ディストピア

【奴奴奴奴!】第4話をネタバレありでわかりやすく解説する

ずっちー
前話のおさらい
  • 主人公は、すずなと陽茉莉の奴隷として、入浴の世話や買い物に付き添うなど、新たな日常を送り始めていました。
  • 銀座での買い物中、街の広告を通じて、この世界では「デザインベイビー」によって子どもが生まれることが当たり前になっているという歪んだ事実が明かされます。
  • 陽茉莉は照れ隠しから、主人公に香水をプレゼントしました。すずなは、その香りが目の不自由な自分にとって、主人公の存在を確かめる「しるし」になると語ります。
  • 三人の間に確かな絆が芽生え始めたその時、物陰から謎の人物が彼らを「みぃーつけた」と監視しており、平穏な日々に不穏な影が差し始めました。

【奴奴奴奴!】第4話をネタバレありでわかりやすく解説する

すずな、陽茉莉との間に確かな絆が芽生え始めた主人公。しかし、第3話のラストで忍び寄っていた不穏な影が、ついに彼らの日常を打ち破ります。第4話は、息つく暇もない怒涛の展開が待ち受けていました。その詳細を、ネタバレありで徹底解説します。

突然の襲撃、危険区域への追跡

銀座での買い物を終え、和やかな雰囲気で車へと戻ろうとしていた主人公と姉妹たち。その平穏は、一人の暴漢によって唐突に引き裂かれます。第3話のラストに登場したフードの人物が陽茉莉に激突し、彼女のバッグをひったくって逃走したのです。

事態を瞬時に察知した主人公は、「小太郎!おふたりを頼むっ!!」と、姉妹の保護を先輩奴隷に託します。 そして、自らはたった一人で犯人を追跡し始めました。

犯人が逃げ込んだ先は、「これより階下は危険区域」「許可なく立ち入られる場合は自己責任となりますのでご了承ください」という警告看板が立つ、薄暗いスラム街でした。 主人公はためらうことなく、その無法地帯へと足を踏み入れます。

無法地帯「中央区裏」と謎の女・桜子

スラム街の奥で、主人公はついにひったくり犯を追い詰めます。しかし、そこで彼を待ち受けていたのは、犯人だけではありませんでした。

「あはははは 中央区裏へようこそ」

妖艶な笑みで主人公を迎えたのは、桜子と名乗るリーダー格の女性です。 彼女の周りには、多くの無法者たちが集っていました。桜子は、この「中央区裏」が、主人公の知る世界とは全く異なる場所であることを告げます。

「此処に奴隷制度はない」「男女平等で好き放題やれるぞ セックスも…」

それは、女性支配の社会システムから逸脱した、まさに無法地帯。桜子の一味は、強引な手段で主人公を連れてきたことを謝罪しつつも、「あなたにどうしても聞いてほしいお願いがある」と、彼をある人物に引き合わせようとします。

「真の自由」への誘いと揺るぎない忠誠心

桜子たちが主人公に持ちかけたのは、あまりにも甘美な誘惑でした。「我々と手を組めば あなたは開放され 真の自由が手に入る」と、逢坂家からの離反、つまりは裏切りを唆したのです。

彼女たちは、上流階級の女性たちの身勝手さを嘲笑います。 「金持ちの女は奴隷のことなんてアクセサリーか性処理の道具としか見てないんだよ」

「マーキングするために香水なんかつけさせたりしてさぁ~」

陽茉莉がくれた香水さえも、彼女たちにかかれば所有欲を満たすための道具でしかない、というわけです。

しかし、主人公の心は微塵も揺らぎませんでした。彼は桜子の言葉を遮り、毅然と言い放ちます。

「陽茉莉様のバッグ 返してくださいよ」「そんなの俺にはどーだっていいんすよ」

彼の脳裏にあるのは、ただ主人である姉妹のことだけ。その揺るぎない忠誠心に、桜子の一味は「長年の洗脳で染み付いた奴隷根性はそう簡単に抜けねーか…」と苛立ち、ついに実力行使へと打って出ました。

地獄が育てた戦闘能力

桜子の一味である男たちが、一斉に主人公に襲いかかります。しかし、主人公は怯むことなく、その暴力の嵐に身を投じました。萬餌工場での地獄のような日々は、皮肉にも彼に人間離れした戦闘能力を授けていたのです。

