【奴奴奴奴!】第3話をネタバレありでわかりやすく解説する

- 主人公の新たな「使用者」は、逢坂家の令嬢であるすずなと陽茉莉に決まりました。
- 目がほとんど見えないすずなのため、主人公は彼女の「目の代わり」という重要な役割を担うことになります 。
- 逢坂家では、養子であるすずな・陽茉莉と、当主・小百合の実子である他の姉妹たちとの間に根深い確執が存在していました 。
- 次女・亞沙子の悪意ある罠にはまり、主人公は陽茉莉を激怒させてしまいますが、その夜、すずなから倒錯的でありながらも彼女なりのコミュニケーションを受けます 。
- 謎の女性・蒼が「我々は大きな駒を手に入れた」と何者かに報告しており、主人公の移籍が大きな計画の一部であることが示唆されました 。
【奴奴奴奴!】第3話をネタバレありでわかりやすく解説する
新たな主人であるすずなと陽茉莉のもと、上位奴隷としての生活が始まった主人公。第3話では、彼と姉妹たちの関係性に少しずつ変化が訪れます。しかし、その裏では世界の歪みと、新たな脅威の影が忍び寄っていました。それでは早速、物語の続きを詳しく見ていきましょう。
始まった新たな日常と姉妹の距離感
上位奴隷としての生活が始まり、月日は流れていきます。主人公は、昨晩の失態を陽茉莉に改めて謝罪しますが、彼女は「…もういいわよ」と冷たく返しつつも、それ以上咎めることはありませんでした 。
彼の新しい日常は、すずなと陽茉莉、二人の令嬢に仕えることです。すずなの入浴を手伝ったり 、陽茉莉の買い物に付き合ったりと 、工場での日々とは全く異なる、人間らしい(しかし、あくまで奴隷としての)生活が過ぎていきます。
上位奴隷生活10日目、すずなが主人公も一緒に入浴するように誘うと、陽茉莉が「ダメに決まってるでしょー!!」と激しく反対する場面がありました 。すずなは「陽茉莉の負担減らそうとしただけだもん」と少し拗ねたように言い返しており 、二人の間にある複雑ながらも姉妹らしい関係性が垣間見えます。
初めての銀座とすずなの“意地悪”
ある日、姉妹は銀座へ買い物に出かけます 。先輩奴隷の小太郎が車で待機する中 、主人公は荷物持ちとして二人に同行しました 。
高級ブティックで服を選ぶ二人。目の不自由なすずなは、陽茉莉に「色と形見て!」と頼ります 。主人公もどちらが良いか意見を求められますが、これまで服を選ぶという文化に触れてこなかった彼は「服とかわかんねぇ~」と困惑するしかありません 。
そんな中、すずなは少し意地悪な振る舞いを見せます。陽茉莉がベージュとグレーの服で悩んでいると、すずなはわざとベージュの服を指さしながら「じゃあ…じゃあグレーので…ベージュにするー」と言い放ちました 。これは、視覚に頼れない彼女なりの甘えや、主人公を試すようなコミュニケーションの一環なのかもしれません。
「最大限の自由」と世界の歪み
買い物の途中、姉妹は主人公にハンバーガーを差し出します 。生まれて初めて食べるその味に、主人公は「うっま!なんじゃこりゃ!」と、かつてないほどの感動を覚えました 。萬餌工場の地獄のような食事を思い出し、彼は今の生活が蒼の言っていた「奴隷に許される最大限の自由」なのだと実感します 。
しかし、そんな束の間の幸福感に浸る彼の目に、街の大型ビジョンが映し出す衝撃的な光景が飛び込んできました。それは「城田産婦人科グループ」が宣伝する「デザインベイビー」の広告です 。
「男の繁殖機能をなくさせた女性勝利宣言から150年」というナレーションは、この世界の根幹にある歪みを物語っています 。ここでは、女性たちが自らの望む才能や容姿を持った子どもを、人工的に「デザイン」して産むことが当たり前となっていたのです 。広告に釘付けになる主人公に対し、陽茉莉は「私たちから目を離すなんて」と少し不満そうな表情を見せました 。
不器用な優しさと香りの“しるし”
