼントした理由を語る。
  • その優しさにふきは涙し、夜、二人で雑誌を読む。
  • 穏やかな時間の中、ふきは勇吾への想いを再確認し、「優しい優しい 勇吾さま 大好きです」と心の中で確信した。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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