「久しぶりのケンカだぜ!!!」 と叫び、彼は次々と襲い来る男たちを返り討ちにしていきます。多勢に無勢の状況をものともしないその強さに、桜子でさえも「なーんか…思った展開じゃねーなぁ」と、面白そうに目を細めるのでした。

無法を体現する桜子の狂気

激しい乱闘の最中、「スラムで10人以上の集団を形成するのは違法ですよ!」という声と共に、一人の女性警察官が現場に駆けつけます。 しかし、法も秩序も通用しないのがこの中央区裏です。

桜子たちは全く動じることなく、あっという間に新人警官を取り囲み、武装解除させてしまいます。 彼女たちは抵抗する警官の服を剥ぎ取り、「ひんむいちゃえ」と辱めました。

それでも警官は、誇りを捨てずに叫びます。 「お前たちの言いなりなんかになるわけないでしょっ!!!!」「男と仲良しごっこしてるダサい裏切り者め!!!」

その言葉を聞いた瞬間、桜子の表情から笑みが消えました。「うるさいなー」と冷たく呟くと、彼女は反抗した警官の眼球を、銃で躊躇なく撃ち抜いたのです。

狂気の果ての問いかけ

目の前で繰り広げられたあまりに凄惨な光景に、主人公は言葉を失います。桜子は、まるで道端の虫を潰したかのように平然とした様子で、何事もなかったかのように話を続けました。

「えーと どこまで話したっけ…」「あ…そうそう 人に会ってほしいってお願いしたよねー?」

ひったくりも、乱闘も、全ては主人公をこの場所に引きずり込み、ある人物に会わせるための計画だったのです。

「で?どーすんの?」

血の匂いが立ち込める中、桜子は主人公に選択を迫ります。絶望的な状況下で、物語は幕を閉じるのでした。

【奴奴奴奴!】4話を読んだ感想(ネタバレあり)

第3話の心温まる雰囲気から一転、息もつかせぬハードな展開に、ただただ圧倒されました。前半の穏やかな日常がフリだったかのように、後半は暴力と狂気が支配する地獄絵図でした。

新たに登場した「中央区裏」と桜子というキャラクターは、この物語の世界観をさらに奥深いものにしています。奴隷制度を否定する彼女たちの思想は、一見すると魅力的ですが、その実態は法も秩序も通用しない、ただ暴力が支配するだけの別の地獄でしかありません。

そんな中、桜子たちの甘い誘惑に一切耳を貸さず、逢坂姉妹への忠誠を貫いた主人公の姿には、胸が熱くなりました。彼の中で、すずなと陽茉莉がどれほど大きな存在になっているかが伝わってきて、彼の成長と心の変化を感じることができました。

しかし、白眉は何と言っても桜子の狂気です。新人警官の眼球を躊躇いなく撃ち抜くシーンは、彼女が倫理観の欠如した真の怪物であることを読者に強烈に印象付けました。あんな恐ろしい人物に「どうするの?」と選択を迫られる主人公の絶望を思うと、こちらまで息が詰まるようです。

一連の事件が、全て主人公を「ある人物」に会わせるためのものだったという事実も衝撃的でした。その人物とは一体誰なのか、そして桜子の目的、さらには蒼の計画とどう繋がっていくのか。謎が謎を呼び、次回の展開が気になって仕方がありません。

【奴奴奴奴!】4話のネタバレまとめ

  • 買い物の帰り道、陽茉莉が謎の人物にバッグをひったくられ、主人公は犯人を追って「中央区裏」と呼ばれる危険区域に足を踏み入れます。
  • そこで待っていたのは、桜子と名乗る女性が率いる無法者集団でした。 彼らは奴隷制度のない「男女平等」の世界を謳い、主人公に協力を持ちかけます。
  • 主人公は「真の自由」という甘い誘いを一蹴し、逢坂姉妹への揺るぎない忠誠を示しますが、話は決裂し乱闘へと発展します。
  • 主人公は工場で培った戦闘能力で応戦しますが、そこに警察が介入します。
  • 桜子は反抗した新人警官の眼球を躊躇なく撃ち抜くという狂気を見せつけます。
  • 一連の事件は、桜子が主人公を「ある人物」に会わせるために仕組んだものだったことが判明し、主人公は絶体絶命の状況で選択を迫られることになりました。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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