ところが、陽茉莉は不機嫌な態度の裏で、主人公のために一つの贈り物を用意していました 。彼女が差し出したのは、小さな香水の瓶です 。
「お前が臭いからその香水買ってあげたんでしょ!」と、陽茉莉は顔を赤らめながらぶっきらぼうに言い放ちます 。
しかし、すずなは「ほんとはね、この子、奴隷に贈り物するの照れくさくてあんなこと言っただけなの」と、妹の不器用な優しさを代弁しました 。最近、上流階級の令嬢たちの間では、自分の奴隷にお気に入りの香りをつけさせ、所有の証とすることが流行っているというのです 。
そして、すずなはこう続けます。
「わたしは見えないから 香りがすればわかるでしょ」「それが、あなたがそばにいるって…」
視覚に頼れない彼女にとって、香りは主人公の存在を確かめるための、かけがえのない“しるし”となるのでした。
香りが繋ぐ三人の絆と不穏な視線
主人公が香水をつけると、すずなと陽茉莉は「どれどれ」と無邪気に彼の元へ駆け寄ります 。二人は主人公の首筋に顔を寄せ、その香りを確かめました 。
「んー…でもカルダモンがちょっと強かったかしら」
「そんなことないわよ わたしこの香り好きよ」
そう言い合う二人の姿は、これまでの険悪な雰囲気が嘘のように穏やかで、三人の間に確かな絆が芽生え始めたことを感じさせます。
しかし、その幸せな光景は、何者かによって監視されていました。物陰から三人の様子をじっと見つめていたフードの人物が、「…みぃーつけた」と不気味に呟きます 。平穏な日々に、不穏な影が静かに忍び寄っていました。
【奴奴奴奴!】3話を読んだ感想(ネタバレあり)
第3話は、主人公と姉妹たちの関係性が深まる、心温まるエピソードでした。特に、これまでツンツンしていた陽茉莉が見せた不器用な優しさには、思わず頬が緩んでしまいます。彼女もまた、この歪んだ世界で生きる一人の少女なのだと感じました。
すずなにとっても、主人公は単なる「目の代わり」以上の存在になりつつあるようです。「香りがしるしになる」というセリフは、彼女の孤独を埋める存在として、主人公を強く意識し始めている証拠でしょう。三人の距離が縮まっていく様子は、読んでいて非常に微笑ましかったです。
その一方で、この世界の根幹をなす「デザインベイビー」という設定は、改めて衝撃的でした。生まれながらにして人生の道筋がある程度決められてしまう社会で、「自由」とは何なのかを考えさせられます。主人公が感じた「最大限の自由」も、実は支配者である女性たちに与えられた、非常に脆いものであることを突きつけられた気がします。
そして何より、ラストに登場した謎の人物の存在が不気味でなりません。せっかく三人の間に絆が芽生え始めたというのに、早くもその平穏を脅かす存在が現れるとは…。この人物は一体誰なのか、そしてその目的は何なのか。幸せな時間の後だからこそ、忍び寄る影が一層際立ち、今後の展開にハラハラさせられます。
【奴奴奴奴!】3話のネタバレまとめ
- 主人公は、すずなと陽茉莉の奴隷として、入浴の世話や買い物に付き添うなど、新たな日常を送り始めます 。
- 銀座での買い物中、街の広告を通じて、この世界では自然な繁殖ではなく「デザインベイビー」によって子どもが生まれることが当たり前になっていると明かされました 。
- 陽茉莉は、照れ隠しからぶっきらぼうな態度をとりつつも、流行に乗って主人公に香水をプレゼントします 。
- すずなは、その香りが目の不自由な自分にとって、主人公の存在を確かめる「しるし」になると語り、三人の間には確かな絆が芽生え始めました 。
- 和やかな雰囲気に包まれる三人の様子を、物陰から謎の人物が「みぃーつけた」と監視しており、物語に不穏な空気が漂います 。
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